「急減圧」は本当にあったのか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:58 UTC 版)
「日本航空123便墜落事故」の記事における「「急減圧」は本当にあったのか」の解説
事故調査報告書では、圧力隔壁の損壊部分から与圧された客室内の空気が一気に吹き出したことで、機内には相当な減圧が発生したと推定している。事故調査委員会はこの減圧についての計算を行い、異常発生の8秒後には機内の与圧はすべて失われ、気温もマイナス40度にまで低下したことを示唆している。 事故発生時、高度は23,900フィート(7,285m)で、気圧や酸素濃度は地上の半分以下。もし急減圧があったなら、耳の鼓膜が破れるか痛くて一時的に何も聞こえなくなり、酸素濃度が低いため意識がもうろうとする危険な状態になるが、操縦室では3人とも酸素マスクを使用した形跡がなく特に身体的な異常を感じていない。日本のパイロットのマニュアルであるAIM-j (Aeronautical Information Manual Japan)(国土交通省航空局監修)によると、「20,000フィートでは 5~12分間で修正操作と回避操作を行う能力が失われてしまい、間もなく失神する。」と記述されているが、事故機は事故発生から18分間高度20,000フィート(6,100m)以上を維持している。生存者も室温の低下や強風も感じなかったと証言していることから、事故機に急減圧はなく圧力隔壁の損壊により客室内部の空気圧が垂直尾翼を破壊したとする事故調の結論は破綻しているとの主張がある。
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