アルミランテ型フリゲートとは? わかりやすく解説

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アルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ級フリゲート

(アルミランテ型フリゲート から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 00:56 UTC 版)

アルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ級フリゲート
基本情報
種別 フリゲート
運用者  ポルトガル海軍
就役期間 1966年 - 1989年
前級 ディオゴ・ゴメス級 (旧英リバー級)
アルヴァレス・カブラル級 (旧英ベイ級)
ディオゴ・カン級 (旧米WGT型)
準同型艦 ディーレイ級
オスロ級
次級 ヴァスコ・ダ・ガマ級
要目
軽荷排水量 1,450トン
満載排水量 1,950トン
全長 95.86 m
水線長 93.88 m
最大幅 11.18 m
吃水 4.04 m
ボイラー 水管ボイラー×2缶
主機 ギヤード・タービン×1基
推進器 スクリュープロペラ×1軸
出力 20,000 shp
電源 700 kW
速力 27ノット
航続距離 4,400海里 (11kt巡航時)
燃料 360トン
乗員 166名
兵装
FCS Mk.63 GFCS
レーダー
  • MLA-1B 対空捜索用
  • 978型 対水上捜索用
  • RM-316P 航法用
  • AN/SPG-34 砲射撃指揮用
ソナー
  • AN/SQS-30〜32 捜索用
  • DUBA-3A 攻撃用
  • AN/SQA-10A 可変深度式
  • 電子戦
    対抗手段
    AN/WLR-1電波探知装置
    テンプレートを表示

    アルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ級フリゲートポルトガル語: Fragata da classe Almirante Pereira da Silva)は、ポルトガル海軍フリゲートの艦級[1]ジェーン海軍年鑑では独立した艦級として扱っているが、アメリカ海軍協会(USNI)などでは固有の艦級名は付与せず、ディーレイ級護衛駆逐艦の一部として扱っている[2][3]

    来歴

    ポルトガル海上帝国からの収益は乏しく、その版図に見合う艦隊の建設・維持には困難が伴ったが、第二次世界大戦中立を保ちつつも連合国を支援していたことで、終戦直後より、アメリカ合衆国からの軍事援助が開始された。また1949年北大西洋条約機構(NATO)の創設メンバーとなると、1951年には、アメリカ軍に対しアゾレス諸島ラジェス航空基地の使用を認める協定が締結された[3]

    ポルトガル海軍に対しては、まず大戦中に建造された艦艇が引き渡されたのち、1950年代からは、新規建造の計画も推進されるようになった。まずイタリアベネズエラ海軍向けに建造していたアルミランテ・クレメンテ級の派生型1隻が建造され、1957年に「ペドロ・エスコバル」として竣工した。これに続き、アメリカの相互防衛援助計画(MDAP)のもとで、同国海軍のディーレイ級護衛駆逐艦の準同型艦3隻を国内で建造することになった。これが本級である[3]

    設計

    上記の経緯から、基本設計はディーレイ級護衛駆逐艦(SCB-72)に準じたものとなっており、主要諸元も同様である。ただしポルトガル海軍の運用要求に基づき、熱帯海域で長期間展開できるように配慮された[3]

    主機はド・ラバル式ギヤード・タービン1基1軸、ボイラーの蒸気性状は、圧力600 psi (42 kgf/cm2)、温度850 °F (454 °C)であった[1][3]。これらも、いずれもディーレイ級と同様である[4]。燃料搭載量は360トン、電源容量は700キロワットであった[2]

    装備

    一方、装備面ではある程度の独自色が加えられている。対潜兵器としては、324mm3連装短魚雷発射管は原型艦と同様だが、Mk.108 324mm対潜ロケット砲にかえて、スウェーデン製の4連装375mm対潜ロケット発射機が両舷に1基ずつ設置された。艦砲としては50口径7.6cm連装速射砲(Mk.33 3インチ砲)2基が搭載され[1][3]Mk.63 砲射撃指揮装置によって管制した[2]

    メインセンサーとなる捜索レーダーは、原型艦で搭載されたAN/SPS-6と類似した性能・構成のイタリア製のMLA-1Bが搭載された。一方、探信儀としては、「ペレイラ・ダ・シルヴァ」がAN/SQS-30、「ガゴ・コーチニョ」がAN/SQS-31、「マガリャインシュ・コレイア」がAN/SQS-32と[3]、いずれもAN/SQS-4シリーズながらわずかに異なる機種を搭載したが、これは僚艦同士での周波数重複を避けるための措置といわれている[2]。またDUBA-3A攻撃用ソナーおよびAN/SQA-10可変深度ソナーも搭載された[3]

    同型艦

    一覧表

    # 艦名 起工 就役 除籍
    F 472 アルミランテ・ペレイラ・ダ・シルヴァ
    NRP Almirante Pereira da Silva
    1962年6月 1966年12月 1989年
    F 473 アルミランテ・ガゴ・コーチニョ
    NRP Almirante Gago Coutinho
    1963年12月 1967年11月
    F 474 アルミランテ・マガリャインシュ・コレイア
    NRP Almirante Magalhães Correia
    1963年8月 1968年11月

    運用史

    1・2番艦はリスボン造船所で、また3番艦はヴィアナ・ド・カステロで建造された。1980年代には近代化改修が検討されたものの、これは断念された。また200海里排他的経済水域の制定に伴い、2隻を哨戒艦に転換することも検討されたものの[2]、結局、1989年頃に順次に退役した[3]

    出典

    1. ^ a b c Moore 1975, p. 268.
    2. ^ a b c d e Couhat 1986, p. 395.
    3. ^ a b c d e f g h i Gardiner 1996, pp. 317–318.
    4. ^ Gardiner 1996, p. 595.

    参考文献

    関連項目




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