千代有三(ちよ・ゆうぞう)
本名鈴木幸夫。1912年(明45)、大阪市生まれ。早稲田大学英文科卒。早稲田大学文学部名誉教授、跡見学園短大学長。「文学者」同人。ペンネームは「カンタベリ物語」のジェフリチョーサーをもじったもの。ゴルフの会の「蟻這会」会員。
1949年(昭24)、日本探偵作家クラブ新春の例会に、高木彬光の出題した犯人当て小説で、二年連続して一等をとる。その後、みずから出題者となり、執筆したのが、1951年(昭26)、「痴人の宴」で、この作品を「宝石」に発表。
1957年(昭32)、仁賀克雄に請われ、ワセダミステリクラブの会長に就任。大藪春彦を発掘する。
1958年(昭33)、角田喜久雄を中心に、大河内常平、楠田匡介、中島河太郎、日影丈吉、山田風太郎、山村正夫らで親睦会「例の会」を結成。
1980年(昭55)、本名で「英米の推理作家たち」を発表。
英文学者でありながら、本格派として活躍。ほかに、翻訳研究多数。江戸川乱歩、島田一男、香山滋、渡辺剣次、楠田匡介、中島河太郎、荻原光雄、岡田鯱彦、鷲尾三郎とともに「十人会」を結成していたこともある。
1986年(昭61)、心不全のため死去。
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