その他の放射線被曝と白血病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
「白血病」の記事における「その他の放射線被曝と白血病」の解説
医療行為でも強直性脊椎炎患者で脊椎に放射線照射を受けた者、子宮頸癌に対しての放射線治療で骨髄に放射線を浴びた者では数年後に慢性骨髄性白血病の発症率が高くなっていることが報告されている。ただし、これらの放射線被曝量は日常生活ではありえない放射線量であり、これらの放射線が原因と思われる慢性骨髄性白血病は慢性骨髄性白血病患者全体の中では例外と言えるほど少なく、大半の慢性骨髄性白血病の発生原因は不明である。 航空会社国際線のパイロットや客室乗務員は地上に暮らす一般人よりも多くの自然放射線を浴びている。地上の一般人に比べ特に中性子線の被曝量が多い。その被曝量は年に3-6mSv程度と推定されている。彼らの白血病リスクは増大しているとの報告もあるが、しかし症例が少なすぎて被曝線量と発症リスクの相関を示せるほどはっきりした事は判明していない(白血病は現役世代では10万人あたり年に数人程度の発症率である)。また第7染色体異常の発生例も報告されているが、やはり症例が少なすぎて被曝線量と発症リスクの相関は明らかではない。 アメリカ医学会での1944年と1950年の報告では放射線科医はそれ以外の診療科の医師に比べ白血病死亡率は10倍高く、イギリスでも放射線防御の意識が低かった1921年以前の放射線科医ではガンによる死亡率は明らかに高いことが報告されている。ただし、放射線防護対策が確立した1950年以降では放射線科医の白血病発症が多いと言うデータは無くなっている。
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