モーダルダイアログとは? わかりやすく解説

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モーダル‐ダイアログ【modal dialog】

読み方:もーだるだいあろぐ

モーダルウインドー


モーダルダイアログ


モーダルウィンドウ

(モーダルダイアログ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 20:01 UTC 版)

モーダルウィンドウ: modal window)は、コンピュータアプリケーションソフトウェアユーザインタフェース設計において、何らかのウィンドウの子ウィンドウとして生成されるサブ要素のうち、ユーザーがそれに対して適切に応答しない限り、制御を親ウィンドウに戻さないもの。モーダルウィンドウはGUIシステムで、ユーザーに注意を促したり、選択肢を提示したり、緊急の状態を知らせたりする目的でよく使われる。モーダルダイアログポップアップと呼ばれることもある[1][2]

"modal"とは「モードを持つ」という意味であり、モーダルウィンドウが表示されている間はアプリケーションの状態が「ユーザーの応答待ちモード」になっている。対義語は"non-modal"(非モーダル)あるいは"modeless"(モードレス)である[3][4][5]

ユースケース

モーダルウィンドウは以下のような状況でよく使われる。

  • 特に重要な情報への注意を喚起する。
この用法は効果的ではないという批判もある[6] [7] [8]
  • 必要な入力がなされるまで、アプリケーションの実行をブロックする。
この特性により、モーダルウィンドウ上の対話結果に応じてその後に実行する処理を分岐することが容易となる。
  • アプリケーションの設定オプションを1つのダイアログに集約する。
  • これから実行しようとしている操作は取り消すことができないことを警告する。ファイルの置換(上書き)や削除の際によく見られる。
しかし、その意図する「間違った操作を防ぐ」という効果については疑問視する意見もあり、アンドゥ操作ができるときは警告を出すべきではない、と述べる者もいる[9]

内部的な仕組み

モーダルウィンドウを表示すると、そのウィンドウが閉じられるまで呼び出し元に制御は返ってこない。しかしモーダルウィンドウを表示している間もイベントループ(メッセージループ)は回り続けるため、GUIがフリーズしてしまうことはない。モーダルウィンドウ表示中は通常のイベントループとは異なるモーダルループが回り、親のウィンドウに配送されるイベントが制限される。

類似要素

Microsoft Windows では、Mac OSX Window System ベースのUNIX系システムよりもモーダルウィンドウがよく使われる[要出典]。Windows でモーダルウィンドウが使われるような状況で、それ以外の環境ではトランジェントウィンドウ (transient window) が使われる。トランジェントウィンドウはモーダルウィンドウと似たような振る舞いをし、常に親ウィンドウの前面に表示され、ウィンドウリストには出現しないが、同じアプリケーションの他のウィンドウの使用を妨げない。

利点と問題点

モーダルウィンドウは、クローズされるまでそのプログラムの他のワークフロー全体をブロックする。ユーザーはモーダルウィンドウが注意を喚起していることに気づかない場合もあり、主ウィンドウが反応しなくなったことで困惑したり、入力すべきデータが判らなくなったりするといった問題も発生する。モードの明確化という点に関しては、ダイアログ表示中に背景となる主ウィンドウの明るさを下げてコントラストをつけることで配慮している例もある(WindowsランタイムWindows.UI.Popups.MessageDialogや、Androidandroid.app.AlertDialogなど)。

モーダルウィンドウに対する意見は、初期のマンマシンインタフェースにおける基本原則を想起させる。例えば、マイクロソフトWindows 95ウィザードを多用した[10]

[いつ?]もモーダルウィンドウは多くのGUIツールキットの主要部品の1つであり、よく使われる。多数のモードのないダイアログが表示されるとユーザーが混乱すると考えられているためであり、モーダルウィンドウを擁護する立場からは、ある時間内にユーザーが入力しなければならない情報の量を制限することができるという意見もある[3]。また、モーダルウィンドウとの対話中はユーザーによって親ウィンドウを操作されることがないため、ワークフローの管理や画面遷移の実装の容易さの観点からも有用である。

一方で、そのような意見に対して、ユーザーにフラストレーションを与えてまで制限を加えるのは誤りだと指摘しているユーザインタフェースの専門家もいる[11]。ユーザーは1度に1つの入力しかできず、モーダルであろうとなかろうとユーザーは常に注意していなければならない。たとえ複雑な情報であっても、それがうまく構造化された論理的設計で表現されていれば、ユーザーはそれを処理できる[要説明]この指摘はシングルスレッドやシングルプロセスにおける文脈であれば通用するかもしれないが、リアクティブプログラミングによる1対多の同時操作や、マルチスレッド、アドオンなどにおけるプロセスがアクセスを禁じたいウィジェットにアクセスできるのが当たり前になりつつあるリアルタイム・並行実行全盛期となった(少なくとも)2020年代では無意味な指摘である。[独自研究?]

Webブラウザで使用されるJavaScriptには、ダイアログを表示するためのウィンドウオブジェクトに対するメソッドとしてalert(), confirm(), prompt()が用意されているが、これらは歴史的な経緯からモーダルダイアログとなっている。ダイアログに対してユーザーの応答がなされるまで、表示元のWebページを操作することができなくなる。しかし、これらの機能はブラウジングを妨げ、ユーザーに危害を及ぼすために悪用されることが多い(フェイクアラート[12])。また、タブブラウザであってもタブごとではなくアプリのウィンドウに対してモーダルとなる実装が以前は多かったため、ダイアログを表示しているタブが1つでもある場合は他のタブに切り替えることができず、例えば悪意のあるWebサイトを閲覧したときにモーダルダイアログが表示されると、そのタブのみを閉じるという操作ができなくなってしまっていた。そのため、Google Chromeでは2017年以降、タブを切り替えたときにダイアログが自動的に閉じられる動作となった[13]FirefoxSafariなど、他のブラウザではタブごとにダイアログが表示されるようになり、同様にタブの切り替えを阻害しない仕様となった[14]

脚注

  • ThickBox - jQuery 上に構築された JavaScript のモーダルウィンドウ
  • TinyBox - Prototype 上に構築された JavaScript のモーダルウィンドウ
  • subModal - DHTMLのモーダルダイアログ
  • Control.Modal by Live Pipe
  • MOOdalBox - mootools 上のモーダルボックス
  • Lightbox JS by Lokesh Dhakar
  • GreyBox by Amir Salihefendic

関連項目



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