ラッシング・ビート修羅 ラッシング・ビート修羅の概要

ラッシング・ビート修羅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 08:44 UTC 版)

ラッシング・ビート修羅
ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 スーパーファミコン
開発元 ジャレコ
発売元 ジャレコ
プロデューサー TEAM PURE HEART
ディレクター 星和明
おおたしげゆき
プログラマー 吉田明広
大原健志
あきやまのぼる
音楽 伊勢村篤義
鈴木康行
美術 倉持伸幸
前川恵一
シリーズ ラッシング・ビートシリーズ
人数 1 - 2人(協力プレイ)
2 - 4人(VSモード)
メディア 16メガビットロムカセット
発売日 199312171993年12月17日
199403171994年3月17日
デバイス マルチプレイヤー5対応
その他 型式: SHVC-R6
SNS-R6-USA
テンプレートを表示

日本国外でのタイトルは『The Peace Keepers』。日本国外版では一部キャラクターの名前やBGMの変更、ボンバー攻撃(ターミネイトスキル)のグラフィック差し替えなどが施されている。

概要

ラッシング・ビートシリーズ』(1992年 - 1993年)の3作目。ステージ道中やボス戦の前後で会話シーンが入ったり、ステージ間でデモが入るなど、ストーリー面での強化がなされている。プレイヤーキャラクターの選択や道中の行動など、様々な要素でストーリーが分岐していく。ストーリーの展開によっては終始登場しないキャラクターや、通る必要が無いステージも存在する。ボスキャラクターとの会話パートでストーリーが進行することも多い。その他、マルチエンディングが採用されており、使用キャラクターやステージ内での行動によりエンディングが変化する。

過去2作に比べてプレイヤーキャラクターの性能が向上しており、ステージごとに待ち受けるボスキャラクターとの対決に重点が置かれた構成になっている。ボスキャラクターは各々が独自の特殊能力を持っているため、それに対し優位に戦えるキャラクターを選択するといった戦略性も生まれた。

ゲーム内容

システム

本作には残機の概念が無く、プレイヤーが倒されるとそのままコンティニュー待ちの状態となる。コンティニューすると、プレイヤーキャラクターを選んだ後、その場で復活する。なお、毎ステージ開始時にキャラクターを選択するシステムを採用している。

『ラッシングビート』シリーズ伝統の「怒りモード」は今作も健在。前作に比べて発動しやすくなり、ゲーム全般において利用価値が高くなった。特に投げ技の性能が飛躍的に向上するため、乱戦時やボスキャラクターとの戦いで高い効果を発揮する。

なお、前作『ラッシングビート乱』(1992年)にあった空中コンボは廃止されている。

今作から追加された技

ターミネイトスキル
発動と同時に完全無敵状態になり、画面全体の敵に大ダメージを与える。シューティングゲームのボンバーに相当する技。非常に強力な反面、使用回数に厳しい制限がある。なお、一部のキャラクターは性質が異なる(後述)。
強攻撃
YボタンとBボタン同時押しで出る特殊攻撃。キャラクターによって性能は様々だが、与えるダメージは総じて高い。
ガード
L、Rボタンで構えを取り、相手の攻撃をガードする。成功した場合はダメージを受けない。ボタンを押し続けることでガードの受付時間を伸ばすことが可能だが、一定時間で構えを解く。
ダウン攻撃
ダウンした相手に対してダメージを与える。前作『乱』とは異なり、追い打ち専用の固有技である。与えるダメージが大きく有用だが、キャラクターごとの性能差が激しい。

アイテム

投げ武器
  • ナイフ手榴弾手裏剣 - 敵に投げつけて攻撃する。攻撃ボタンで投げると敵を貫通し複数の相手にダメージを与えることができ、Xボタンで投げると敵に当たった際に貫通せず、はね返る。
殴り武器
  • 鉄パイプ、大型ナイフ、釘バット - 武器を直接振って攻撃する。刀以外の武器で敵を攻撃すると相手をダウンさせられる。また、Xボタンで敵に投げつけることも可能。
回復アイテム
前作と同様に回復アイテムは持ち歩くことができ、任意の場所で使用可能。また、敵に投げつけてダメージを与えることもできる。
その他アイテム
  • IDカード - 「悪しき都」(日本ステージ)で研究員から貰うことのできるアイテム。「悪しき都」中盤でのエイジ×3との戦闘を回避できる。

VSモード

対戦格闘ゲームのようにプレイヤー同士で対戦するモード。後述の6人のプレイヤーキャラクターを使用する。マルチプレイヤー5を接続することで最大4人まで対戦することが可能。また対戦前にステージ、出現するアイテムといったものを選択することができる。

設定

ストーリー

サイバークローン事件から数年後、新たな不安が人々を襲った。数百件にのぼる誘拐事件、未確認生物体の出現、治安隊と名乗る戦闘員の出現。これら一連の事件が、クルムバッハの「メシア・プロジェクト」の影響だと気づく者はいなかった。

未確認生物体の処理に、困り果てた政府に、一通の書類が届けられた。それは「メタルフレーム」の開発提案書であった。差出人はクルムバッハ・ローリンザム。かつて、バークレイ博士とともに「ジーカス」の開発で話題になった人物である。政府は、その提案に合意し援助金とサイバークローン事件後、放置されていた人工島を開発工場として、クルムバッハに提供した。

クルムバッハはダグラスモーター社を設立し、メタルフレームの開発を進めた。

同時に真の計画も…。

このダグラスモーター社の設立が、人類にどのような影響を与えることになるのか、この時点では分かるはずもなかった。そして今、人類社会がダグラスモーター社の影に飲み込まれつつあることも…。

ステージ構成

本作の特徴として、選んだルートやステージ内での行動により、次のステージが分岐することが挙げられる。なお、括弧内の名称は便宜上のもので、公式の物ではない。

潜入(工場ステージ)
最初のステージ。ダグラスモーターの工場が舞台。途中ステージが分岐しており、一方のルートではボスがバーツに、もう一方のルートだとボスがマッコイとなる。また、選んだルートにより次のステージも変わる。
ボス:バーツorマッコイ
狂鬼(海岸ステージ)
「潜入」でマッコイと戦うルートを選ぶと来ることのできるステージ。前半は潜水艦からの爆撃攻撃を受けながら海岸沿いを進み、後半は建物内を進む。なお、建物に入る前に来た道を引き返すと、マンホールの蓋が開いており、そこに入るとそのままステージ「緑の悪魔」へと移動する。
ボス:バーツ
緑の悪魔(地下牢ステージ)
「潜入」でバーツと戦うルートを選ぶ、または「狂鬼」でマンホールに入ると来ることのできるステージ。地下牢が舞台で、床にジーカスが流れ込んできている。途中ルートが2つに分かれているが、最終的には同じところへ行きつく。セルが多数登場するほか、倒したダグや力尽きた研究員がセルに変化し襲い掛かってくる。ボスは「潜入」から来た場合はマッコイに、「狂鬼」から来た場合はバーツへと変化する。ボス戦後の部屋で右に進むか梯子に登るかで次のステージが分岐する。なお、ノートンのいる隠し部屋が存在し、そこに行くことでノートンを仲間にできる。
ボス:マッコイorバーツ
パイレーツ ドック(洞窟ステージ)
「緑の悪魔」の分岐で右に進むと来ることのできるステージ。洞窟が舞台で、アックスが多数登場するほか、岩が転がってくる場所が存在する。船に乗り込むか洞窟の奥にある梯子を登るかで次のステージが分岐するほか、あまり寄り道をしていると船に乗り遅れてしまう(船に乗り遅れた場合、次のステージは梯子を登るルートと同じになる。また、ノートンが仲間にいなければノートンが仲間になる)。梯子を登るルートの場合、ボスと戦わずに済む。
ボス:ハンター×3
見えない絆(水脈ステージ)
「狂鬼」を建物内に入ってクリアする、「緑の悪魔」の分岐で梯子を登る、「パイレーツ ドック」で洞窟の奥にある梯子を登る、または船に乗り遅れると来ることのできるステージ。前半は背景にが流れる水脈を、後半は研究所内を進む。前半部はルートが3つに分かれており、どこを選んだかにより後半部のステージ構造が若干変化する。
ボス:???????????
鋼の嵐(船ステージ)
「パイレーツ ドック」で船に乗り込むと来ることのできるステージ。バーネットの海賊船が舞台で、雑魚敵はアックスのみが登場する。ボスのメタルフレームを一定時間内に倒せたかどうかにより次のステージが分岐する。
ボス:メタルフレーム
追跡(空港ステージ)
「見えない絆」をクリアすると来ることのできるステージ。前半は空港を、後半は輸送機内部を進んでいく。ボスは登場しないが、最後に登場するロボデータ×2を一定時間内に破壊できたかどうかにより次のステージが分岐する。
ボス:なし
悪しき都(日本ステージ)
「鋼の嵐」でメタルフレームを一定時間内に倒すと来ることのできるステージ。日本が舞台で、前半はの咲き乱れる屋外を、後半は研究所内を進む。「見えない絆」と同じく前半部はルートが3つに分かれており、どこを選んだかにより後半部のステージ構造が若干変化する。なお、前半部に存在する茶屋のようなところに寄ることで、体力を回復させることが可能。
ボス:???????????
もうひとつの復讐(スラムステージ)
「追跡」でロボデータ×2を一定時間内に破壊できなかった場合来ることのできるステージ。ブラックエリアと呼ばれるスラムが舞台で、ディーン、アックスといった雑魚敵が登場する。また、ノートンが仲間にいない場合、ステージの途中でノートンが仲間になる。
ボス:ジョー&ジョニー
地図にない島(遺跡ステージ)
「鋼の嵐」でメタルフレームを一定時間内に倒せなかった、または「追跡」でロボデータ×2を一定時間内に破壊できた場合に来ることのできるステージ。前半は砂漠を、後半は空中遺跡のようなところを進む。ステージ冒頭でカルソニックが登場するが、そこでカルソニックを逃がした場合、ステージ前半部が地雷地帯に変わるほか、ステージ中盤で再びカルソニックと戦うこととなる。また、ボスは「鋼の嵐」から来た場合は???????????に、「追跡」から来た場合はヘルハイム×2へと変化する。なお、条件を満たすとこのステージでメタルフレームを仲間にすることができる。
ボス:カルソニック、???????????orヘルハイム×2
伝説の終り(屋敷ステージ)
「悪しき都」をクリアすると来ることのできるステージ。山岡の屋敷が舞台で、雑魚敵はエイジのみが登場する。山岡の部屋の前に置いてある金色の壷を破壊したか否かで、エンディングの内容と山岡の強さが変化する。
ボス:山岡
乱(橋ステージ)
「もうひとつの復讐」をクリアする、または「地図にない島」をクリアすると来ることのできるステージ。橋が舞台で、前作『ラッシング・ビート乱 複製都市』ステージ1前半部と同様にヘリによる妨害が入る。ステージ冒頭に登場するバーネットを攻撃したか否かで、エンディングの内容が変化する。
ボス:バーネット
狂った歯車(メタルフレーム工場ステージ)
「伝説の終り」をクリアする、または「乱」をクリアすると来ることのできるステージ。メタルフレーム工場が舞台。どのようなルートを経由しても、最終的にはこのステージへと行きつく。
ボス:鬼羅&鬼道
修羅(ラストステージ)
「狂った歯車」をクリアすると来ることのできるラストステージ。道中は短く登場する雑魚敵も少ないが、メタルフレーム×2、クルムバッハ、ベルクと3回ボスと戦わなくてはならない。
ボス:メタルフレーム×2、クルムバッハ、ベルク

用語

ジーカス
南米で発見されたレトロウイルスの亜種。発見者はジーカス・バークレイ。DNAの書換えが容易にできる上、通常ウイルスの100倍とも500倍ともいわれる複写能力を持つ。初めの戦い(初代『ラッシング・ビート』)の頃は少し特殊な覚醒剤としか知られていなかったが、「能力覚醒」という人間を強化する力を持っている[1]。なお、ノートンの父親であるキンタークもこれを使っている。作中に登場する研究員の話では本来は医学のためのものだったらしく、作中では他にもジーカスにより正気を失う、人間が怪物化するといった描写がなされている。ジーカスに対するワクチンも存在し、グッドエンディングではこのワクチンによりエイミーとマッコイが生還している。
ダグラス・モーター社
軍事産業の大手メーカーであり、本作の敵となる企業。通称DM社。現社長はクルムバッハ・ローリンザム。前身は「ダグラス・メディカル社」という医療薬品メーカーで、ジーカスの発見者であるバークレイ博士も所属していた[1]

  1. ^ a b c 『付属取扱説明書』pp.20-23
  2. ^ 『ラッシングビート修羅』の配信を開始”. D4エンタープライズ (2011年5月24日). 2019年4月10日閲覧。
  3. ^ Nintendo of America [@NintendoAmerica] (2020年9月16日). "More classic games are headed to #NES & #SNES – #NintendoSwitchOnline on 9/23!". X(旧Twitter)より2020年9月23日閲覧
  4. ^ New classic games added for Nintendo Switch Online members” (英語). Nintendo of America (2020年9月24日). 2020年9月29日閲覧。
  5. ^ a b c The Peace Keepers for SNES (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月3日閲覧。
  6. ^ a b ラッシング・ビート修羅 まとめ [スーパーファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年1月3日閲覧。
  7. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、415頁、ASIN B00J16900U 


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