ダライアスII 海外版『SAGAIA』

ダライアスII

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海外版『SAGAIA』

※この節の出典 → [4]

SAGAIA』(サーガイア)は冒頭序文でも述べた通り、本作を海外のアミューズメント施設などで稼働させたいというニーズに応え、日本のタイトーで作られたものである。後述するマスターシステム版も同タイトルとなっているが、そちらが(ハードの埋めがたいスペック差はあるが)国内アーケード版の移植という体になっているのに対し、アーケード版『SAGAIA』はステージ構成・難易度が調整されており、国内版とは大分おもむきの異なるゲームデザインとなっている。
このアーケード版はユーロ圏向けに出回っていた「バージョン1」と、そもそもリリースされたのかどうかも不明な「バージョン2」の2種類が存在していたが、当時はインターネットなどが一般に普及していなかった時代でもあり、日本では(細々とではあるが国内のマニア向けショップでも販売されていたマスターシステム版に比べて)殆ど存在が知られていなかったが、2019年にリリースされたNintendo Switch版に、このアーケード版が国内初移植された。
(移植担当会社・エムツーにデータROMはあれども基板稼働環境が無かったため、オリジナル版『ダライアスII』の基板をエミュレートした仮想環境にデータを乗せて再現した[5]、厳密に言えば「復刻版」)

のちに初代ダライアスをアレンジ移植したゲームボーイ用ソフトにも『サーガイア』の名前が使われた。(詳細はダライアス#その他オリジナル作品を参照)

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数・備考
1 ダライアスII
SAGAIA
SAGAIA
199012201990年12月20日
199111151991年11月15日
1991年
メガドライブ タイトー タイトー 8メガビットロムカセット[6] T-11083
T-11016
2 SAGAIA 1992061992年6月
セガ・マスターシステム ナツメ セガ 2メガビットロムカセット 7078
3 スーパーダライアスII 199312241993年12月24日
PCエンジンSUPER CD-ROM2 A-Wave NECアベニュー CD-ROM NAPR-1031
4 ダライアスII 199606071996年6月7日
1996年
セガサターン I.T.L タイトー CD-ROM T-1104G
MK81085-50
5 タイトーメモリーズII 上巻 200701252007年1月25日
PlayStation 2 タイトー タイトー DVD-ROM SLPM-66649
6 タイトーメモリーズII 上巻
エターナルヒッツ
200806262008年6月26日
PlayStation 2 タイトー タイトー DVD-ROM SLPM-55017 廉価版
7 スーパーダライアスII 200901062009年1月6日
Wii A-Wave タイトー ダウンロード
バーチャルコンソール
- PCエンジン版の移植。
2019年1月31日 配信・販売終了。
8 ダライアスII 201902282019年2月28日
(Switch)
202003052020年3月5日
(PS4)
Nintendo Switch
PlayStation 4
エムツー タイトー ゲームカード(switchのみ)
ダウンロード
- ダライアス コズミックコレクション』に収録。アーケード版の移植。
※ 特装版・CEにはメガドライブ移植版を収録。
8' ダライアスII 202111182021年11月18日
Steam エムツー タイトー ダウンロード - 『ダライアス コズミックコレクション アーケード』に収録。
※ 家庭用機版と概ね同内容。
9 SAGAIA 201902282019年2月28日
(Switch)
202003052020年3月5日
(PS4)
Nintendo Switch
PlayStation 4
エムツー タイトー ゲームカード(switchのみ)
ダウンロード
- 『ダライアス コズミックコレクション』に収録。海外用アーケード版の移植。
※ 特装版・CEにはマスターシステム移植版も収録。
9' SAGAIA 202111182021年11月18日
Steam エムツー タイトー ダウンロード - 『ダライアス コズミックコレクション アーケード』に収録。海外用アーケード版の移植。
※ 家庭用機版と概ね同内容。
10 LOST JUDGMENT
裁かれざる記憶
202109242021年9月24日
PlayStation 4
PlayStation 5
Xbox One
Xbox Series X/S
セガ第一CS研究開発部 セガ UHD BD-ROM
ダウンロード
PLJM-16878(PS4版)
ELJM-30067(PS5版)
マスターシステム版の移植
DLCミニゲームとして収録
11 タイトーマイルストーン2 2023年8月31日[7][8][9]
Nintendo Switch ハムスター タイトー ゲームカード
ダウンロード
- アーケード版(3画面版)の移植。
12 ダライアスII 2023年10月5日[10][11][12][13]
PlayStation 4
Nintendo Switch
タイトー ハムスター ダウンロード
(アーケードアーカイブス)
- アーケード版(3画面版)の移植。

セガサターン版以前の3機種に共通する変更

サターン版以前のハードにおいては、画面数の違いやスペック上の理由により様々な要素が縮小、もしくは削除されており、いずれの機種もステージやボス構成および攻撃パターンに独自の変更があり、アーケードに忠実と言える版はない。また、最初に移植されたメガドライブ版に追従したような共通の仕様も少なくない。以下に共通の仕様を述べる。

  • 2人同時プレイは不可
  • 画面比率の変更
当時の家庭用ゲーム機およびテレビモニタでは、オリジナル同様の2画面(3画面)構成を其のまま移植することは(スペック的にも住環境的な意味でも)難しかったため。1画面に収まるように再設計されている。具体例は個々の項目で述べる。
  • ショット数について
アーケード版で4連射だった自機のショットが全機種で2連射に減少している。またパワーアップして2連装ショットになった際も、大きめの一つの弾としか判定されず、掛け合わせると自機のショット性能がアーケードの1/4にまで下がっている。PCエンジン版はメガドライブ版より弾速が遅いが、パワーアップ時に付加されるサブショットが独立で連射できるためアーケードと異なる形ながら、攻撃性能が若干改善されている。
  • トーチカの核爆発や『TUNA SASHIMI』のナレーションなど容量を要する演出の多くが削除。
敵の撃破エフェクトが簡略化され多くの敵で同じグラフィックとSEを使い回している。
ラスタースクロールは「太陽」とその色違いステージのみ全ての機種で再現しているが、一部ボスの背景や雲のラスターはメガドライブのみ再現している。
全機種ともアーケードよりスクロールが遅く、スクロールが加速するシーンも削除された。このためサビでボスに突入するなどのアーケード版のBGMタイミングが一切再現されない。ステージ開始時の降下、クリア時の浮上演出はPCエンジン版のみ再現している。
  • 音楽「say PaPa」について
アーケード版においてはsay PaPaの第一部「兆し」を最終ステージ手前のボスクリア〜ステージセレクトに、二部以降を最終ステージにそれぞれ演奏していたのが、移植版では単純に全パートを最終ステージに演奏するよう変更された。
なおsay PaPaを全パート通して流す演出はポニーキャニオンから発売されたゲームシミュレーションビデオ『ダライアスII』が初出となる。グランドオクトパスを撃破した時点から演奏が始まるため家庭用の構成とも異なる。また原作準拠の演出も収録されている。
メガドライブ版『ダライアスII』
タイトーから発売。開発もタイトー内製(2019/02/28のYOUTUBE「ZUNTATA CHANNEL 」で発言)
  • 画面上下の20%程度を黒帯にして5:3程度の横長のゲーム画面としている。
キャラクターは画面サイズよりさらに縮小され、アーケードの5〜6割程度のサイズになっている。
この変更により敵弾をよけ易くなった反面、一部の敵はアーケードに比べショットが非常に当てづらくなっている[注釈 8]
  • 使用キャラクターはオプション画面で選択可能で、ティアットヤングを選ぶと、自機の初期装備がショット・レーザー・ボムそれぞれ1段階ずつパワーアップした状態となる。
  • ボスの変更
ゾーンCのキラーヒジアが削除されオリジナルボスのネホノジア(アジの骨)がゾーンXに追加された。同じモチーフのボスだが性能や配置ステージにあまり共通性はない。
アーケード版からのボスも性能や配置変更が行われ、アロイランタンの体内で連戦するシーンが削除された。
スチールスピンがゾーンB(ステージ2)からGHIJ(ステージ4)へ移動。
レッドクラブがゾーンGHIJ(ステージ4)からQSU(ステージ6)へ移動。
ゾーンKMのヤマトとLのリーダインの入れ替え(共にステージ5)。
中ボスのオクトパスがエレクトリックファン(イソギンチャク)に変更されたが、性能はほぼ同一。
容量の限界から一部のステージはアーケードとまったく異なる地形になっており、基地風のグラフィックパターンがアーケードより頻出する。
容量は元々6メガビットを予定して開発していたが、ヤマトを登場させるために8メガビットに増やされた。
隠しコマンドの入力で全てのボスが登場する12ステージ連続のスペシャルモードが選択できる。
  • BGMはアーケード版が豊富なPCMを利用していたため[14]、FM音源への移植にあたって大きく簡略化されたが[注釈 9]メロディーは忠実[注釈 10]に再現している。
アレンジ担当は岩垂徳行。岩垂はOGRの指示と品質チェックを受けるためタイトー研究所に通ったと言う[15][注釈 11]
  • 全ステージクリア後には、前作の『エキストラバージョン』のように、自機一機に付き、30000点のボーナスが加算される残機ボーナス制にもなった。
  • なお当時は、主にアーケード版をやりこんでいたファンからの不評も見られた(#評価)。
セガ・マスターシステム(日本国外向けセガマークIII)版『SAGAIA』
海外のみの発売。開発はナツメ
  • 容量の関係からゾーン数が、太陽1、水星2、金星1、月2、地球1、火星2、木星3のA〜Lの全12ゾーンに減少している。また、背景が大きくアレンジされたステージがある。
  • 内容はメガドライブ版のダウンスケール移植となっており、メガドライブ版を踏襲した部分が大きい(2人同時プレイ不可、ティアットヤングを選ぶと強化された状態でスタート、オプション画面の設定項目が同一など)。
一方で、BGを使用したアーケード版に比する大きさのボス、アロイランタンの中で再度ボス戦を再現、ネホノジアがキラーヒジアに戻っている、1ゾーンしかない地球面のボスが難易度によってリーダインかヤマトに変化、リトルストライプがカット、音源の制約上ゾーンAや最終ゾーンのシンクロ演出がカットされ、アラート画面で一旦BGMが途切れる、などの違いがある。
  • PSG版BGMを手がけたのは水谷郁(スタッフロールには「MUSIC COMPOSER」としてOGRがクレジットされている)。メロディーは概ね原曲を踏襲しているが、三連符が再現できずリズム調整されている。
  • 2019年に発売されたNintendo Switch版『ダライアス コズミックコレクション』の特装版に、国内初となる他機種移植版が収録された。
PCエンジンSUPER CD-ROM2版『スーパーダライアスII』
NECアベニューから発売。開発はA-Wave。
  • 迫力を優先しアーケードのキャラクターサイズをほぼ再現したまま一画面に変更されている。
アーケード版の時点で前作より大きな自機デザインであったため、画面に対するキャラクター比率が非常に大きく、敵弾の判定や速度は画面に合わせた調整が行われているが、敵機の体当たりやボスの至近攻撃などはそのサイズのため対処が難しくなっている。
大まかなステージ構成は当時の移植としてはアーケード版に近く、背景も比較的忠実に書かれている。ただし壊滅都市地下など入り組んだ地形はPCエンジン本体の二重スクロール性能の兼ね合いで大幅に簡略化された。また、演出面でもアーケード版のゾーンAや最終ゾーンでは道中からボス戦までBGMによるシンクロ演出があったが、PCエンジン版はCDの読み込みが入る為、曲が切り替わりボス戦BGMが流れるほか、MD版や海外マークIII版で再現されていた最終ステージや他ステージなどのラスタスクロールが、ゾーンA、Z、Xといった一部ステージを除きカットされている。オリジナルの演出として、ヤマトステージではゾーンによって青空と夕焼けのバージョンが追加されている。
  • 登場ボスが大幅に変更されており[注釈 12]、アーケードで登場したボスのうち、前作『スーパーダライアス』に登場済みのボスは中ボスに変更、グランドオクトパスが表現上の理由で断念[注釈 13]、マザーホークが海洋生物でないという理由で削除[17]、バイオストロングがメカ・バイオストロングにアレンジ変更された結果、純粋にアーケードから登場のボスはキラーヒジア、ヤマト、リーダインの三体だけとなり、残りはすべてオリジナルのボス(一部モチーフが『サーガイア』や『外伝』と共通している)に変更された。
アーケードからのボスであるヤマト戦のみ画面が左右にスクロールし、アーケードと同じ移動範囲を再現している。
中ボスはすべてのゾーンで別の物が用意され、前作『スーパーダライアス』の全てのボスと、数体のオリジナル中ボスで構成されている。
  • ミス時のパワーダウン方式が変更され、難易度によって変わるようになった。イージー設定で一切パワーダウンしなくなる。
  • BGM担当はT's Music[注釈 14]。BGMはギターソロパートを特徴とした、原曲とは異なる大胆なアレンジが施されており、CD-DAで収録されている(SEはPCエンジン内蔵音源の仕様により原音からは大幅に変更されている)。ソフトに先行してサウンドトラックが発売している。
  • ソフト発売に先行して、小学館から発売された『PCエンジンCD-ROMカプセル』Vol.4に体験版が収録された。
  • 上記の表に記載したとおり、Wii版バーチャルコンソールで配信・販売されていた(要800Wiiポイント)が、現在は終了している。
  • PCエンジン版ボスの種類は以下の通り。
ゾーン名 コード ボス ボスモチーフ
A GE0P GOLDEN EYES(ゴールデンアイズ マトウダイ
B BG3F B-GUADIAN(ガーディアン ヨウジウオチンアナゴ
C KL2H KILLER HIJIA(キラーヒジア アジのヒラキ
DE D700 REVENGE SHARK(リベンジシャーク ジンベイザメ
F DD0S DEEP DRAGON(ディープドラゴン ウィーディーシードラゴン
GI CA2C CRAB ARMER(クラブアーマー カブトガニ
HJ BC00 BALD CRAB(ボールドクラブ タカアシガニ
KM FB30 YAMATO(ヤマト) ヤドカリ
LNO F407 LEADAIN(リーダイン) ウニ
PQRSTU KN8G DARK MODON(ダークモドン オニボウズギス
ZVWXYZV これ以降は全てラスボスである。
V'WY RS93 MECH BIO STRONG(メカバイオストロング 胎児
VX IO0R MODERATO(モデラート リュウグウノツカイ
ZZ' TW2F HEAT ARROW(ヒートアロー マンボウ
ゾーン名 中ボス 中ボスモチーフ
A KING FOSSIL(キングフォスル) シーラカンス
B GUARD SAVAGE(ガードサベージ) イタチザメ
C HYPER STING(ハイパースティング) ミノカサゴ
D BIG RAJARNN(ビッグラジャーンヌ) トビエイ
E LITTLE STRIPES(リトルストライプ) エンゼルフィッシュ
F FATTY GLUTTON(ファッティグラトン) ピラニア
G STEEL SPINE(スチールスピン) ハリセンボン
H DRIO SAWM(ドリオサーム) ウツボ
I BURST OUT(バーストアウト) フグ
J RED CRAB(レッドクラブ) シオマネキ
K FLYNOUO (フライノウオ フウライウオ(カミソリウオ)
L STRONG SHELL(ストロングシェル) ウミガメ
M CUTTLE FISH(カトルフィッシュ) イカ
N BATTLE CHAINSAW(バトルチェーンソー ノコギリザメ
O KEEN BAYONET(キーンベイオネット) メカジキ
P WINER GUIPY(ウィナーグィパイ ウナギ
Q MYSTIC POWER(ミスティックパワー) アンモナイト
R FIRE STAR(ファイヤースター) ヒトデ
T BUDDY BLAZER(バディブレイザー) ウミテング
S IRON HAMMER(アイアンハンマー) シュモクザメ
U MY HOME DADDY(マイホームダディ) ヤドカリ
Z' OCTOPUS(オクトパス) タコ
Z' RAMY.L(ラミィ.L ヒラメ
V GREAT THING(グレートシング) クジラ
V CARY.R(カリィ.R カレイ
W EARZAM(エーザム ホオジロザメ
W EYEN DART(アインダート コバンザメ
X GREEN CORONATUS(グリーンコロナタス) タツノオトシゴ
Y HARD MOLLUSK(ハードマウルスク) クラゲ
Y ALLOY LANTERN(アロイランタン) アンコウ
Z DUAL SHEARS(ディアルシェアーズ) アメリカザリガニ
Z BARNOR ANGEL(バーナーエンジェル) トビウオ
V' ELECTRIC FAN(エレクトリックファン) イソギンチャク
V' TOUGH SPRING(タフスプリング) エビ

セガサターン版以降

引き続き2画面バージョンを移植した版が大半だったが、後述するSwitch版で初めて3画面版の移植が成された。

セガサターン版『ダライアスII』
画面のレイアウトが変更されており、ゲーム画面とスコアが分けて表示される。プレイ中LRボタンで画面を拡大縮小できるが、縮小すると解像度の問題でドットがつぶれる(ただし勲章のみ縮小されない)、拡大すると自機の動きに合わせて画面が左右にスクロールする形になりフィールドの全容を把握しにくくなる、トモマヤ砲台の当たり判定が厳しくなるなど、アーケード版と異なる部分がある。ソフト側で設定できる連射数がアーケードより遅い[注釈 15]。なお、BGMはCD-DA収録。
PlayStation 2版『ダライアスII』
タイトーメモリーズII 上巻』に収録。こちらは画面がアーケード版と同じレイアウトで表示される。通常のテレビ画面に収まるよう、上下が黒帯状態の縮小(レターボックス)表示となった。オプション設定時に画像比率を8:3から4:3とすることで、1画面表示の設定を行うことも可能であるが、ワイド画面(16:9)比率でない世代のテレビでは縦が2倍に引き伸ばされた表示となる。
Nintendo Switch版 / PS4版 / PC (Steam)版『ダライアスII』
ダライアス コズミックコレクション』の1作品として収録。(前述のとおり、『SAGAIA』も収録)
PS2版から年月も経過し、家庭のテレビもHD(720p前後)以上の解像度を持つ事が基本の時代に発売されることから、家庭用ゲーム機としては初めてワイド画面(16:9)比率のテレビでも縮小や引き伸ばしの無い、オリジナルの画角そのままで映像を出力することが可能となった(デフォルト状態ではPS2版と同様レターボックス表示となるが、大画面サイズのテレビならばオリジナルと概ね同サイズかそれ以上の画面サイズでプレイ出来る)。このほか筐体インストラクションパネル表示や自機ショット・アームのパワーアップレベル可視化といった複数のオプションも実装されている。
Switch版リリースから約1年後にPS4版が『ダライアス コズミックコレクションAE』として、さらに約半年後にSteam版が『ダライアス コズミックコレクション アーケード』と題してリリースされた(いずれもダウンロード専売で、内容は概ね家庭用ゲーム機版と同じもの)
Nintendo Switch版『ダライアスII』(3画面版)
タイトーマイルストーン2』の1作品として、前述のとおり3画面版が初移植。
こちらは先のSwitch2画面版と移植担当企業が異なることもあり、オプションに関しては必要最低限の機能のみ実装される。
画角については基本的にオリジナル版そのままとなり、Switchと一体化しているディスプレイでも同様となるが、視認性については厳しくなるため、現実的には大型の外部ディスプレイに映し「TVモード」で遊ぶ事が必須となる。
アーケードアーカイブス版『ダライアスII』 (3画面版)
アーケードアーカイブスの1作品としてPlayStation 4とNintendo Switchにて配信。『タイトーマイルストーン2』収録版と同じく3画面版の移植となる。
「ディスプレイ設定」ではディスプレイの背面に表示する壁紙の有無、筐体の画面に関する雰囲気を再現するための設定が可能。
「こだわり設定」にて1P側コントローラーで2P側機体を使用できるようにする、アームの耐久値の表示、コントローラーの振動のON/OFF、エンディングのテキストを原作通りに表示するかどうか、といった事を設定可能。

音楽

本作の作曲を担当した小倉によると、前作『ダライアス』が世界観に合わせて激しい音楽にした事を受けて、本作では対照的に静かな音楽にしたと語る[18]。また、当時小倉に実子が誕生した事もあり、父性を意識した事も影響しているという[18]。最終ステージの曲である「say PaPa」には「パパ!」と呼ぶ声がサンプリング音源で収録されているが、これは小倉の実子の声であり、子供をビデオ撮影していた際に偶然子供が「パパ!」と喋った声をサンプリングしている[18]。サウンドトラックのクレジットには実際に実子の名前が記載されている[18]

最初のステージの曲「OLGA BREEZE」に出てくる「ツナサシミ」というフレーズに関しては、本来は「サシミにして食ってやる!」というフレーズのつもりが翻訳者にうまく伝わらず、「ツナサシミが食べたい」という表現になってしまった。しかし、「面白いし、まあいいか」という理由で採用になったと語られている[18]

小倉本人としては後のインタビューで「なかったことにして欲しいと思われる曲はありますか」と言う問いにあまり大きい声で言えないですけど、としながら本作を挙げた事がある。その際「Say Papa」「MUSE VALLEY」は例外とし、「OLGA BREEZE」はライブで演奏した事を挙げ、「『あの曲が嫌いなのか?』っていうと、そうでもないんです」と語っている[18]


注釈

  1. ^ 『ダライアス』の名を冠した続編はリリースされているものの、正統な続編である『ダライアスIII』は制作されていない。
  2. ^ ダライアスのゾーンWエンディングの後の話である。
  3. ^ 特に説明が無い限りは、各面のゾーンは上ルートからアルファベット順に並んでいる。
  4. ^ ステージとボスで途切れず、ひとつながりで演奏される。
  5. ^ アロイランタン戦時は無音で、その後の第2戦で演奏される。
  6. ^ ゾーンの並びは、上からZ、V、W、X、Y、Z'、V'の順。
  7. ^ メインテーマ。第2部“受精”〜第3部“成長”〜第4部“誕生”までが、ステージとボスで途切れず、ひとつながりで演奏される。なお、第1部“兆し”(イントロ部分のみ)は火星面クリア時、第4部と第5部“未来”はエンディング曲の一部としても使用されている。
  8. ^ 命中判定をスキップするフレームがあり、ダメージを与えずショットが消滅する事がある。スチールスピン、ゾーンGの触手など。
  9. ^ たとえばピアノが単純なノコギリ波の音色に置き換わっていたり、オーケストラヒット(正確にはゲーム内音色をまとめてサンプリングした物)を用いたフレーズが丸ごと消滅するなどしている。
  10. ^ say PaPaはアーケードではなくサウンドトラックの構成に準拠している
  11. ^ アーケード版スタッフロールでは作曲者OGRのクレジットが「COMPOSED AND ARRANGED」だったが、メガドライブ版では「COMPOSED」のみになっている。
  12. ^ 発表時のインタビューでは、ボスキャラのほとんどが前作で登場済みである事に対し、「ダライアスツイン」のようにボスを新たに書き換える形のアレンジを加えるとされた[16]
  13. ^ 「それをやるとメガドライブ版のように全体を小さくしなければならない」事を理由とした。[17]補填としてエンディングの一つに一枚絵のグランドオクトパスが登場する。
  14. ^ 当初は原曲にドルビーサラウンドを掛ける予定だったが、翌年にT's Musicが担当する事を発表している[17]
  15. ^ アーケードおよびタイトーメモリーズ版が12発/秒に対しサターン版は10発/秒となっている。シンクロ連射相当の30発/秒の設定も存在するが、こちらは弾切れが激しくなりゲーム中の切り替えもできないのでかえって難易度が高くなる(ただし裏技で弾数を増やしてカバーすることもできる)。

出典

  1. ^ “『ダライアス コズミックコレクション』インタビュー”. Game Watch (株式会社インプレス). (2019年2月28日). https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1171054.html 2019年5月25日閲覧。 
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  3. ^ 新声社『ゲーメスト』1987年7月号ゲーメストアイランドより。
  4. ^ “『ダライアス コズミックコレクション』発売記念,ゲーム業界「ダライアス」ファン6名による語り尽くしの座談会”. 4Gamer.net (Aetas 株式会社). (2019年4月30日). https://www.4gamer.net/games/425/G042534/20190409038/ 2019年5月25日閲覧。 
  5. ^ “『ダライアス コズミックコレクション』名作の復活に懸けるタイトーとエムツーのキーマンによるスペシャル座談会”. ファミ通.com (Gzブレイン). (2018年12月4日). https://www.famitsu.com/news/201812/04168038.html 2018年12月5日閲覧。 
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  7. ^ 『タイトーマイルストーン2』発売。3画面版『ダライアスII』『奇々怪界』など80~90年代の名作がひとつに、『タイトーマイルストーン3』も制作決定”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年8月31日). 2023年9月1日閲覧。
  8. ^ 簗島 (2023年8月31日). “「ダライアスII」「奇々怪界」など10作品を収録する「タイトーマイルストーン2」本日発売。「タイトーマイルストーン3」も制作決定”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年9月1日閲覧。
  9. ^ 緑里孝行 (2023年8月31日). “シリーズ第2弾「タイトーマイルストーン2」本日発売! 「ダライアスII」や「奇々怪界」など10タイトルを収録 9月12日までダウンロード版は10%オフ”. GAME Watch. インプレス. 2023年9月1日閲覧。
  10. ^ 【アケアカ】『ダライアスII』Switch/PS4で10月5日配信。太陽や地球などの惑星を進んでいく横スクロールシューティング。各ステージには海洋動物がモチーフのボスも登場”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年10月4日). 2023年10月5日閲覧。
  11. ^ 緑里孝行 (2023年10月4日). “タイトーの「ダライアスII」がアーケードアーカイブスより10月5日より配信決定!シルバーホークにのって様々なボスが待つ木星へと進むSTG”. GAME Watch. インプレス. 2023年10月5日閲覧。
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  13. ^ Gamer編集部 (2023年10月4日). “「アーケードアーカイブス ダライアスII」が10月5日に配信!1989年にタイトーから発売されたSTG”. Gamer. ixll. 2023年10月5日閲覧。
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  27. ^ a b c d e f g h 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、20-21頁、ISBN 9784881994290 
  28. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、38 - 39頁、雑誌03660-7。 
  29. ^ 「でもオレ、実はMDの『ダラII』が好きな男だから、正統派ダライアス信者の人は信用しなくていいです」電撃スーパーファミコン1993年9月24日・10月8日合併号「新作チェッカー」。






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