アイザック・スターンとは? わかりやすく解説

アイザック・スターン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/24 01:53 UTC 版)

アイザック・スターン
Isaac Stern
アイザック・スターン(1980年撮影)
基本情報
生誕 (1920-07-21) 1920年7月21日
出身地  ウクライナ・クレメネツ
死没 (2001-09-22) 2001年9月22日(81歳没)
アメリカ合衆国
ニューヨーク州 ニューヨーク
学歴 サンフランシスコ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 ヴァイオリニスト
担当楽器 ヴァイオリン
活動期間 1936年 - 2001年

アイザック・スターン(Isaac Stern、1920年7月21日 - 2001年9月22日)は、ユダヤ系ヴァイオリニスト

人物・来歴

アイザック・スターンは、ウクライナ語名イサーク・ステルン (Ісаак Стерн) として、当時ポーランド領(現ウクライナ領)だったクレメネツに生まれるが、1歳2ヶ月の時に、家族に連れられサンフランシスコに移住する。母親から音楽の早期教育を受け、早くも1928年でサンフランシスコ音楽院に入学、ヴァイオリンをナフム・ブリンダーに学ぶ。1936年2月18日サン=サーンスヴァイオリン協奏曲第3番を、モントゥ指揮のサンフランシスコ交響楽団と共演、翌37年にはニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開催し、デビューを果たす。初演後、初演者と作曲者の恋愛関係から演奏される事のなかったバルトークヴァイオリン協奏曲第1番を初演者の依頼によって再演奏し、世界に知らせた。戦後間も無い時期から、1953年、61年、65年、68年、71年と度々日本を訪れる。小澤征爾などの日本人演奏家と親交を持っていた。

1979年に、中国政府に招かれ、演奏旅行のかたわら、中国各地でヴァイオリンの指導を行う。その模様はフィルムに収録され、『毛沢東からモーツァルトへ(From Mao to Mozart)』と題されたドキュメンタリーは、翌年のアカデミー賞ベスト・ドキュメンタリー部門でオスカーに輝いた。新進演奏家の擁護者でもあり、なかでもイツァーク・パールマンピンカス・ズーカーマンシュロモ・ミンツヨーヨー・マジャン・ワンはスターンの秘蔵っ子たちで、しばしば共演を重ねてきた。1960年には、カーネギー・ホールが解体の危機に見舞われた際、救済活動に立ち上がった。そのため現在、カーネギー・ホールのメイン・オーディトリアムはスターンの名がつけられている。またユダヤ人として、イスラエルに強い共感を示し、ユダヤ人を題材にしたミュージカル映画『屋根の上のバイオリン弾き』では劇伴のヴァイオリンソロを担当している。

ユダヤ人としてイスラエルに強い共感を示し続けたが、晩年、中東和平を推進したイスラエルのバラク政権を支持した事や、戦後永く訪れなかったドイツを訪れ、ドイツ人との和解に努めた事も注目される。特に、スターンがバラク政権を支持した事は、アメリカのユダヤ人社会に波紋を広げたと言われる。

1996年より始まる宮崎国際音楽祭では、初代音楽監督に就任しており、2002年には宮崎県より県民栄誉賞を遺贈された。また同年、音楽祭での功労を称えて、宮崎県立芸術劇場ネーミングライツにより現在の愛称は『メディキット県民文化センター』となっている)のコンサートホールは、アイザックスターンホールと改称された。2000年には80歳で来日し、日本で来日記念アルバムも発売された。

1997年、勲三等旭日中綬章受章[1]

2001年9月22日、その11日前に発生したアメリカ同時多発テロ事件で全米が騒然とする中、その渦中にあったニューヨーク心不全の為、亡くなった。81歳没。20世紀最高のヴァイオリニストと呼ばれたヴァイオリニストの一人。

家族

音楽

スターンは、古典的な数々の協奏曲(J.S.バッハベートーヴェンメンデルスゾーンブラームスチャイコフスキー)の演奏・録音で有名である。それに加えて、アルバン・ベルクバルトーク・ベーライーゴリ・ストラヴィンスキーサミュエル・バーバーレナード・バーンスタインアンリ・デュティユーなどの20世紀の協奏曲も演奏・録音した。

室内楽でも、アレクサンダー・ザーキンとデュオ、ユージン・イストミンレナード・ローズと組んでピアノ・トリオの演奏や録音を行った。さらに、1992年には、エマニュエル・アックスハイメ・ラレードヨーヨー・マと共演したブラームスの室内楽のCDが、同年のグラミー賞に輝いている。

使用楽器

関連項目

  • ミラ・ゲオルギエヴァ - アイザック・スターンが真の才能と絶賛

脚注

注釈・出典

  1. ^ 「97年秋の叙勲受章者勲三等以上の一覧」『読売新聞』1997年11月3日朝刊

アイザック・スターン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:19 UTC 版)

ラグナクリムゾン」の記事における「アイザック・スターン」の解説

レーゼ少佐銀装兵団顧問メガネをかけた若い真面目な男性。団内では「アイクもしくはメガネ」と呼ばれている。曲者揃い兵団の中では常識故に兵団の中では苦労人自身頭頂部が気になっており、「ハゲ」と呼ばれることもある。元々はスターリアを脅威感じ国内の者たちに派遣され顧問である。

※この「アイザック・スターン」の解説は、「ラグナクリムゾン」の解説の一部です。
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