おたく文化やロリコン漫画への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:45 UTC 版)
「かわいさ」の記事における「おたく文化やロリコン漫画への影響」の解説
詳細は「シベール (同人誌)」を参照 男性文化において「かわいさ」を主軸とする萌えの元祖的作品は、1980年代前半のロリコンブーム期にあらわれた。それまで一般的な男性向けエロ漫画は、リアルタッチの三流劇画がほとんどであったが、この流れを決定的に変えたのが、1979年のコミックマーケット11で頒布された日本初のロリコン漫画同人誌『シベール』(無気力プロ)である。この同人誌は「手塚治虫や石ノ森章太郎のような丸っこい記号的な絵柄でもセックスが描ける」という「かわいいエロ」の発見と革命をもたらしたことで伝説化している。 その後、ベビースキーマの特徴を兼ね備えたロリコン漫画は青少年に広く受けいれられた。さらには「おたく」の登場とも相まって、二次元コンプレックスなる文化現象を生み出すとともに、今で言うところの「萌えキャラ」で性的欲求を開放する美少女コミックが氾濫する。とくに初期のロリコン漫画は、手塚漫画やアニメ絵の「幼児形態」を保ちながら、性的刺激(=超正常刺激)をもたらした点が画期的であり、エロ漫画評論家の永山薫は「エロ漫画におけるネオテニー(幼形成熟)」とも形容している。そして、現在にも連綿と受け継がれている「萌えエロ」「かわいいエロ」こそ、マッチョ的なものに対するフラジャリティの復権として起こった、一種の表現運動/カウンターカルチャー(80年安保)であったといえる。
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