イスラム教の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 15:27 UTC 版)
「ミシェル・アフラク」の記事における「イスラム教の役割」の解説
アフラクがイスラム教の中に見出したのは、革命運動であった。他の国籍とは違い、アラブの誕生と拡大は、宗教的なメッセージに起因する、と考えたアフラクは、アラブの精神性はイスラム教に繋がり、イスラム教を排してアラブを論じることは出来ないと信じていた。アラブ・ナショナリズムは精神的革命運動で、ムハンマドのイスラム運動に次ぐ、アラブ世界第2の革命運動であるとした。アラブの全ての宗教コミュニティは、イスラム教の精神性を尊重すべきであると考えており、アフラク自身はイスラム教を敬うキリスト教徒だった。ムハンマドについては必ずしも崇拝をする必要はないが、全てのアラブ人がムハンマドを見習うように努力すべきであると信じていた。アフラクは、ムハンマド時代はムスリムとアラブは同義語であったとする。イエス・キリストは宗教指導者であったが、政治指導者ではなかった。しかし、ムハンマドはその両方であり、イスラム教の指導者でもありアラブ世界初の指導者ともいえると主張した。 しかし、アフラクが注目したのはイスラムの精神性であって、イスラム教は国や社会に「強制されるべきではない」と強調していた。アフラクは、無神論に反対していたが、原理主義にも否定的で、「浅はかな虚偽の信仰」と表現した。バアス主義のイデオロギーによれば、全ての宗教は対等とされた。アフラクは反無神論的なスタンスではあったが、世俗国家を強く支持していた。そして、「バアス主義国家は、宗教に変わって、アラブナショナリズムと倫理と自由を基盤とした国家を目指す」と主張していた。
※この「イスラム教の役割」の解説は、「ミシェル・アフラク」の解説の一部です。
「イスラム教の役割」を含む「ミシェル・アフラク」の記事については、「ミシェル・アフラク」の概要を参照ください。
- イスラム教の役割のページへのリンク