「大佐」の語義の諸説
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「ムアンマル・アル=カッザーフィー」の記事における「「大佐」の語義の諸説」の解説
カッザーフィーが「大佐」(العقيد, al-ʿaqīd, アル=アキード。英訳: colonel)と呼ばれている理由については諸説がある。いずれの説でも、カッザーフィーが敬愛するエジプトのガマール・アブドゥル=ナーセル大統領が「陸軍大佐」であったからそれに倣った、という点は一致している。 なお、リビアの事実上の国家元首が軍の中堅幹部階級である「大佐」であることに違和感を覚える向きも多い が、リビアは建前上は「国家元首」の概念そのものを否定しているのであり、リビアの国家元首をあらわす称号が「大佐」だというわけではない。当然ながら、リビア軍には大佐より上の階級(将官)も存在し、軍の司令官であり士官学校時代以来のカッザーフィーの友人であるアブー=バクル・ユーニス・ジャーベル(英語版)は准将(عميد, ʿamīd, アミード)である。 「大佐」はニックネームであるという説 エジプトのナーセルの地位が大佐であったため、自らもニックネームとして大佐を名乗ったのが定着した。 また2011年2月23日の中日新聞及び東京新聞国際面の特派員記事によれば、カッザーフィーは軍籍を離れて久しいが、「リビアでは、元軍人に敬意を払うため、退役した時の最終階級で呼ばれる慣習がある」ため、現在もニックネームで大佐と呼ばれているに過ぎないという。 「大佐」は軍事上の階級であるという説 カッザーフィーの軍事上の階級はもともと中尉(ملازم أول, mulāzim ʾawwal, ムラーズィム・アウワル)であったが、1969年の革命によって、エジプトのナーセルに倣って儀礼的に大佐に昇格した。その後も、革命の初心を忘れないようにということで大佐の階級のまま現在にいたっている。在東京のリビア人民局(事実上の大使館)はこの説明を採っている。ただし、カッザーフィー自身は「私はもう軍人ではないので『大佐』と呼ばないで欲しい」と発言しているという。
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