日産・キューブ
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日産・キューブ | |
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3代目 2008年11月販売型 | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1998年 - 2020年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
5ドアトールワゴン 5ドアコンパクトミニバン(2代目のみ) |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動 |
系譜 | |
後継 | 2020年12月までの2代目ノートおよび3代目ルークスに統合 |
概要
その名の通り、スペース重視のコンセプトを持った車だが、一般的なミニバンよりもボンネットが際立つユニークなスタイリング。日産の事実上の親会社で、アライアンス関係を結んでいるルノーと共同開発したプラットフォームを使用している(マーチやルノー・モデュスと共用)。
第28回の東京モーターショー(1989年開催)に出品されたコンセプトカー「シャポー(CHAPEAU)」からデザインコンセプトがスタートしており[※ 1]、2代目以降は窓の数、ピラーの位置など、ボディシェルが左右非対称に作られているのが大きな特徴。そのスペース効率からか小型タクシーとして採用されることもある。
車名ロゴは日産共通のフォントであるNE-01ではなく、独自の書体を使用していた。
初代の初期はコンスタントに月10,000台以上を販売しており、登録台数1位を記録したこともあった。そのため、当時は生産工場では休日出勤も毎週行っていたほどの売れ行きでもあった。生産は当初は村山工場で行われていたが、閉鎖後は追浜工場へ移管されていた。
初代 Z10型(1998年 - 2002年)
日産・キューブ(初代) Z10型 | |
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前・中期型(1998年2月 - 2000年9月) | |
後期型(2000年9月 - 2002年10月) | |
前期型 室内 | |
概要 | |
販売期間 | 1998年 - 2002年 |
ボディ | |
乗車定員 |
4名 (前期型) 5名 (後期型) |
ボディタイプ | 5ドアトールワゴン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動 (1999/11-) |
パワートレイン | |
エンジン |
CG13DE 1,274 cc 直列4気筒 DOHC CGA3DE 1,348 cc 直列4気筒 DOHC |
最高出力 |
CG13DE:82 PS CGA3DE:85 PS→101 PS |
変速機 |
4速AT (E-ATx) N・CVT ハイパー-CVT |
サスペンション | |
前 |
前輪駆動: ストラット式独立懸架 四輪駆動: 独立懸架ストラット式 |
後 |
前輪駆動: 5リンクコイル式車軸懸架 四輪駆動: 独立懸架パラレルリンクストラット式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,360 mm |
全長 |
3,750 mm 3,770 mm(ライダー) |
全幅 | 1,610 mm |
全高 | 1,625 mm |
車両重量 | 960 - 1,120 kg |
- 1997年10月 - 東京モーターショーに参考出品車としてマーチをベースにしたハイトワゴン「キューブ」を発表。バックドアにガラスハッチを採用し、当時日産が積極的に導入していたゾーンボディ(衝突安全ボディ)を採用した。またハンドルは前期型の4本スポーク、中期型の3本スポークはもともと日産・180SXに装着されていたものを使用している。
- 1998年
- 2月3日 - 発売。前期型(型式GF-Z10)。グレードは廉価版の「F」、標準タイプの「S」、装備を充実させた「X」、オーテックジャパンがプロデュースするドレスアップモデル「ライダー」の4種類。「ライダー」を除く全車にプレセアを彷彿させるブルーライトメーターを装備していた。CM出演者は草野仁と河相我聞。キャッチコピーは「アソブ、ハコブ、キューブ。つまり、コンパクトでハイトなワゴン。」[1]。
- 10月 - 1月の生産開始から約10か月で生産累計台数が10万台を突破。
- 12月25日 - オーテックジャパンの手による期間限定特別仕様車「イエローバージョン」を発売(カラーがモーターショーでのモデルと同じライトニングイエロー)。
- 1999年
- 4月22日 - オーテックジャパンの手による特別仕様車「プレミアム」を設定。本皮シートを採用し、フロントグリルやフルホイールカバーなどにはライトゴールド色を配した。テールゲートに貼り付けてあるステッカーは通常モデルとは異なり、「CUBE」が異様に小さなサイズに変更された。
- 11月9日 - マイナーチェンジにより中期型(型式GH-AZ10)とも言われる。外装は前期と同じだが搭載ミッションのうち、N-CVTがハイパーCVTに変わり、クリープ機能を搭載。(ステアマティックを持つ「ハイパーCVT-M6」も設定)。四輪駆動車が追加されたほか(型式GH-ANZ10)、搭載エンジンが前期から74ccアップのCGA3DE型1348ccに変更された。「ライダー」はさらに車体色にホワイトを追加(それまではブラックとシルバーのみだった)、「プレミアム」も一部変更。その他メーター(3連から2連に)、ハンドル(4本スポークから3本スポークへ)の変更や、ハッチガラスの開スイッチを運転席下に追加、キーレスエントリーのリモコンがキューブの車体を模した3ボタン(開・閉・ハッチ)のデザインに変更されている。
- 12月24日 - 特別仕様車「スペシャルエディション」を発売。パールホワイトを専用車体色とし(後に他グレードにオプション設定される)、スケルトンオーディオやプライバシーガラスなどを装備した。
- 2000年
- 5月9日 - 特別仕様車「Sリミテッド」を発売。スケルトンオーディオ、スケルトンタイプマルチリモートエントリーシステム、プライバシーガラスなどを装備した。
- 6月6日 - 特別仕様車「NAVIエディション」を設定。
- 9月4日 - マイナーチェンジ、後期型(型式TA-AZ10)。フロント・リアバンパー、ラジエーターグリルのデザインを変更したほか、大型2段ヘッドランプなどを採用し、リヤシートにスライド機能を追加するなど内外装を一部変更し、前・中期型にあったハイマウントストップランプは廃止。4人乗りから5人乗りへ乗車定員を変更。また、オーテックジャパンの手による丸型ヘッドランプが特徴の特別仕様車「スクエア」を設定。同時に「ライダー」はオーテックから日産本社扱いに変更、2代目以降はオーテック扱いに戻る。
- 12月26日 - 特別仕様車「アルテ」を発売。スケルトンオーディオ、シルバーセンタークラスター、フルカラーバンパー、専用ピラーステッカーなどを装備した。
- 2001年
- 2002年
Z10型キューブはK11型マーチをベースに開発されたため、フロアパネルが二重の、いわゆる上げ底になっている。
このZ10型をベースに、トミタ夢工場によるカスタマイズモデル「トミーカイラM13c」を発売している。 光岡自動車からもZ10型をベースにロンドンタクシーの外観を模したユーガが販売されていた。
-
リア(前・中期型)
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リア(後期型)
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イエローバージョン
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ライダー(前期型)
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トミーカイラM13c
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光岡 ユーガ
2代目 Z11型(2002年 - 2008年)
日産・キューブ(2代目) Z11型 | |
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前期型(2002年10月 - 2005年5月) | |
中期型(2005年5月 - 2007年1月) | |
後期型(2007年1月 - 2008年11月) | |
概要 | |
販売期間 | 2002年 - 2008年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ |
5ドアトールワゴン 5ドアコンパクトミニバン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 (e-4WD) |
プラットフォーム | Bプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
CR14DE 1,386 cc 直列4気筒 DOHC HR15DE 1,498 cc 直列4気筒 DOHC |
最高出力 |
CR14DE: 前輪駆動:98 PS 四輪駆動:97 PS HR15DE:109 PS |
変速機 |
エクストロニックCVT 4速AT (E-ATx) |
サスペンション | |
前 | 独立懸架ストラット式 |
後 | トーションビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430 mm |
全長 | 3,730 - 3,900 mm |
全幅 | 1,670 mm |
全高 |
1,640 mm (前輪駆動) 1,650 mm (四輪駆動) |
車両重量 | 1,060 - 1,150 kg |
※ 3列シートのストレッチ版(GZ11型)については「日産・キューブキュービック」を参照。
- 2001年2月 - ジュネーブモーターショーでコンセプトカー「シャッポ(Chappo)」を発表[3]。これが事実上、2代目キューブのプロトモデルである。左右非対称のリアウィンドウデザインなどが量産車に受け継がれることとなった。
- 2002年10月8日 - Z11型にモデルチェンジ。エンジンはマーチと同じ1.4L直列4気筒・CR14DE型(98ps)のみ。テールランプは従来の縦型からリアバンパー内蔵の横型となり、左右非対称ボディと角をイメージした個性的なデザイン、後付けではない一体感のあるワイドフェンダーなどが話題を呼び、マーチに続き大ヒット車になった。トランスミッションは6速マニュアルモード付きCVT「エクストロニックCVT-M6」または電子制御4速オートマチック「E-ATx」。CVT車で、マニュアルモードにした場合は先代と同じくステアリングのスイッチで変速させる。パーキングブレーキは、先代ではハンドレバー式であったが、このモデルより足踏み式が採用される。背面は非対称、ガソリン給油口は右にある。四輪駆動車はプロペラシャフト、トランスファが不要な「e-4WD」システムを搭載。パワーウインドウとキーレスエントリーは全車標準装備となった。あわせて、正面のキューブのエンブレムは、日産のブランドロゴのエンブレムに変更になった。キャッチコピーは「Cube. My room.」。
- 2003年
- 5月8日 - 日産自動車の創立70周年を記念した特別仕様車「SX 70th」を発売。SXをベースにオートライトシステム、フォグランプ、UVカットプライバシーガラス、ETCを標準装備している。また、当時K12型マーチの前期型のみに設定されていたボディカラー、オパールラベンダーチタンメタリックの設定もある。
- 9月 - 派生車種として、3列シート7人乗りのキューブキュービックが登場。
- 10月22日 - 70周年記念特別仕様車第2弾「SX 70th-II」を発売。ETCを除くSX 70thの装備に加え、CD一体AM/FM 電子チューナーラジオ、専用フルカラーフロントバンパー、専用フロントグリル&ヘッドランプフィニッシャー、プラズマクラスターエアコン、消臭天井が装備された。
- 12月9日 - オーテックジャパンの手によるSUVテイストを持たせた特別仕様車「トラビス」を設定。
- 2004年
- 5月17日 - 英国コンラン&パートナーズとのコラボレーションで7月末までの期間限定車「キューブ プラス コンラン」(生産計画台数1,000台)、および特別仕様車「SX Limited」「EX Limited」を発売。「キューブ プラス コンラン」は発売後2週間で生産計画台数に到達し、5月末で注文を締め切った。
- 8月23日 - SXをベースに、専用フロントバンパー/グリル、専用サイドシルプロテクターなどを装備した、「Agiactive(アジャクティブ)」を追加。
- 12月1日 - 1DIN MD・CD一体AM/FM電子チューナーラジオなどを装備した特別仕様車「SX MD/CDセレクション」、「EX MD/CDセレクション」を発売。MD・CD一体AM/FM電子チューナーラジオのほか、専用フロントグリル&ヘッドランプフィニッシャー、専用フルカラーフロントバンパーが装備された。
- 2005年
- 1月20日 - 「ライダー」、「トラビス」に期間限定車「HDDナビエディション」を追加。
- 5月24日 - マイナーチェンジ。従来からのCR14DEに加え、ティーダやノートに搭載されているHR15DEエンジン搭載モデルを追加。フロントグリルの穴は正方形から菱形に変更され、ウインカーランプが丸型になった。テールランプは前期型の枠付きから枠無しの新しいデザインに変えられた。インテリジェントキーの形が長方形型から楕円型に変更。CR14DE搭載車はミッションがE-ATxのみとなり、CVTはHR15DE搭載車に設定される。なお、今回の変更に伴いCVTの6速マニュアルモードは廃止された。また1,400cc、1,500ccともに平成17年度排出ガス規制75%低減レベル(SU-LEV)認定を受ける。SHIFT_ワードは、「SHIFT_ originality オリジナリティをシフトする。」。同日、特別仕様車「15M プレミアムインテリア」発売。
- 2006年
- 1月24日 - インテリジェントキー、オートライトシステム、フロントフォグランプ、本革巻ステアリングなどを標準装備とした特別仕様車「Vセレクション」を発売。
- 5月29日 - 専用キッキングプレート、バイキセノンヘッドランプ、インテリジェントキー、スポーツマフラー、専用アルミペダル、専用スポーティフロアカーペットを装備した「ライダーアルファII」を発売。
- 6月1日 - マイナーチェンジ版キューブ、キューブキュービック登場に伴い「キューブ プラス コンラン」を受注生産予約を開始。注文台数に上限はないが9月30日までで予約締め切り。
- 10月4日 - 特別仕様車「Plus navi(プラス ナビ)」発売。
- 2007年
- 1月17日 - マイナーチェンジ。フロントのデザインが変更され(RS、RXを除く)、前・中期型の丸目からヘッドライトとウインカーランプが一体式になった。LED式リヤコンビランプが採用されたほか、HRエンジンの改良およびCVTの制御の見直しによって燃費を向上させた[4]。これに併せてテールランプはクリアーとなった(前期型のテールランプは色付き)。なお、ライダーは一時廃止。
- 6月5日 - 特別仕様車「KAGAYAKI Edition(および同Plus navi HDD)」発売。同日、「アンシャンテ」に、新開発のスライドアップシートを搭載。
- 10月3日 - スモークグリルなどを採用した「ライダー 10th アニバーサリー」を発売。
- 11月7日 - 専用色(アッシュバイオレット、パシフィックブルー)を設定した特別仕様車「Music room」発売。当時純正品としては数少なかったAUX(外部入力アナログミニプラグ用端子)をCDチューナーに搭載しデジタルオーディオプレーヤーや携帯電話の音楽を聴くことが可能。同時に「Plus navi HDD」のベースグレードが変更された。
- 2008年
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前期型リア
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中期型リア
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後期型リア
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RS/RX(中期型)
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ライダー
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アクシス
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でんきキューブコンセプト
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運転席
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RX(後期)
注釈
出典
- ^ “キューブ(1998/02~2002/10・Z10型) CMについて教えて”. 日産自動車. 2019年5月3日閲覧。
- ^ “キューブ(日産)1998年2月~2002年9月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ “日産自動車、第71回ジュネーブモーターショーにコンセプトカー「Chappo」を出品”. 2019年6月25日閲覧。
- ^ 日産自動車 NEWS PRESS RELEASE
- ^ “キューブ(日産)2002年10月~2008年10月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ 『日産自動車、「オートカラーアウォード2014」で準グランプリを受賞』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2013年12月17日 。2013年12月20日閲覧。
- ^ 『「キューブ」の特別仕様車「15X コダワリセレクション」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2014年11月6日 。2014年11月6日閲覧。
- ^ 『「キューブ」を一部仕様向上』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2016年7月1日 。2016年7月1日閲覧。
- ^ 『「キューブ」の特別仕様車「My cube」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2017年5月31日 。2017年5月31日閲覧。
- ^ 『【ご参考】キューブに「デコキューブ」専用ステッカーをディーラーオプションで設定』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2017年10月18日 。2017年12月24日閲覧。
- ^ 『キューブ「ライダー」を仕様向上』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2018年4月17日 。2018年4月18日閲覧。
- ^ 『日産「キューブ」が2018年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2018年10月3日 。2018年10月4日閲覧。
- ^ “生産終了『キューブ』のコンセプトカーを東京オートサロンに展示した理由…日産が目論む新ビジネスとは”. レスポンス(Response.jp). 2023年2月9日閲覧。
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