アインシュタイン (単位)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/30 06:09 UTC 版)
アインシュタイン(einstein) | |
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記号 | E |
量 | 光子のエネルギー(実質的には光子の物質量) |
SI | 3.9903127128934314×10−10 J·s × 周波数 1.1962656563869700914603812×10 −1 J·m ÷ 波長 (いずれも正確に) (実質的に 1 mol) |
定義 | 1 mol の光子が持つエネルギー |
アインシュタイン(ドイツ語: Einstein, 記号:E)は、光化学で用いられる、光子の物質量(モル数)に関係した単位である。アインシュタインという単位名称は、1905年の論文において光電効果の原因を解明し、光量子(現在は光子と呼ばれる)という考えを示したアルベルト・アインシュタインにちなむ。
定義と意味
1 アインシュタインは、1 モル(アボガドロ数個)の光子が持つエネルギーと定義されている[1]。ただし、光の光子あたりエネルギーはその周波数(あるいは波長)によって変わる[1]。同じアインシュタインでもエネルギーは数倍(理論上は数千倍でも数百万倍でも)変わるので、アインシュタインはエネルギーそのものを表す単位ではない。
実際はアインシュタインは、エネルギーではなく光子の物質量を表すのに使われる。つまり、「光子の物質量は 10 モルである」と言いたいときに「光のエネルギーは 10 アインシュタインである」のように言う。この際、そのエネルギーが具体的にどれだけか(何ジュールか)は問題としない。
換算
アインシュタインをジュール(あるいは他のエネルギーの単位)に換算するには、光の周波数か波長を特定する必要がある。
光子 1 個のエネルギーはプランク定数×周波数なので、hNA(プランク定数×アボガドロ定数)= 3.9903127128934314×10−10 J·s/mol(ジュール秒毎モル)に周波数をかければ換算係数が求まる。あるいは、h · c · N A(プランク定数 × 光速度 × アボガドロ定数) = 1.1962656563869700914603812×10 −1 J·m/mol(ジュールメートル毎モル)を波長で割ってもいい。2019年にSI基本単位が再定義されたことによりプランク定数、アボガドロ定数、光速度がすべて正確な定義値になったため、それぞれの換算係数も正確な値である。
こうして求まる換算係数は J/mol(ジュール毎モル)である。アインシュタインは実質的に物質量でありモルに等しいので、アインシュタインの値にこの換算係数をかければジュールの値が求まる。なお、換算係数でなく「1アインシュタインのエネルギー」を考える場合は、以上の全ての値に 1 モルをかけて単位から /mol を消しておく。
使用例
アインシュタインは光合成の研究に用いられる。それは、酸素の生産量が与えられているとき、それに必要な光の条件は、光の周波数ではなく光子の量であるからである。例えば、1 モルの酸素を生産するためには約 9 アインシュタインの光子が必要である。
放射照度は、E/s·m2(アインシュタイン毎秒毎平方メートル)として計測することができる。なお、SI における放射照度の単位は W/m2(ワット毎平方メートル) = J/s·m2(ジュール毎秒毎平方メートル)である。光合成有効放射 (PAR) はアインシュタインの10−6 倍のマイクロアインシュタインを用いて、µE/s·m2(マイクロアインシュタイン毎秒毎平方メートル)という単位で報告されることが多い。
出典
- ^ a b 共立化学大辞典第 26 版、p. 10。
参考文献
- 田中郁三 著、化学大辞典編集委員会(編) 編 『化学大辞典』 1巻(縮刷版第 26 版)、共立出版、1981年10月。
「アインシュタイン (単位)」の例文・使い方・用例・文例
- アインシュタインの相対性理論は計り知れないほど重要で偉大な発見である
- アインシュタインは間違いなく天才だった
- アインシュタインは現代の卓越した物理学者と考えられている
- アインシュタインのような人ならこの問題を解けるだろう
- 彼はアメリカの科学者であるアインシュタインを尊敬している。
- 相対性理論の創案者はアインシュタインであった。
- あなたにアインシュタインのような人になってもらいたい。
- アインシュタイン以前、科学者は宇宙に際限がないものと思っていた。
- アインシュタインは数学の天才だった。
- アインシュタインはバイオリンを弾くのが大好きだった。
- アインシュタインは時代にはるかに先んじていた。
- アインシュタインの理論は現代の科学に大いに貢献した。
- アインシュタインの相対性理論は私にはちんぷんかんぷんだ。
- アインシュタインのような科学者はまれである。
- アインシュタインにとって理論物理学は遊びのようなものだったが、そんな彼も税金の計算となるとからきし駄目だった。
- アインシュタインといえば相対性理論を思い出す。
- アインシュタインという名から私達は相対性理論を連想する。
- アインシュタインが死んでからほぼ四十年になる。
- 彼の業績はアインシュタインの業績にひけをとらない.
- その物理学者はアインシュタインといったが, かの有名なアインシュタインではなかった.
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