イルザの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 17:20 UTC 版)
「ナチスプロイテーション」の記事における「イルザの影響」の解説
映画プロデューサーのデイヴィッド・F・フリードマンは、『ラブ・キャンプ7』の製作に名を連ね自身もちょい役で出演し、1974年に『イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験』をプロデュースした。しかし彼はナチスプロイテーションの仕掛け人と言う訳ではなく、監督のドン・エドマンズによれば『ラブ・キャンプ7』の成功に目を付けたカナダの映画製作会社がフリードマンとエドマンズを雇っただけという事である。『イルザ』は、収容所の司令官がダイアン・ソーン演じるセクシーで、性欲過多で、巨乳で、頻繁に裸になる女性である点が特徴的であった。セックスの合間に、イルザはアウシュビッツにおけるヨーゼフ・メンゲレの悪名高いナチス・ドイツの人体実験と同様、男女の受刑者に恐ろしい生体実験を受けさせる。低体温と圧力室での耐久の実験などは史実に基づいたものであったが、それ以外は純粋なファンタジーであった。例えば女性は男性よりも苦痛に耐えられるという彼女の理論を証明するため、イルザは男女の囚人を死ぬまで鞭打つ。 イルザのキャラクターは「ブーヘンヴァルトの魔女」の異名で知られる、ブーヘンヴァルト強制収容所所長の妻イルゼ・コッホを下敷きにしている。コッホは囚人との乱交で知られ、人間の皮膚から作られたランプシェードを所持していると噂されていた。 『イルザ』には、サディズム、退廃、鞭打ち、性的隷属、生々しい拷問、イルザが射殺される流血のフィナーレ、収容所の炎上、と言う基本的な要素が含まれている。収容所の炎上は、予算を抑えるために以前戦争ドラマに使用された収容所のセットを解体を条件に借りた副産物である。映画はドライブイン・シアターとグラインドハウス巡演で脅威的なヒット作となった。イルザは元々のナチスの設定を無視し、ハーレムの監視人として『イルザ アラブ女収容所/悪魔のハーレム(英語版)』(1976年)、シベリア収容所の女所長として『イルザ シベリア女収容所/悪魔のリンチ集団(英語版)』(1977年)、南米の診療所の所長として『女体調教人グレタ(英語版)』(1977年)と、女囚ジャンルに近い3本の続編で蘇った。
※この「イルザの影響」の解説は、「ナチスプロイテーション」の解説の一部です。
「イルザの影響」を含む「ナチスプロイテーション」の記事については、「ナチスプロイテーション」の概要を参照ください。
- イルザの影響のページへのリンク