「天の女王」に関する論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 09:01 UTC 版)
「天の女王」の記事における「「天の女王」に関する論争」の解説
詳細は「プロテスタントにおけるマリヤ観」を参照 上述のように、聖母マリアに付けられた称号「天の女王」は他宗教でも用いられてきた歴史がある。このためマリア崇敬を異教的・非キリスト教的であるとするプロテスタントの教派からは「天の女王」という称号についても批判される場合がある。 キリスト教徒の中でも、マリア崇敬を批判する福音派プロテスタントの立場からは、女神への尊称としての「天の女王」と結びつける者もある。カールトン・ケニーは著書『クリスマスについての考察』(マルコーシュ・パブリケーション刊)においてマリア崇敬と「天の女王」の称号を「偶像崇拝である」として批判するとともに、クリスマスを祝うことさえ「偶像崇拝」であるとして排斥している。1999年9月にはエペソにおいて、福音派プロテスタント信者により「天の女王」と戦う霊の戦いの祭典「エペソの祭典」が開催された。これは「天の女王」を悪霊と捉え、世界各地の女神信仰と結び付け、それらの打破を目指す、という趣旨のものである。この祭典をマルコーシュ・パブリケーションが発行する雑誌『ハーザー』が取り上げている。 こうした批判に対し、カトリック信徒などマリア崇敬を行うキリスト教徒はこれを真っ向から否定する。カトリックへ転向したプロテスタントの元牧師とその妻であるハーン夫妻が著した『ローマ・スイート・ホーム―なぜ私たちはカトリックになったのか―』(ドン・ボスコ社)では、ダビデの息子ソロモンが母バト・シェバを王太后として尊重したのと同じ意味合いであると述べている。女子パウロ会の公式ウェブサイト「Laudate」では「『あなた方カトリック信者は、マリア様を礼拝しているのでしょ?』と聞かれることがあります。この問いには、はっきりと『いいえ』とお答えしなければなりません。 私たちが聖マリアを崇敬することは、御父、聖霊、そしてみことばであるイエス・キリストにささげられる礼拝とは、本質的に違うことなのです。」と述べている。また旧約聖書では、太后が王に劣らぬ存在として言及されており、決して異教由来ではないとしている。
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