しろいうさぎとくろいうさぎ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 03:15 UTC 版)
「ガース・ウィリアムズ」の記事における「しろいうさぎとくろいうさぎ」の解説
ウィリアムズが文・絵ともに作成したThe Rabbit's Wedding(邦題『しろいうさぎとくろいうさぎ』) は、白いウサギと結婚する黒いウサギの物語である。この本は異人種間の愛というテーマを連想させるために、アメリカ南部の図書館では開架から撤去されるケースもでて、論争を呼んだ。ウサギたちを二つの異なる色彩で描いたのは読者が違いをすぐに見分けられるからだとする人もいたが、一方で、白と黒のモチーフは陰陽(つまり「男と女」ただし、色と性別の組み合わせは逆転している)を示唆するものだという人もいた。 ジョナサン・グリーン(Jonathon Green)は検閲百科事典 の中でこう書いている: 1959年、Montgomery (Alabama) Public Libraryにおいて、ガース・ウィリアムズのThe Rabbit's Weddingは、イラストが黒い(buck)ウサギと白い(doe)ウサギを描いているために開架スペースから閉架書庫に移された。オーランドのある編集者は、このような異人種間結婚は洗脳的である…この本を手にとって開くとすぐ、この二匹が人種統合されている(integrated)事が分かるだろう、と述べた。モンゴメリー・ホーム・ニュースはこの本は、明らかに人格形成期のこどもに向けて書かれた人種差別撤廃論者のプロパガンダである、と付け加えた。 この論争についてウィリアムズは、「白い毛皮を持つ動物――白クマや白犬や白ウサギ――がそのような関連を持つなどとは全く意識しなかった。私はただ、白馬のとなりに黒馬を配置するのは非常に絵になると意識しただけだった。」自分の物語は大人向けのものではない、として「これはただ柔らかいフワフワした愛に関する物語であり、憎しみのメッセージは隠されていない。」と述べた。 邦題の『しろいうさぎとくろいうさぎ』は、翻訳者の松岡享子による訳題である。原題の『The Rabbit's Wedding』を『うさぎのけっこん』と訳すと結末がわかるためそうでない訳を、として新たに考え出された。
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