カルバー勾配線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 00:40 UTC 版)
INDの列車をコニー・アイランドまで運行開始するために、BMTカルバー線の高架路線を取得することはニューヨーク市の都市計画にとって高い優先度を持っていた。しかし、民間が所有していたBMTとIRTを市が買収して、もともと市が建設して所有していたINDと1940年に統合した結果、カルバー線を含めてBMTとIRTのすべてが市の手に入ったことから、カルバー線のみを取得することは不必要となった。連絡線を造れば、INDの旅客がコニー・アイランドまで通しの運賃で行くことができるようになり、BMT4番街線の混雑緩和にもつながるとされた。 カルバー勾配線 (Culver Ramp) あるいはカルバー連絡線 (Culver Line Connection) の起工式が1941年6月にチャーチ・アベニュー駅とディトマス・アベニュー駅の間で行われ、その年内に完成することを見込んでいた。連絡線自体の費用は200万ドルと見積もられ、新しい信号設備、カルバー高架線の修理とIND標準のプラットホーム長への延長など、プロジェクト全体の総費用は1100万ドル以上と見積もられていた。勾配線を造れるように、マクドナルド・アベニューもアベニューCとコーテルユーロードの間で拡幅することになっていた。この勾配線は軌道や信号の工事も含めてほとんど完成に近づいていたが、年末にアメリカが第二次世界大戦に参戦したことから工事が中断されることになった。工事は1946年に再開されたが、資材の不足が続いていたことや、新しい列車の運行に使える車両が不足していたことなどから、工事の完成はさらに遅れることになった。1954年10月30日に、INDブルックリン線のチャーチ・アベニュー駅とBMTカルバー線のディトマス・アベニュー駅を結ぶ連絡線が開通した。これにより、INDの列車がBMTカルバー線を走ってコニー・アイランド-スティルウェル・アベニュー駅まで運行することができるようになった。
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