カルベ式熱量計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 11:50 UTC 版)
この方式では3次元熱流束センサを用いて熱流の検出を行う。熱流束センサ素子は直列に接続して環状にしたいくつかの熱電対(サーモパイル)からなる。熱伝導率の高いサーモパイルで試料室をぎっしり覆い、ヒートシンクの役目を果たす大きな熱量計ブロックの中に設置する。サーモパイルが環状であるため、ほぼすべての方向への熱流をカバーすることができる。実際、効率比の計算によれば、測定温度範囲すべてにわたって平均94±1%までの熱流がセンサに捕捉されている。この種の熱量計の感度はるつぼやパージガスの種類、もしくは流速に依存しない。そのため熱量測定の精度を損なうことなく容器と試料をスケールアップできる点が最大の特長である。 熱量検出器の校正は装置性能の要であり、実行には注意が必要である。カルベ式熱量計にはジュール熱校正もしくは電気的校正と呼ばれる特殊な校正法があり、標準物質を用いた校正法の欠点が克服されている。この校正法の主な利点は以下のとおりである。 絶対校正である 標準物質が必要ない。加熱モードでも冷却モードでも一定温度で校正を行うことができる どんな容器容量に対しても実行できる 非常に精確である カルベ式熱量計の例としてC80熱量計(反応・等温・走査熱量計)がある。
※この「カルベ式熱量計」の解説は、「熱量計」の解説の一部です。
「カルベ式熱量計」を含む「熱量計」の記事については、「熱量計」の概要を参照ください。
- カルベ式熱量計のページへのリンク