はたらくじどうしゃ事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 23:19 UTC 版)
「横浜市営バス滝頭営業所」の記事における「はたらくじどうしゃ事件」の解説
「Yループ」への変更時に塗装変更された専用車両のうち1台(8-4323号車、横浜22か6646)に、1970年代後半に東急東横線桜木町駅高架下のグラフィティアートを描いたことで知られる画家ロコ・サトシが、関内・馬車道地区をイメージしたイラストを手掛けた。 1998年に永岡書店が、この車両の写真を表紙と本文中に掲載した幼児向け乗り物絵本『なかよしえほんシリーズ 5 まちをはしる はたらくじどうしゃ』(監修:多湖輝)を出版したが、その際に著作権者である画家に対して許諾を取っておらず、また当該書籍に著作権者名の表示がなかったため、著作権侵害および著作者人格権侵害であるとして、画家が出版社を相手取り損害賠償を求めて民事訴訟を提起するに至った。 この裁判において、横浜市は原告・被告のいずれとしても関与していない。なお、当時はまだラッピング技術が発達しておらず、当該イラストは車体に直接塗装で描かれていたが、以下便宜上「ラッピングバス」と記す。 著作権法第46条では「公開の美術の著作物等の利用」として、屋外に設置された美術または建築の著作物については原則として方法を問わず自由に利用できることを定めているが、この裁判では動くラッピングバスが「公開の美術の著作物等」に該当するか否かが主な争点となった。東京地方裁判所は2001年7月25日、ラッピングバスも「屋外に恒常的に設置された美術の著作物」に当たるという初の判決を下して原告の訴えを退けた(平成13年 (ワ) 第56号 損害賠償請求事件 口頭弁論終結日 平成13年5月8日)。 この判例は「はたらくじどうしゃ事件」または「ラッピングバス裁判」などと呼ばれ、著作権法の判例として重要なものとされている。
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