その後の証拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/15 03:30 UTC 版)
2R仮説は1990年代になって改めて研究者の興味を引き、重複の時期および回数について示唆を与える研究結果が少なからず見られはじめた。重複時期については5億4千万年前から4億5千万年前と推定された。重複回数については哺乳類の遺伝子数に依存する推定となるが、当初無脊椎動物のゲノムの約4倍と見積もられていた(最近の推定結果では2倍以下としている)。ヒト染色体の遺伝子ファミリーの中には2R仮説に矛盾するようなパターンを示すものも見られている。最節約原理による解析では2R仮説は支持されないながら、排除できるには至らないという結果も得られている。Wojciech Makałowskiは2001年のレビューで、「脊椎動物の初期段階での全ゲノム重複仮説は、支持する結果も多いが反対の結果も多い」と述べている。Makałowskiは、最新結果の全体的なバランスは反対の結果のほうに傾いているようだと述べているが、データを広い範囲から集めることによって結果が調整できるから反証も簡単ではないとも述べている。研究者の中にはヒトゲノムの遺伝子配列の粗データを用いて重複を解析したものもあり、彼らは、重複が広汎に見られ、また、この仮説に疑義をもたらした最節約法には妥当性に疑いがあると主張した。Masanori Kasaharaは2007年のレビューで、今やこの仮説を支持する、議論の余地のない証拠が得られているとして、2R仮説をめぐって起きていた長い論争に終止符が打たれる日も近いと述べている。
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