カポットとの対決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/22 08:45 UTC 版)
同年5月7日のケンタッキーダービーは、オリンピアが単勝1.8倍という圧倒的な1番人気に推されており、その一方でポンダーは単勝17倍の7番人気に留まっていた。スタートからオリンピアが先頭に立ち、それにカポットが2番手に続く流れのなか、ポンダーは14頭中の最後尾につけてレースを進めた。3/4マイル(約1207メートル)を過ぎたあたりで、オリンピアとカポットに付いていけなくなった先行集団が下がっていく一方で、ポンダーは最後尾から徐々に順位を上げ始めていった。そして第3コーナーに差し掛かるあたりで6番手に付けると、最後の直線手前で外を回るロスによって疲れ果てたオリンピアを抜いて3番手に立ち、直線において先頭のカポットとパレスティニアンの2頭を抜き去って、カポットに3馬身差をつけての優勝を果たした。この競走の走破時計は2分04秒20と平凡なスローペースの記録であったが、ポンダーが最後の2ハロン(約402メートル)で見せた23秒80の上がり時計での追い上げは、周囲のポンダーに対する評価を完全に一転させた。 5月14日、ポンダーはピムリコ競馬場で開催されたアメリカクラシック三冠第2戦のプリークネスステークスにも出走し、当日は単勝3.2倍の1番人気に推された。しかし当時のピムリコ競馬場は最後の直線の距離が950フィート(約289.56メートル)と短く、後ろから行く馬にとって不利なコースであった。また三冠競走中では最も短い9.5ハロン(約1911メートル)の競走であるため、しばしばマイル以下の路線で活躍する馬が台頭する競走でもあり、これらの条件はポンダーにとって不利に働いた。レースはカポットが前半1マイルを1分36秒60のハイペースで軽快に飛ばし、そのまま先頭でゴールした一方、ポンダーはそれから3馬身以上遅れた5着に敗れた。 三冠最終戦のベルモントステークスの1週間前に、陣営はポンダーを本番と同じベルモントパーク競馬場で行われるピーターパンハンデキャップに出走させたが、ここでもポンダーはカポットと鉢合わせした。1番人気のカポットがトップハンデ128ポンド(約58.1キログラム)を背負って7着に敗れるなか、それよりも5ポンド(約2.3キログラム)軽い斤量のポンダーは得意の追い込みで優勝を果たした。このときのポンダーとカポットの着差はおよそ10馬身差であった。 6月11日、本番のベルモントステークスは8頭立てで行われ、ポンダーは単勝1.8倍の圧倒的な1番人気に据えられた。レースが始まるとカポットが先頭を切り、ポンダーが最後尾につけるいつも通りの展開が1マイルの標識まで続き、そしてそこからポンダーは徐々に順位を上げ、最後の直線に向いたところで先頭のカポットまで2番手のパレスティニアンを挟んで10馬身というところまで追いついた。ポンダーはそこから猛然と追い込み、パレスティニアンを抜いて先頭に迫ったが、ゴールまで半馬身差届かずに優勝を逃した。
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