ダイアジノン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/05 15:48 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ダイアジノン | |
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ジエトキシ-[(2-イソプロピル-6-メチル-4-ピリミジニル)オキシ]-チオキソホスホラン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 333-41-5 |
PubChem | 3017 |
ChemSpider | 2909 |
KEGG | D07856 |
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特性 | |
化学式 | C12H21N2O3PS |
モル質量 | 304.35 g mol−1 |
外観 | 無色の油状液体 |
沸点 |
120℃で分解 |
水への溶解度 | 0.006 g/100ml(20℃) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
用途
チバガイギーが開発した殺虫剤で、日本では日本化薬が製造している。1999年の実績では、単剤が1,474トン生産されている。日本での農薬登録は1955年4月22日で、農薬としては稲のウンカやツマグロヨコバイ、野菜のアオムシやアブラムシ、果樹のシンクイムシやカイガラムシに有効。防疫用としてハエ、蚊、ゴキブリに対しても使用される。ペット用ノミ取り首輪にも、本剤を使用した製品がある。
性質
120℃以上に加熱すると分解し、窒素酸化物、リン酸化物、硫黄酸化物などを含む有毒なフュームを生じる。強酸や塩基と反応し、猛毒のチオピロリン酸テトラエチルを生成する場合がある。一日許容摂取量は0.002mg/kg/日。吸入・経口摂取・皮膚からの吸収により、縮瞳・唾液分泌過多・頭痛・嘔吐・痙攣などの有機リン化合物共通の中毒症状が現れる。
厚生労働省はシックハウス症候群の原因となるとして、室内空気中化学物質濃度の指針値を0.29μg/m3(0.02ppb)と定めている[1]。水生生物に対する毒性が強く、環境中に放出した場合には鳥類やミツバチへの影響がある。日本の毒物及び劇物取締法により劇物に分類されていたが、2009年4月8日付けの『毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令』により、劇物指定が解除された[2]。
参考文献
- 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044。
- 国際化学物質安全性カード
脚注
- ^ 東京都健康安全研究センター
- ^ “『ダイアジノン粒剤5』で劇物指定解除”. 農業協同組合新聞. (2009年4月28日) 2015年4月22日閲覧。
- 1 ダイアジノンとは
- 2 ダイアジノンの概要
ダイアジノンと同じ種類の言葉
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