ケニア 治安

ケニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/06 08:48 UTC 版)

治安

ケニアの治安は現在、安定しているとは言えない状況にある。発展が著しい反面、国内での貧富の格差拡大による都市部スラムへの人口流入、異なる部族間の土地や資源を巡る対立、不安定な近隣諸国からの難民を含む人口の流入や違法武器・物資の流入などを背景に、各地で様々な凶悪犯罪暴力事件、日常的な窃盗置き引きが発生している。

ナイロビ郡においては「シティ・センター」と呼ばれるナイロビ中心街やウエストランド地区で、白昼堂々と武装集団による強盗および禁止薬物売買などの犯罪が起きており、モンバサ郡では現地ツアー・ガイドを装った犯行グループが、モンバサ島のオールドタウンへのツアーと称して外国人観光客を誘導し、銃器を使用して金品を強奪する事案が発生していて、北部や北東部及び北西部地域では部族間で土地、家畜、水を巡る抗争が頻繁に繰り広げられている。さらに沿岸部のリゾート地では、外国人を狙った窃盗、路上強盗及び押し売りなどが発生している。

傍らで日本人の被害事案も多発しており、一部には殺人事件も含まれているとの報告がされている[26]

人権

マスコミ

文化

ケニア出身の文学者『グギ・ワ・ジオンゴ』は、植民地時代以来の公用語の英語ではなく、民族語であるキクユ語のみで創作することを宣言している。
ケニア最高峰の『ケニア山』は1997年世界遺産に登録された。

食文化

文学

小説においては英語で書いた『夜が明けるまで英語版』(1964)でケニア独立戦争を描いたあと、キクユ語のみで創作することを新たに宣言したグギ・ワ・ジオンゴ、『猟犬のための死体』(1974年)のメジャ・ムアンギ、『スラム』(1981年)のトマス・アカレケニア土地自由軍の指導者を描いた『デダン・キマジ』(1990年)で知られるサムエル・カヒガなどが著名な作家の名として挙げられる。

音楽

映画

世界遺産

ケニア国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産が4件、自然遺産が3件存在する。

祝祭日

祝祭日
日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 元日 New Year's Day
3月or4月 聖金曜日 Good Friday 移動祝日
3月or4月 イースター・マンデー Easter Monday 移動祝日
5月1日 メーデー Labour Day
6月1日 マダラカデー Madaraka Day 独立前の自治獲得記念(1963年)
10月10日 フドゥマデー Huduma Day 2019年まで Moi Day
10月20日 マシュジャアデー Mashujaa Day 旧称のケニヤッタ・デーから2010年に独立の英雄を祝う日へと名称・趣旨を変更
12月12日 独立記念日 Jamuhuri Day 1963年12月12日
12月25日 クリスマス Christmas Day
12月26日 ボクシング・デー Boxing Day

スポーツ

ケニア国内では、陸上競技サッカーが最も人気のスポーツとなっている。とりわけ陸上競技の長距離走の人気は高く、隣国エチオピアと並んで世界屈指の強豪国として知られている。2008年北京五輪・男子マラソンの金メダリストサムエル・ワンジルをはじめ、オリンピック世界陸上などでは優勝者を輩出している。

サッカー

ケニアではサッカーも盛んであり、1963年にプロサッカーリーグのケニア・プレミアリーグ英語版が創設された。ケニアサッカー連盟(FKF)によって構成されるサッカーケニア代表は、これまでFIFAワールドカップには未出場となっている。アフリカネイションズカップには6度出場しているものの、いずれの大会もグループリーグで敗退している。

ケニア人の著名なサッカー選手として、マイケル・オルンガが特にアジア諸国においては知られており、2020年Jリーグ得点王および最優秀選手賞(MVP)を受賞し、翌年にアル・ドゥハイルSCに移籍したのち、AFCチャンピオンズリーグ2021では得点王に輝いている。さらに2021-22シーズンカタール・スターズリーグにおいても、25ゴールを挙げ得点王となった。またオルンガの他にも、マクドナルド・マリガイタリアセリエAで活躍し、さらにマリガの弟であるビクター・ワニアマは、イングランドプレミアリーグでプレーした。


注釈

  1. ^ 発音 [ʄɑmˈhuˑrijaˈkɛɲɑ]、ジャムリ・ヤ・ニャ
  2. ^ 発音: [rɪˈpʌb·lɪk əv ˈken.jə]、リブリック・オヴ・ンニャ
  3. ^ 大統領、上院議員(Senator)、カウンティの知事、国会議員などを選出。
  4. ^ County Governments Act No.17 of 2012
  5. ^ ルイヤ語はさらに14の言語に分類することができ、主なものとしてブクス語(約140万人)、ロゴーリ語英語版(約62万人)、イダホ=イスハ=ティリキ語英語版などがある。
  6. ^ カレンジン語は幾つかの言語をまとめた方言群であり、キプシギス語英語版(約190万人)、ナンディ語(約95万人)などを含む。
  7. ^ 一人当たりGDPに対する生徒一人当たり公共教育支出額の割合。初等・中等教育は2006年、高等教育は2004年の数値。

出典

  1. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e [1](2021年10月17日閲覧)
  3. ^ アフリカで一番高い山はどこ? - アフリカ大陸最高峰”. www.tabi2ikitai.com. 2022年12月22日閲覧。
  4. ^ a b Kokusai jōhō daijiten : Pasupo = Paspo.. Gakushū Kenkyūsha, 学習研究社. (Shohan ed.). Tōkyō: Gakken. (1992). ISBN 4-05-106027-6. OCLC 31669709. https://www.worldcat.org/oclc/31669709 
  5. ^ ケニア選挙やり直しの英断、司法独立への期待に火 アフリカ初の無効判決、一躍国民のヒーローになった最高裁判事” (2017年9月7日). 2017年9月18日閲覧。
  6. ^ ケニア大統領選 副大統領「勝利」対立陣営、敗北認めず東京新聞』朝刊2022年8月17日国際面掲載の共同通信記事(2022年8月22日閲覧)
  7. ^ 「元首相、大統領選結果拒否 ケニア、法的措置も示唆」東京新聞 TOKYO Web 2022年8月16日配信の共同通信記事(2022年8月22日閲覧)
  8. ^ Expensive Tokyo embassy leads to Kenyan resignations RFI, 27/10/2010
  9. ^ 「在日ケニア大使館、不当に高い? 反汚職委が経緯調査」共同通信(2010年10月20日)
  10. ^ a b c 外務省 ケニア基礎データ
  11. ^ ケニアで地方分権が始まる。日本が支援する、分権実施に向けた人材育成もスタート”. 国際協力機構. 2014年10月24日閲覧。
  12. ^ World Development Indicators”. World Bank. 2014年10月11日閲覧。
  13. ^ a b Kenya Vision 2030”. Republic of Kenya. 2014年10月11日閲覧。
  14. ^ FAOSTAT”. Food and Agriculture Organization. 2014年10月11日閲覧。
  15. ^ 日本経済新聞』2013年12月19日【初歩からのアフリカ】ケニアの園芸産業に続け
  16. ^ 密猟ではなくアボカド…ケニアのゾウに新たな脅威”. AFP (2021年4月17日). 2021年4月18日閲覧。
  17. ^ a b 海外ビジネス情報:ケニア”. 日本貿易振興機構. 2014年10月11日閲覧。
  18. ^ NICHOLE SOBECKI (2020年4月16日). “アフリカの大都市、ナイロビの新型コロナ対策 外出禁止令で格差が浮き彫りに”. ナショナルジオグラフィック. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/stories/20/041500019/ 2020年4月17日閲覧。 
  19. ^ a b c 2009 POPULATION & HOUSING CENSUS RESULTS”. Minister of State for Planning, National Development and Vision 2030. 2014年10月11日閲覧。
  20. ^ a b The World Factbook2014年10月11日閲覧
  21. ^ 松田素二「民族対立の社会理論」『現代アフリカの紛争を理解するために』アジア経済研究所 1998年
  22. ^ 宮本正興「アフリカの言語 その生態と機能」『ハンドブック現代アフリカ』岡倉登志明石書店、2002年12月
  23. ^ Lewis, M. Paul, Gary F. Simons, and Charles D. Fennig (eds.). 2015. Ethnologue: Languages of the World, Eighteenth edition. Dallas, Texas: SIL International. Online version: http://www.ethnologue.com.
  24. ^ Why don't some women take their husbands' names after marriage?, The STAR, Sep 19, 2015.
  25. ^ The World Bank (2013), Africa Development Indicators 2012/13, http://data.worldbank.org/data-catalog/africa-development-indicators 
  26. ^ ケニア 安全対策基礎データ「犯罪発生状況、防犯対策」”. 外務省. 2021年12月5日閲覧。
  27. ^ ケニアでもオバマ氏勝利を祝福、6日は「国民祝日」に”. AFPBB News (2008年11月6日). 2009年6月2日閲覧。






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