怪人二十面相 関連作品

怪人二十面相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 01:00 UTC 版)

関連作品

ラジオドラマ

二十面相は書籍以外のメディアでは、まずラジオドラマに登場した。単発ものに続き、連続もののラジオドラマは、大阪の朝日放送が最初に制作放映した。乱歩自身は「脚色はこの朝日放送のが一番良かったと思う」と述懐している[4]

  • 『乱歩の青銅の魔人』(朝日放送)
昭和27年に放送。
  • 『怪人二十面相』(ラジオ東京)
昭和29年に放送。
  • 『少年探偵団』(朝日放送)
昭和29年に『少年探偵団』全話を放送。作詞:檀上文雄、作曲:白木義信による有名な主題歌はこの朝日放送のラジオドラマが初出。乱歩は「私は町を歩いて、子供たちが少年探偵団の歌を歌っているのを、しばしば耳にしたものである」と述懐している。
昭和30年に、前年放送された朝日放送の『少年探偵団』の録音原盤を譲り受け、全話を再放送。これが大好評だったため、ニッポン放送で新しく制作したものを昭和31年4月から翌昭和32年12月まで、毎週月曜日から金曜日まで、15分枠で放送した。
昭和48年から翌昭和49年まで、毎週月曜日から金曜日の夜9時50分 - 10時に放送された。ナレーター:藤岡琢也、二十面相:小山田宗徳、明智小五郎:納谷悟朗、音楽:寺内タケシとブルージーンズ。番組の冒頭では、怪人二十面相がいくつもの顔を持っていることになぞらえ、「(怪人二十面相が)ほら!あなたの横にいる人かもしれませんよ。ほら!…」と聴取者に訴えかける、BGMに乗せたナレーションがあった。

映画

ラジオドラマに続いて、二十面相の登場する乱歩作品は、昭和29年から松竹映画によって相次いで映画化された。昭和30年代に入ると、東映が「少年探偵団」をシリーズ化、その敵役として二十面相が登場。日本の怪盗キャラクターの代名詞になっていった。当時の映画は一週間興行で、週替わりで順次連続上映された。

松竹映画
  • 『怪人二十面相 第一部人か魔か』 1954年(昭和29年) 
  • 『怪人二十面相 第二部 巨人対怪人』 1954年(昭和29年) 
  • 『怪人二十面相 第三部 怪盗粉砕』 1954年(昭和29年) 
『怪人二十面相』を題名に、昭和29年に計3本が公開された。監督:弓削進、怪人二十面相:沼尾釣。
  • 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第一部』 1954年(昭和29年) 
  • 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第三部』 1955年(昭和30年)
  • 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第二部』 1955年(昭和30年)
  • 『名探偵明智小五郎シリーズ 青銅の魔人 第四部』 1955年(昭和30年)
『名探偵明智小五郎シリーズ』として、昭和29年から翌年にかけて計4本が公開された。監督:穂積利昌、怪人二十面相:諸角啓二郎。
東映映画
東映では『少年探偵団』を題名に、昭和31年から昭和33年まで年に2本ずつ、計9本が製作公開された。
  • 『少年探偵団 第一部 妖怪博士』 1956年(昭和31年)
  • 『少年探偵団 第二部 二十面相の悪魔』 1956年(昭和31年)
監督:小林恒夫 怪人二十面相:南原伸二
  • 『少年探偵団 かぶと虫の妖奇』 1957年(昭和32年)
  • 『少年探偵団 鉄塔の怪人』 1957年(昭和32年)
監督:関川秀雄 怪人二十面相:加藤嘉
  • 『少年探偵団 第一部 二十面相の復讐』 1957年(昭和32年)
  • 『少年探偵団 第二部 夜光の魔人』 1957年(昭和32年)
監督:石原均 怪人二十面相:小牧正英
  • 『少年探偵団 透明怪人』 1958年(昭和33年)
  • 『少年探偵団 首なし男』 1958年(昭和33年)
監督:小林恒夫 怪人二十面相:伊藤雄之助
  • 『少年探偵団 敵は原子潜航挺』 1958年(昭和33年)
監督:若林栄二郎 怪人二十面相:植村謙二郎

漫画・絵物語

映画に続き、テレビに先んじて、子供向けに翻案された漫画、絵物語も少年誌で開始された。このジャンルでの作品は、21世紀の現在でも随時、登場している。

  • 『少年探偵団 妖怪博士の巻』
桑田二郎画、沢田賢二の文章による絵物語。昭和31年、「おもしろブック」(集英社)8月15日増刊号に掲載。
  • 『怪人二十面相』

藤子不二雄による漫画版(安孫子素雄担当作)。昭和34年から35年にかけて、光文社少年」に連載された。単行本は、藤子不二雄ランド中央公論社)、藤子不二雄Aランドブッキング)でそれぞれ2巻刊行された。

  • 『かいじん二十めんそう』
藤子不二雄による絵物語版(藤本弘担当作。後半は作画をしのだひでおが担当)。主人公はポケット小僧。昭和34年から講談社たのしい一年生」に連載された。単行本は、藤子・F・不二雄大全集小学館)で刊行された。
  • 『少年探偵団怪人二十面相』
田中顕による漫画版。台詞、時代設定などをかなり忠実に再現している。全1巻。
  • 『少年探偵団BD』
やまざきまことによる漫画版。「月刊コミックブンブン」2009年1月号から連載。
  • 『怪人二十面相』
山田貴敏による漫画。全3巻。この作品の二十面相は原典とは異なり、「変装」ではなく「自分の体の構造を自在に変化させ姿を変える(目撃者が発狂するほどその過程はグロテスク)」という謎めいた存在として描かれる。

テレビドラマ

日本のテレビ放送の黎明期から、「二十面相」は子供向け冒険ドラマの格好の題材として登場し、お茶の間でも身近な存在となった。昭和30年代作品は、乱歩によると光文社叢書全巻と、ポプラ社の大人向け長編作品を児童向けに書き直したもの10余編を採り入れたもの。

30分番組。毎週日曜日の夜の19時30分に放映された。
30分番組。1958年版と同じ放送枠で放映。
1975年10月4日 - 1976年3月27日 制作:日本テレビ
本作では殺人も厭わない設定であり、完全に悪役となっている。全26話。二十面相は団次郎が演じた。顔の上半分を覆う黒覆面、口髭など、スタイルは『わんぱく探偵団』の二十面相に準じている。
全25話。二十面相は内田勝正が演じた。
二十面相を第1期は立川三貴、第2期は山本昌平が演じた。 関西が舞台だが、明智、少年探偵団、警部、二十面相いずれも標準語である。ここまでの作品の時代背景は、すべて放映当時のもの(現代)となっている。
金曜エンタテイメント』枠で放送された2時間ドラマのシリーズ。二十面相は高杉亘が演じた。原作に忠実に戦前を舞台としている。
ビートたけしが演じたスペシャル番組。この二十面相は「整形手術の実験体にされ自分の顔を失った男」というオリジナル設定。戦前を舞台としている。
満島ひかり が明智小五郎に扮するドラマシリーズ。二十面相を演じたのは森山未來

テレビアニメ

製作は虫プロダクション。顔の上半分を黒覆面で隠し、口髭を生やした姿で登場する。声は若山弦蔵が演じた。雪印乳業(現在の雪印メグミルク)の1社提供。
製作はLerche。意匠化されたドクロのようなヘルメットタイプの仮面を付けた怪人。設定は本家とは異なり「法で裁けない犯罪者を次々と殺していた怪人」という設定となっている。
製作はトムス・エンタテインメントおよびシンエイ動画。様々な変装を施すが素顔は銀髪のイケメン。声はGACKTが演じる。なお本作の時代設定は近未来(2030年)となっている。

ゲーム

タカラトミーが2008年12月18日に発売したニンテンドーDSのゲーム。原作第一作『怪人二十面相』に基づいたストーリー。声は遠近孝一が演じた。

注釈

  1. ^ 映像作品ではドミノマスク(いわゆる女王様マスク)であったり、ヴェネツィア風の仮面だったりと作品によって異なる
  2. ^ 彼は一作平均4.44回、シリーズ合計で111回もの変装をしている(ポプラ社版のみをカウント[1]
  3. ^ 妖虫』を乱歩自身が児童向けに翻案したものである
  4. ^ この描写は戦前の乱歩作品『蜘蛛男』からの転用
  5. ^ a b 乱歩は武田武彦の著述と前書きで述べているが、実際には氷川がポプラ版を執筆。
  6. ^ この描写は戦前の乱歩作品『地獄の道化師』からの転用

出典

  1. ^ 『生誕百年・探偵小説の大御所 江戸川乱歩99の謎』(二見書房刊)
  2. ^ 『乱歩おじさん』(松村喜雄、晶文社)
  3. ^ 『超人ニコラ/大金塊』(江戸川乱歩推理文庫43巻)における中島河太郎「解題」より、1988年、413-416頁。
  4. ^ a b 「自作解説」『怪人二十面相と少年探偵団』(『児童文学への招待』(南北社、昭和40年7月)
  5. ^ イモ欽トリオ ティアドロップ探偵団 歌詞&動画視聴 - 歌ネット”. www.uta-net.com. 2023年7月16日閲覧。






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