その他主要作品
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「ジャン・シベリウス」の記事における「その他主要作品」の解説
『カレリア』はシベリウスの初期作品のひとつであり、ヴィープリの学生団体のために書かれ1893年11月13日に騒がしい聴衆へ向けて初演された。組曲版は11月23日の演奏会に序曲と3曲からなる形で登場し、作品11の『カレリア組曲』として出版された。この作品はシベリウスの楽曲でも指折りの人気作品であり続けている。 『悲しきワルツ』は元来、シベリウスの義理の兄にあたるアルヴィド・ヤルネフェルト(英語版)による1903年の戯曲『クオレマ』のために書かれた付随音楽だった。現在では独立した演奏会用作品としてより広く知られている。シベリウスは1903年12月2日の『クオレマ』上演のために6つの楽曲を作曲した。ワルツが使われるのは女性が死の床から起き上がり幽霊と踊る場面である。1904年、シベリウスは4月25日のヘルシンキでの演奏のために手直しを行っており、その際に曲は『悲しきワルツ』と銘打たれた。瞬く間に成功を収めた本作は単独でも取り上げられるようになり、今もなおシベリウスの代表作としての地位を保っている。 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調はヴィクトル・ノヴァチェクの独奏で1904年2月8日に初演された。シベリウスが曲を完成させたのが初演間際であったためノヴァチェクは十分な練習時間を取ることができず、その結果初演は悲惨なものとなってしまった。大幅な改訂を経て、新たな版が1905年10月19日にリヒャルト・シュトラウスの指揮するベルリン王立宮廷楽団により初演されている。カレル・ハリーシュが管弦楽のコンサートマスターと独奏を兼務し、曲は大成功を収めた。以降徐々に人気を獲得したこの作品は、現在では20世紀に作曲されたヴァイオリン協奏曲の中でも有数の録音頻度を誇るまでになっている。 『クレルヴォ交響曲』もシベリウス初期作品のひとつで、合唱交響曲であるとされることも多いが交響詩風の5つの管弦楽曲から成る組曲とした方がより正確である。『カレワラ』の登場人物であるクッレルヴォを題材としている。初演は1892年4月28日、エミー・アクテとアブラハム・オヤンペラ(フィンランド語版)を独唱者に据え、シベリウス自身が設立間もないヘルシンキ管弦楽協会のオーケストラと合唱を指揮して行われた。この作品はシベリウスの生前には5回しか演奏されることがなかったが、1990年代以降は演奏会と録音の両面で人気の高まりを見せている。
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