イスラーム世界での天文学の発達とアストロラーベ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 22:28 UTC 版)
「アストロラーベ」の記事における「イスラーム世界での天文学の発達とアストロラーベ」の解説
アッバース朝初期にマンスールなどの歴代カリフたちが主導した事で、ギリシア語文献を中心としてシリア語、パフラヴィー語など諸文献をアラビア語へ相互に翻訳する一種の「翻訳運動」が隆盛したが、この時期に天文学関係の諸分野の研究も活発化し、アストロラーベについてもその用途などに応じて様々な研究や作成が行われた。真鍮製のアストロラーベはイスラム世界の各地で発達し、主に用途としては天体や地上の目標物の高度を測定したり、時刻の算出、占星術に必要な特定の天球上の星座配置の再現など。四分儀と並ぶ携帯用の天体観測儀として普及し、このため航海中の時刻や位置測定、地上におけるキブラを見付けるためなどに広く使われた。最初の例は315年(ヒジュラ暦で927-8CE)のものである。イスラムで最初にアストロラーベを作った人物はマーシャーアッラーフの同僚であった占星術師ペルシア人のファザーリー(Ibrāhīm al-Fazārī )や9世紀の占星術師でアストロラーベ製作者であったアリー・ブン・イーサー(‘Alī ibn ‘Īsā )などのアッバース朝の宮廷で活躍した人々であることが知られている。 15世紀後半に作成されたものでは、大変珍しい球体状のアストロラーベなどもある。
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