おわらの歌詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 23:02 UTC 版)
歌詞の基本は、7、7、7、5の26文字で構成する甚句形式であること、最後の5文字の前に「オワラ」を入れることである。前半の7、7が上の句、後半の7、5が下の句となる。 唄は26文字で構成される「正調おわら」(「平唄」ともいう)が基本だが、これ以外に、頭に5文字を加え31文字とする「五文字冠り」、途中字句を余らせて、最後を5文字で結ぶ「字余り」があって、それを歌いこなす地方の唄い手にもかなりの技量を要する。 これまで作成された歌詞は、大別すると、「おわら古謡」と「新作おわら」がある。おわら古謡は古くから伝わるもので、新作おわらは、野口雨情、佐藤惣之助、水田竹圃( - 1958)、高浜虚子、長谷川伸、小杉放庵、小川千甕( - 1971)、林秋路( - 1973)ら、八尾を訪れた文人たちなどによって新しく作られたものである。 その新作おわらについては、1928年(昭和3年)1月28日、初代おわら保存会長川崎順二が画家・小杉放庵を八尾に招きおわら節を聴いて、「曲はいいのだが唄が下品なものも多くこのままではおわらは廃れる」と進言、そこで川崎が小杉放庵に頼み作詞したのが「八尾四季」で、八尾の春夏秋冬を読んだ4首で構成され、これ以後新しく作られたものを「新作おわら」としている。放庵は、翌2月10日夜付けの手紙でこの八尾四季を川崎に送っており約10日の間に作っており、この手紙は現在八尾おわら資料館にて展示されている。また「八尾八景」8首も作詞しており、二人の交友はこの後30数年に及ぶ。なお、この八尾四季に振り付けをしたのが舞踏家若柳吉三郎で、これが「新踊り」(後述)となっており、現在まで唄い踊り継がれている。 また、これまで途中休止期間はあったものの、保存会では毎年おわら風の盆を前に「越中おわら新歌詞」を募集し、入選・佳作などを選んできたが、応募数が少なくなったため、2009年(平成21年)で休止する事になった。 おわらの歌詞数は大変膨大で、現在「八尾おわら資料館」には明治10年以前の歌詞55首を含む、明治から1928年(昭和3年)以前の「古謡」、それ以降から2009年(平成21年)までの懸賞募集当選歌などの「新作おわら」が整理保管されており、その数は3,070首に及ぶ。
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