イエスの生誕地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:29 UTC 版)
新約聖書には、イエス・キリストはベツレヘムで生まれたとする記述がある。ルカによる福音書によると、イエスの両親はナザレに住んでいたがクレニオ(キリニウス)の人口調査のためベツレヘムに戻り、そこでイエスは生まれた後にまたナザレに戻ったという。マタイによる福音書では生誕前にナザレに住んでいたことは書かれておらず、またナザレに行ったのは迫害を逃れるためと書かれている。またミカ書にある言葉をベツレヘムにメシアが生まれる預言と捉えていた。 現代の学者の中には、イエスがベツレヘムで生まれたことを疑問視している者もおり、聖書のこの話は歴史的な記述ではなく、イエスの誕生を預言の成就、そしてダビデ王の系譜とイエスを結びつけるために考え出された象徴的な話であると見ている。2005年に考古学者のAviram OshriはArchaeology誌で、イエスが生まれた当時、現在のベツレヘムには定住の痕跡は存在しないと指摘し、イエスは「ガリラヤのベツレヘム」に生まれたのではないかと仮説を立てた。2011年、Biblical Archaeology Review誌で、ジェローム・マーフィー・オコナーは、伝統的な立場からイエスはエルサレム近くのベツレヘムで生まれたと反論した。 キリスト教弁証家ユスティノス(100年? - 165年?)は「ユダヤ人トリュフォンとの対話」の中で、町の外の洞窟で生まれたと書いている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}子供がベツレヘムで生まれたとき、ヨセフは町に宿を借りられなかった。そこで彼は町の外にある洞窟を仮宿とし、そこでマリアがイエスを産み、イエスを飼い葉桶に置き、そしてアラビアから来た東方三博士が、そこでイエスに出会った。 —ユスティノス、ユダヤ人トリュフォンとの対話 78章 オリゲネス(185年? - 254年?)によれば、ベツレヘムにある洞窟で生まれたとしている。 ベツレヘムの洞窟は彼が生まれ、飼い葉桶の中で産着にくるまれた場所である。そしてその場所の情報は伝わり、外国人が信仰を示し、キリスト教徒に崇敬されるイエスが、確かにこの洞窟で生まれた。 —オリゲネス、ケルスス反論 第1巻51章
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