アルミニウム合金装甲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:16 UTC 版)
アルミ合金は鋼鉄に比べて約3分の1の比重であり同じ厚さであれば鋼鉄よりはるかに軽くて済むが、従来型の砲弾に対する強度も約3分の1となり、鋼鉄製のRHAと同様の防護性能を求めれば3倍の厚さで重さは同じになってしまう。しかし、厚みのために剛性が高く、車体や船体に使用すれば補強材を減らせて全体の重量を軽減でき、内部空間も有効活用できるなどの利点がある。一方でAPFSDS弾やHEAT弾による高速衝突では、RHAに比べてアルミニウム装甲は極めて脆弱となる。 冷戦期には、M551シェリダンなど空輸や空中投下を行う空挺戦車やM113の様に水上浮行能力を求められた車輌など、特に軽量化を求められた場合にしばしばアルミ合金装甲が採用されている。しかしその後、対戦車砲弾や対戦車ミサイルはもとより地雷やRPGなどへの脆弱性が指摘されており、爆発反応装甲などの増加装甲による防護も重量負荷やその作動にアルミ合金装甲自体が耐えられない、火災時には比較的早期に強度を失うといった問題があり現在は使用例は少なくなっている。
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