カルバー高架線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 00:40 UTC 版)
カルバー線の北側の区間は複々線で、スミス・ストリート-9丁目駅と4番街/9丁目駅の間以外はすべて地下線である。この2駅は、9丁目と10丁目の間でゴワーナス運河(英語版)に架かる、巨大な1マイル(約1.6キロメートル)に及ぶ鋼鉄とコンクリートの高架橋の上にある。この構造物は現在、カルバー高架橋と呼ばれており、INDの本来の地下鉄網の中では唯一の高架線区間で、またすでに解体されたINDワールズ・フェア線以外で唯一地上に出ている区間である。この高架橋が建設されたのは、運河の深さ(もっとも深い地点で15フィート、約4.5メートル)のためであり、また近くのパーク・スロープ(英語版)の地形のためでもあった。高架橋を造らなかったとしたら、ゴワーナス運河とBMT4番街線の双方を潜るトンネルを建設する(駅を地面からかなり深く造らなければならなくなる)か、運河とBMT4番街線の上を通過するために9丁目駅を地上より上に上げなければならなかった。地下線を造る案はどちらにせよ高価で非現実的と考えられ、1927年に路線を選定した時点で高架線の建設費は1200万ドルを節約できると見積もられた。高いマストを備えた船を通航できるようにするという、現在は廃止された航路規制により、高架橋の高さは後に60フィート(約18メートル)から約90フィート(約27メートル)へと変更された。このために、スミス・ストリート-9丁目駅は87.5フィート(約26.7メートル)の高さに造られ、地上高が世界でもっとも高い地下鉄駅となった。これに対して4番街/9丁目駅は、地下にある7番街駅よりも実際には低い場所にある。 長い間に渡ってG系統の列車は、急行線の線路を一時的に使用し、4番街駅で転線することで、スミス・ストリート-9丁目駅止まりであった。しかしこれは時にはF系統の運行の遅延の原因となり、急行の運転を妨げていた。2009年に高架橋の改良工事のために、G系統の終点はチャーチ・アベニュー駅に変更された。
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