イスラム教の巡礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 13:10 UTC 版)
詳細は「ハッジ」、「ウムラ」、および「en:Ziyarat」を参照 メッカ(マッカ)にあるカアバ神殿へ歩いて向かうこと。アラビア語で「ハッジ」。イスラム教の五行のひとつ。行程に若干異なる点があるが、巡礼にはイスラム教各宗派の信徒が共に参加する。 ヒジュラ暦で12番目の月を「ハッジの月(巡礼月)」と呼び、この月にメッカのカアバへ巡礼することは、特に奨励されている。これを大巡礼と言う。対して、これ以外の月に巡礼することは小巡礼(ウムラ)と言う。例年、ハッジの月には数百万人の巡礼者がメッカに集まる。 巡礼は、体力的、経済的に可能な者に、一生に一度は行なうよう義務付けられている行為であるが、巡礼を果たしたムスリム(イスラム教徒)は、「ハーッジー」と呼ばれ、特に尊敬される。 現在ハッジの希望者数は受け入れ可能人数を超えており、ハッジに参加するにはメッカを管理するサウジアラビア政府の発給する特別ビザが必要。ビザ発給枠はムスリム人口を考慮し各国に割り当てられる。サウジアラビア政府は巡礼地での礼拝時の宗教的興奮において起こると危惧される政治的混乱を恐れている。 聖者の廟への参詣はズィヤーラ(アラビア語: زيارة)と呼ばれてハッジ(巡礼)とは厳格に区別されるが、ズィヤーラの方がむしろ日本でいう巡礼に近い。ズィヤーラははじめシーア派によって体系化され、歴代のイマーム、とくにカルバラーのフサイン廟への参詣が奨励された(アルバイーンも参照)。後にイスラーム世界全体に広がり、各地の聖廟を巡歴する形式や、集団参詣も行われるようになったが、近代になって急激に衰退した。
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