オロ36形(スロ30960形)
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「国鉄オハ35系客車」の記事における「オロ36形(スロ30960形)」の解説
特急「燕」を筆頭とする主要幹線の優等列車に用いられる二等車として、1938年(昭和13年)と1939年(昭和14年)に日本車輌で合計38両が製造された。 このうち1937年(昭和12年)度予算で落成した 1 - 5は台枠にUF37を、1938年(昭和13年)度予算で落成した6 - 38はUF38を使用した溶接組み立ての車体を有し、台車はTR23を装着する。 座席定員は当時の20 m級二等座席客車の標準である64名であったが、本形式製造開始後も亜幹線用として増備が継続した先行形式であるスロ30850形(オロ35形)が転換クロスシートを採用し700 mm幅の狭窓がずらりと並ぶ伝統的な形態であったのに対し、1,300 mm幅の広窓がゆったりと並び、室内には方向転換はできないが深々としたクッションの固定クロスシートが対面式の配置でシートピッチ1,960 mmとして並べられた新しいスタイルとなった。 もっとも、この広窓は大型のガラス板を木枠ではさんである構造であるため非常に重く、煤煙侵入防止に難があり、窓つり上げばねがついているとはいえ1人では両端の窓戸錠を同時に解放操作しつつ開閉するのが困難であり、乗客が窓を昇降させる際に障害となったため38両で製造は打ち切られ、以後の増備は窓幅を100 mm縮小して窓の開閉を容易にしたスロ31120形(のちのオロ40形)に移行した。 戦災で2両が廃車となったが、残る36両は戦後も長く二等車として使用された。 1963年(昭和38年)には、ほぼそのままの設備を保ったままでのオハ55形100番台への格下げとオハネ17形への改造が開始され、最終的にオハネ17形に5両が改造され、残りはオハ55形100番台に格下げされている。
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