その後と関連作品
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椎名誠 『大きな約束』集英社、2009年。ISBN 978-4-08-771281-0。 椎名誠 『続 大きな約束』集英社、2009年。ISBN 978-4-08-771282-7。 (集英社『すばる』2007年3月号~2008年10月号連載「いいかげんな青い空」改題) 『岳物語』正・続2冊は商業的にも大きな成功を収め、読者や椎名の友人知人から「ぜひ続編が読みたい」「面白くなるのはこれから(中学生以降)だ」といった声が多数寄せられたが、中学生になった岳本人の怒りや彼が実生活で蒙った様々な迷惑もあり、椎名はそれ以降息子を題材にすることを止めた。岳は高校卒業後、短期間プロボクサーとして活動したのちアメリカ合衆国に渡った。サンフランシスコの大学で写真学を修めて写真関係の仕事に就き、同地で日本人女性と結婚し、一男一女を儲けた。 そうした折に、椎名が長年の『本の雑誌』編集の相棒であった目黒考二から、祖父と孫の小説を書いてはどうかと提案を受けて執筆されたのが『大きな約束』『続 大きな約束』(集英社、2009年)である。椎名は同作中で『岳物語』所収作と同じ「アゲハチョウ」と題した短編を執筆し、その中で上述のような『岳物語』第3部を執筆しなかった事情や、その後の岳の略歴について説明した。そして、第3子の出産を日本で行うために岳夫妻と2人の孫が日本にやって来るところで『続 大きな約束』は幕を閉じる(「湾岸道路」)。 岳一家は第3子となる次男の誕生後、東日本大震災の影響もあってそのまま日本に定住することを決め、椎名は3人の孫との関係を描いた私小説の執筆を本格的に開始した(『三匹のかいじゅう』『孫物語』『家族のあしあと』など)。それらの作品群の中では息子の本名を基本的に使わず、「彼ら(孫たち)の父親」と表現している。
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