アルコール依存症治療における成り立ち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:19 UTC 版)
「アダルトチルドレン」の記事における「アルコール依存症治療における成り立ち」の解説
アルコール依存症の親の元で育ち、成人した人を指す用法としてのこの語は1970年代アメリカで、ケースワーカーや依存症者の間で俗語として使われるようになった。 過剰で習慣的な飲酒が病気とみなされて治療の対象になると(医療化)、ソーシャルワーカーや精神科医の間で、アルコール依存症者の配偶者の病理性が知られるようになり、飲酒をコントロールできず妻に依存する夫と、「自分がいなければ相手はだめだ」と飲酒する夫の世話を焼き存在意義を確認する妻という関係性が、アルコール依存症治療の本質的問題だと考えられるようになった。この問題は、「支え手(イネイブラー)」「共・アルコール依存(コ・アルコホーリック)」という言葉を経て、「共依存」という概念で捉えられるようになり、また、アルコール依存症に民間保険が適用されたことで、「患者」の範囲が拡大した。 アルコール依存症者の親子、家族全体の関係も注目され、アルコール依存症は臨床での経験から子供に伝播しやすいことが知られていたため、アルコール問題家族を切り抜けて成人した子がアルコール依存症になったり、アルコール依存症者と結婚したり、配偶者がアルコール依存症になったりするなど、共依存・嗜癖(アディクション、悪い習慣)になぜ陥りやすいのか、関心がもたれた。ACOAは家族がアルコール依存症者への対応で手いっぱいで情緒的な関心が向けられなかったため、低い自尊感情と屈辱感を持つようになり、他人に必要とされることで自尊心を満たそうとしたり、他人を支配して自信を持つといった共依存的な傾向が形成され、「見捨てられることへの恐怖」から共依存・嗜虐の傾向があると言われた。
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