「歴史の同時化」と「枢軸時代」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:32 UTC 版)
「枢軸時代」の記事における「「歴史の同時化」と「枢軸時代」」の解説
西洋史学者樺山紘一は、「現在、進行しつつあるグローバルな現実は、いわゆる『世界の一体化』と『歴史の同時化』とよばれているものの行きついた結果である」、と述べ、一体化、同時化とはあくまでも相対的な表現であり、その様態や進行の度合いは多種多様であるとしながらも、「世界の一体化」や「歴史の同時化」がこんにち問題にされるのは、両者が現代社会の顕著な特徴でもあり、その歴史的淵源や展開のプロセスをたどることが「現代」という時代を理解するのに必須であることを主張している。 樺山はこのなかで、「一体化」「同時化」を世界史のなかで論ずる際に重視すべき観点 のうちの一つとして、一体化や同時化が歴史上の諸事例においては大帝国や巨大な経済力によってもたらされたことが多いが、そうした巨大な力がなくても一体化、同時化が実現されることがあることを掲げている。 そのなかで樺山は紀元前5世紀から紀元前4世紀にかけて、中国、インド、地中海沿岸の各地域において都市国家的な政治秩序が生まれ、それを背景に各地域で古典哲学が生まれたことを特筆している。これはヤスパースの指摘した「枢軸時代」の例にほかならない。ただし、樺山自身は「枢軸時代」の用語には言及しない。なお、同様の例として樺山は、西暦3世紀から4世紀にかけて、ユーラシア大陸の東西両端において経済危機が発生し、諸民族のはげしい移動が起こったことを掲げている。
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