イラク大量破壊兵器報道問題とは? わかりやすく解説

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イラク大量破壊兵器報道問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 07:05 UTC 版)

ニューヨーク・タイムズ」の記事における「イラク大量破壊兵器報道問題」の解説

2002年9月8日、ジュディス・ミラー記者による記事で「イラク過去1 - 2年ウラン濃縮技術必要なアルミニウム数千本を入手しようとしていた」という政府関係者からの情報掲載したその日チェイニー副大統領TVでのインタビューで「これは今朝ニューヨーク・タイムズにも載っていた確実な情報だ」と述べフセイン大統領核開発疑惑訴えイラク戦争への世論誘導利用した。後に捏造であると判明するこの情報流したのは、他ならぬチェイニー副大統領スタッフリビー副大統領首席補佐官)だった。チェイニー副大統領自作自演である可能性高かったが、ジュディス・ミラーとニューヨーク・タイムズ情報源秘匿原則に従って、この事実イラク開戦後もずっと隠蔽していたため「ブッシュ政権情報操作加担した」と厳しい批判受けた2004年5月26日、同紙はイラク大量破壊兵器発見されなかったことを受け、イラク開戦前記事誤りがあったと自己批判をする編集者記事掲載した誤りがあったとされるのは、上記記事のほかに2001年10月26日付の、イラク国内テロリスト訓練所生物兵器製造所があるとする記事と、同年12月20日付の、バグダッド病院地下大量破壊兵器保管施設存在するというイラク亡命者の話を伝えた記事など数本。同紙は「記事は正確ではなくあってはならないものが幾つもあった」としたうえ、その後取材間違い分かった記事修正しなかったという。 5月30日には社外審査役(オンブズマン)による、過去記事検証誤り指摘する記事掲載した同年10月3日には、イラク核疑惑に関する特集記事掲載しその中で米政府組織的な情報操作があったことを指摘しブッシュ政権責任厳しく追及した。 ジュディス・ミラー記者その後イラク大量破壊兵器報道を巡るプレイム・ゲート事件関連して連邦大陪審での証言拒否したため収監される。同紙は「取材源秘匿」の原則則ってミラー記者擁護してきたが、ミラー記者独断取材源明かして釈放される一転して全社挙げて非難に回る。同紙の編集主幹ビル・ケラーは、全社員へ当てたメールミラー記者への擁護撤回すると、同紙コラムニストのモリーン・ダウドはミラー記者を「大量破壊女」と批判した同僚たちからの非難にいたたまれなくなったミラー記者は、2005年11月8日付けニューヨーク・タイムズ退社したが、ニューヨーク・タイムズの彼女への対応は「昔付き合っていた女を振るようだ」(ニューズウィーク)と揶揄された。

※この「イラク大量破壊兵器報道問題」の解説は、「ニューヨーク・タイムズ」の解説の一部です。
「イラク大量破壊兵器報道問題」を含む「ニューヨーク・タイムズ」の記事については、「ニューヨーク・タイムズ」の概要を参照ください。

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