「大将なんだから」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 10:06 UTC 版)
加藤派が切り崩され、敗北を確信した加藤、山崎が両派合同総会を開き、その後の対応を協議する場面の一部がそのままテレビで放映された。 会合は、午後9時30分よりホテルオークラ東京で開催。途中、加藤・山崎の2人が単独で議場で不信任票を投じに行くと発言する。自分が起こした倒閣運動により、党除名になろうとも一議員として最終的な責任を全うする、一方で自分たちに従った議員の党除名を防ぎ、非主流派として冷遇させないための配慮とされた。しかし、宣言して本会議場に向かおうとする加藤の肩を加藤派の谷垣禎一がつかみ「加藤先生は大将なんだから! 独りで突撃なんてダメですよ! 加藤先生が動く時は俺たちだってついていくんだから!」と懸命に慰留した。また、同じ加藤派の杉山憲夫も加藤の側で谷垣の発言に頷きながら「死ぬも生きるも一緒だ」と慰留に努めた。 側近たちの涙ながらの説得に加藤は顔を紅潮させ、涙をにじませ、歯を食いしばりながら立ちつくす。残った加藤・山崎派の議員は全員で欠席することを確認し、派閥の結束力を確認したと理解されている。 印象的なこのシーンは、加藤の乱を回顧する場合、その挫折を象徴するシーンとして必ず用いられるものであり、谷垣禎一の人物紹介でも欠かせない映像となっている。 しかしこの後、本会議は松浪健四郎議員がある議員席に向けて演壇上からコップの水を掛ける事件があったことから、内閣不信任案の採決は翌午前4時近くまで要した。加藤と山崎は派閥総会では欠席を決めていなかった。加藤と山崎が国会に向かい、到着したところで加藤が弱気になりホテルに引き返している。さらに、ホテルへ戻る途中、政治評論家矢野絢也から山崎に電話が入り「欠席すると2人とも政治生命を失う」と言われたことで再び国会に向かったが、また加藤の心が折れて、ホテルの部屋へ戻った。その上、ホテルで加藤が国会へ行くことを主張し、山崎は断り加藤が1人で国会へ向かったが、三度ホテルへ戻った。
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