「ゾーイー」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 09:10 UTC 版)
週末の出来事から二日後の月曜日の朝。週末を一緒に過ごすこともなくニューヨークの自宅に戻ったフラニーは、そのまま居間の寝椅子に寝込んでしまう。幼い頃からシーモアとバディという二人の兄から植え付けられた求道的な宗教哲学や東洋思想と、相反するエゴが幅を利かせる現実世界の板挟みに遭うフラニーは「巡礼の道」という本に出てくる宗教的な祈りによって救いを求めようとする。心配した母親のベシーは、5歳年上の兄であるゾーイーに助けを求める。自らも兄たちの影響を強く受けているゾーイーは全身全霊をかけて説得を試みるが、「言葉の曲芸飛行士」である彼の饒舌さは時に脱線を繰り返し、ますますフラニーを混乱させてしまう。終いには死んだ兄のシーモアに会いたいと言い出すフラニーに対し、一旦話を切り上げたゾーイーは部屋を出ると、以前、二人の兄が使っていた書斎に足を踏み入れ、ドアの背面に書かれた哲学的な引用を読む。熟考した後、ゾーイはバディを装ってフラニーに電話をする。やがてフラニーに見抜かれるが、ゾーイは会話を続ける。ゾーイはシーモアから以前もらった教えを共有し、前向きに愛とともに生きるべきだ、誰も気づかなくてもイエスにはわかると示唆する。ゾーイが電話を切った後、フラニーは両親のベッドに横たわり、天井を向いて微笑む。
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