「2次冷却材漏えい事故」に係る安全審査について(争点3-1)
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「もんじゅ訴訟」の記事における「「2次冷却材漏えい事故」に係る安全審査について(争点3-1)」の解説
2次冷却材漏えい事故とは、原子炉出力運転中に何らかの原因で2次主冷却系配管が破損し2次冷却材ナトリウムが漏えいする事故のことをいう。2次冷却材漏えい事故が生ずると、中間熱交換器での除熱能力が低下し、原子炉容器入口のナトリウム温度が上昇するため、炉心の安全な冷却ができなくなる可能性がある。また、漏えいしたナトリウムの顕熱及び燃焼熱によって部屋の雰囲気温度あるいは床面に設けたライナの温度が上昇することにより、同ライナが果たすべきナトリウムとコンクリートの接触防止機能に悪影響を与える可能性があるとともに、空気雰囲気の部屋の内圧が上昇して建物及び構築物の健全性を損なう可能性がある。 本件申請においては、2次冷却材漏えい事故が発生した場合に事故の拡大を防止するための対策の一つとして, 漏えいしたナトリウムとコンクリートとが直接接触することを防止するために、床面に鋼製のライナを設置し、漏えいしたナトリウムを貯留タンク等へ導き貯留するという設計がされている。本件安全審査においても、2次冷却材漏えい事故が発生した場合に備えて、漏えいしたナトリウムとコンクリートとの直接接触を避けるため床面に鋼製のライナを設置するという対策を行うことが本件原子炉施設の基本設計を構成するものとして審査の対象とされた。そして、床ライナの板厚、形状等の細部は、本件安全審査の対象とされず、後続の設計及び工事の方法の認可の段階で規制の対象とされる具体的な詳細設計及び工事の方法に当たるとされたのであるが、床ライナが漏えいナトリウムとコンクリートとの直接の接触を防止するためにどのような設計とされるべきかは, 部屋の大きさ、床ライナの冷却設備の有無、ナトリウムドレン設備の能力等の周辺設備の具体的仕様等との関連において決定されるべきものということができるから、これを後続の設計及び工事の方法の認可の段階における規制の対象とすることは, 一般に合理性があるということができる。
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