イメージングバイオマーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 06:47 UTC 版)
「バイオマーカー (薬学)」の記事における「イメージングバイオマーカー」の解説
多くの新たなバイオマーカーが画像技術の進歩と共に開発されている。イメージングバイオマーカーは数々の利点を持つ。通常、非侵襲性で、直感的かつ多次元的結果が得られる。定量的、定性的両方のデータが得られ、一般的に被験者にとって、他の診断技術よりも不快感が少ない。その他の情報源と組み合わせることで、診断を下す上で非常に利用価値が高くなる。心臓の画像化は盛んな研究分野である。カテーテル挿入が必要な侵襲的方法である冠動脈造影が、長年動脈狭窄症診断のための絶対的判断基準であったが、一方で非侵襲性の技術の開発が望まれていた。心臓コンピュータ断層撮影(CT)が最も有望な方法と目されているが、「カルシウム・ブルーミング」と呼ばれる、カルシウムの蓄積による、画像解像度の低下現象に関連する問題が、未解決である。その他の血管内イメージング技術として、核磁気共鳴画像法(MRI)、光コヒーレンス断層画像化法(OCT)、近赤外線分光法(NIRS)などが研究されている。さらに新たな技術として、フッ素同位体で標識された、フルオロデオキシグルコース(18F-FDG)を、バイオマーカーとして用いる方法がある。ポジトロン断層法(PET)は、体内でグルコースが細胞内に取り込まれる部位を、観測することができる。マクロファージはグルコースの消費が早いので、グルコースを追跡することで炎症の位置を特定することができる。腫瘍もグルコースを大量に消費するので、腫瘍のモニターにも同じ技術が使われる。炎症の拡大や腫瘍の成長にとって、極めて重要な段階を直接的に観測する点で、同位体グルコースの追跡は有望な技術と言える。
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