アジア語圏の命名事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:54 UTC 版)
日本語名の「冥王星」は、日本人の野尻抱影がPlutoの訳語として提案した名称である。彼はこの名称を「幽王星」というもうひとつの候補とともに雑誌科学画報の1930年10月号に紹介した。この名称は京都天文台ではすぐに採用されたが、東京天文台(現・国立天文台)では英語のままの「プルートー」が用いられた(当時、東京天文台と京都天文台は異なる用語を用いていることがしばしばあった)。東京天文台が「冥王星」を採用したのは太平洋戦争中に外来語(カタカナ語)を禁止した1943年のことであった。 1933年には中国でも「冥王星」が使われ始め、現在では、中国語では日本語と同じ「冥王星(míngwángxīng)」が用いられている。 漢字をほぼ廃止した朝鮮語では、漢字で冥王星にあたる「명왕성(myeongwangseong)」を用いている。 漢字を完全に廃止したベトナム語では、ヒンドゥー教や仏教で地獄の守護神とされる閻魔にちなんで、漢字で「閻王星」にあたる「Diêm Vương Tinh」や、「閻王の星」にあたる「Sao Diêm Vương」などと呼ばれる。 インドでも閻魔(ヤマ)にちなみ「यम ग्रह(yam grah)」と呼ばれる。
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