軍首脳部とは? わかりやすく解説

軍首脳部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:24 UTC 版)

銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟」の記事における「軍首脳部」の解説

シドニー・シトレ (Sidney Sithole) 声 - 内海賢二(旧) / 佐藤正治(黄) / 相沢まさき(D) 統合作戦本部長元帥。元士官学校校長物語開始時点における同盟軍制服軍人トップ。2メートルほどの身長を持つ偉丈夫初老黒人ヤン士官学校在籍していた当時校長で、ヤン天賦の才能早くから知っていた数少ない一人権力中枢に近いこともあって、ロボス派閥争い繰り広げたり軍政トップであるトリューニヒト鍔迫り合いをしているが、基本的に現実的良識的な人物で、軍内外広く人望がある。士官学校校長時代中将)には、開明的教育家として当時生徒であったヤンから高く評価され、さらにヤン事実上蔵書庫を解放する便宜を図るなど、名校長評されるこのためヤンからはグリーンヒル大将ビュコックと共に尊敬する上官評されるが、逆にヤン性格熟知しているがゆえに老練な手腕で彼を手玉にとることにも長けるヤン第13艦隊司令となると彼を呼び出し彼の才を高く評価するがゆえにイゼルローン要塞攻略という難題命令する。この背景にはロボスとの軍上層部派閥争いという側面もあり、結果として要塞攻略成功したため、自身立場堅めることに成功する。ところがこれが原因巻き返しをはかるロボス派から帝国領侵攻作戦立案されるに至りシトレとしてはその無謀な計画に大反対であったが、成功して失敗して退役する状況追い込まれる成功した場合ロボス本部長就けて功績報いるため、失敗した場合軍人トップとして責任を取らされるため)。結局戦役失敗受けて責任を取らされる形で退役する元凶ロボスとは違い巻き込まれるとなったために同情の声もあったという)。そして故郷惑星カッシナに帰り果樹園営み始める。 その後同盟民主共和制危機訪れると、端役としてしばしば登場する救国軍事会議のクーデターでは隠棲先から駆けつけて、ヤンヤン艦隊同盟政府民主主義を守るものだと支持表明しクーデター勢力少なくないダメージ与える。物語後半同盟が完全に帝国併呑された後に行われたグエン・キム・ホア広場での集会及び騒乱にも参加しており、かつての同盟要人として新領土総督となったロイエンタール引見する。ロイエンタール問いに対して発生した騒乱について何ら弁明せず、むしろ釈放すれば今度こそ行動起こす宣言したがためにラグプール刑務所移送される。後に同刑務所暴動巻き込まれるも、一命取り留める以降作中登場しない外伝では『黄金の翼』に、第5次イゼルローン攻略戦総司令官大将)として登場する(この戦い自体外伝3巻千億の星、千億の光』でも触れられる)。乗艦ヘクトル当時グリーンヒル中将ビュコック中将らを指揮し並行追撃策を用いて要塞主砲トゥールハンマー使用封じ込め要塞壁に肉薄する活躍をする。結果として帝国側が味方犠牲厭わずトゥールハンマー使用したため失敗に終わるが、それまで寄り付くことも不可であった要塞壁に大きな損害与えたことは高く評価され、後に元帥昇進するOVA版ではレベロと旧知の仲という設定加えられ2人会話シーンがある。 ラザール・ロボス (Lassalle Lobos) 声 - 大木民夫(旧) / 花輪英司(D) 宇宙艦隊司令長官元帥帝国領侵攻作戦遠征軍総司令官グリーンヒルの上官。座乗艦アイアースOVA版)。 物語開始時点における制服軍人ナンバー2。母が帝国からの亡命者という出身で、小太りの男。軍部トップであるシトレとは四半世紀にわたるライバルとされ、現在の職責見合う優れた戦術指揮能力前線指揮官として輝かし功績挙げてきた軍人第6次イゼルローン攻防戦ではおおざっぱな点はあるが、戦術展開能力にすぐれ、指揮官として熟練していると評され、さらに、これを堅実理知的な幕僚グリーンヒル補佐するというコンビであった。ところが急速に衰え見せたとされ、本編時間軸ではおよそ最高指揮権らしくない無能ぶりを晒す帝国領侵攻作戦において遠征軍総司令官任命され作戦総司令部となるイゼルローン要塞に在陣する参謀長グリーンヒルよりもフォーク信任し艦隊司令官らからの通信取次としてフォークが間に介入するなど、彼の専横許し実質的にフォーク傀儡化す戦役終盤前線危機にも、昼寝の邪魔をするなと訓令するなど、同盟軍全体足を引っ張る最終盤では総参謀長グリーンヒル撤退進言無視してアムリッツァに部隊集結命じ(これは同盟政府要望でもあった。藤崎版ノイエ版では、政府要望であることを仄めかす台詞入れることで、それを強調している。)、ヤン活躍一矢報いることには成功するさらなる犠牲増やす戦後敗戦責任を取らされる形で退役し以降物語には登場しない本編以前扱った外伝では登場頻度が多い。まず時系列上の初登場は『千億の星、千億の光』でのヴァンフリート星域の会戦で、続く第6次イゼルローン攻防戦総司令官として登場する上記のようにこの段階では指揮能力高く評価されるも、ヤン立案したラインハルト艦隊への対処に対して兵力出し惜しんだ結果として彼を取り逃がし、後の禍根を残す失態犯している。時系列上の次のエピソードである『星を砕く者』から、後の衰え片鱗見せるようになり、第3次ティアマト会戦自派閥のホーランド中将失って精神衛生いささかの害を及ぼしたとされ、その戦後には余計な訓令グランド・カナル事件呼ばれる戦闘事故を引き起こさせてしまう。ただし、総司令として指揮を執った第4次ティアマト会戦結果として敗北するが、その混戦の中でグリーンヒル進言受けて難し絶妙用兵行い戦術的手腕を示すなど、戦術的能力の高さを示している。 ドワイト・グリーンヒル 作品開始時の統合作戦本部次長で、宇宙艦隊総参謀長フレデリカ・グリーンヒルの父。 →#救国軍事会議 クブルスリー (Kubersly) 声 - 田中信夫(旧) / 髙階俊嗣(D) 第1艦隊司令官中将。後に統合作戦本部長シトレ後任)、大将温厚な人柄で筋の通った性格軍人士官学校優秀な成績卒業し堅実な成果挙げ、いずれ軍部トップに就くと目されていた。物語開始時点では首都警備治安維持任務とする第1艦隊司令官の職にあったため、アスターテ会戦帝国領侵攻作戦には参加しておらず、いずれの敗戦の責を負っていなかった。帝国領侵攻作戦後、軍首脳部の総退陣に伴い制服軍人トップである統合作戦本部長就任するヤン高く評価しており、本部長への着任伴って彼を統合作戦本部幕僚総監就任することを望んでいた。就任後間もなく職務復帰直訴をしてきたフォーク正論拒絶するが、逆上した彼に撃たれ負傷し療養余儀なくされる。後にこれは救国軍事会議のクーデター計画1つであった判明するクーデター終結後現場復帰するも、軍首脳部がトリューニヒト派で固められるなか病気理由引退するアレクサンドル・ビュコック 第5艦隊司令官中将。後に宇宙艦隊司令長官ロボス後任)、大将のち元帥詳細は「アレクサンドル・ビュコック」を参照 チュン・ウー・チェン (Trung Yu Chang) 声 - 大塚明夫(旧) 元士官学校教授ビュコック体制下での宇宙艦隊総参謀長中将のち大将。 「パン屋2代目」と渾名されるほど軍人としては風采の上がらない外見男性。しかし、戦略家戦術家として卓越した能力を持つ。大親征当時38歳妻子がいる。帝国軍フェザーン侵攻前後して士官学校教授から宇宙艦隊参謀長抜擢される。直後総参謀長オスマン病気更迭されたため、後任として総参謀長昇格する。のちにビュコック元帥昇進あわせて大将昇進以降宇宙艦隊司令長官ビュコック腹心としてマル・アデッタ星域会戦で共に戦死するまで彼に付き従い有用な献策によってヤンに対して多大な貢献をする。 初登場上記通り神々の黄昏作戦抜擢されてからであり、ヤンイゼルローン拘泥させず、自由に動かさせるなど、有用な献策行いビュコック同盟軍首脳部方針決めていく。ランテマリオ星域会戦では敗北後自決しようとしたビュコックに、ほぼ正しく今後の展望予期してみせ、軍部責任を取る者が必要と説得して思い留ませる(実際にラインハルト計らいドーソン拘禁のみで済む)。戦後自身は軍に留まり総参謀長のまま宇宙艦隊司令長官代理兼務する大親征に対しても、現場復帰したビュコック従い自分たちが指揮してラインハルトには負けるという予測からムライらに貴重な残存戦力一部託しヤン元へ送る。その後マル・アデッタ星域会戦にて数にも勝るラインハルト帝国軍本隊迎え撃ち民主共和制殉じてビュコックと共に戦死する作者設定では漢字表記は「淳于建」であるが、中国語版では「邱吾」、「邱吾权」の字が当てられている。 ドーソン (Dawson) 声 - 島田彰(旧) / 黒田崇矢(D) 統合作戦本部次長大将。後に統合作戦本部長クブルスリー後任)。のち元帥。元士官学校教官性格小心陰気神経質な小役人タイプ軍官僚。初登場時年齢についてヤンユリアンに対して40半ばだろう」と語っているが、ビュコックより14歳年下との記述があることから、実際50代後半である。士官学校教官憲兵隊司令官国防委員会情報部長第1艦隊後方主任参謀務めた経歴持ち、アムリッツア会戦後現職にある。おおよそその要職見合うだけの能力人望はなく、自分より士官学校時代の一番だけ席次良かった同期生何かしらミス降格処分となってドーソン部下となった時、ねちねちいびり抜いたり、後方主任参謀時代には各艦の調理室ダストシュート調べてまわり、じゃがいも廃棄する部分が多いと小言言って周囲うんざりさせたといったエピソードにあふれる。士官学校時代生徒であったアッテンボローからもその嫌味ぶりな逸話数々披露される。他にも「建国後30年50年くらいの外敵がいない時期だったらドーソンでも無難に務まっただろう(要約)」と酷評され救国軍事会議からは「大将昇進したのさえおかしい程度の男」と評され本部長代行になった時には宇宙艦隊司令長官であるビュコックから、(統治原則反するが)自分統合作戦本部長兼任した方がマシだったと皮肉られる。また、救国軍事会議のクーデター序盤では、ヤン対す個人的な嫉妬心から彼にそれぞれ離れた場所にある4ヶ所の蜂起鎮圧命じ、その主客転倒した現状認識逆にクーデター勢力目論見外して計画頓挫させられるではないかとまでヤン期待されるそのような能力にも関わらず栄達したのは一部政治家とのコネによるとされるトリューニヒト閥であることが示唆されている)。一方で秘密保持必要な種の任務には無能ではなかったと評され銀河帝国正統政府面々亡命受け入れなどでは手腕発揮している。 作中への登場統合作戦本部長クブルスリーフォーク凶弾療養余儀なくされ、本部長代行就任した時から。事実上制服軍人トップとなるが、救国軍事会議のクーデターには何も対処できず容易く拘禁される。クーデター終結後しばらくしてクブルスリー引退に伴い正式に本部長となるが、間もなく神々の黄昏作戦開始されるフェザーン帝国軍占領された後の同盟存亡関わる非常事態際しあからさまに狼狽することはなかったが、何ら有効な対策を講じることなく現実逃避日常業務を行うばかりで、統合作戦本部機能実質的に停止させてしまう(ビュコックらはドーソン叱咤激励したなだめたりして、何とか統合作戦本部機能回復させた)。最終的に帝国軍によるハイネセン占領に伴い軍事最高責任者として拘束される以後消息不明ロックウェル (Rockwell) 声 - 江原正士(旧) 後方勤務本部長大将。後に統合作戦本部長バーラトの和約後)。 トリューニヒト派の軍人として知られる人物軍人としてよりも、政治的思惑自己保身行動することが多く作中では一貫してヤン足を引っ張る初登場ヤン対す査問会であり、トリューニヒト派の軍人としてヤン糾弾するまた、彼が後方勤務本部長にいることがトリューニヒトの軍への強い浸透ヤン悟らせる)。バーラトの和約ドーソン帝国拘束されると、後任統合作戦本部長就任する階級大将のまま)。そしてレンネンカンプやレベロの意を受けヤン拘束奪還阻止作戦指揮を取るその後大親征において、マル・アデッタ星域会戦同盟軍敗北し帝国による首都占領間近となると帝国の故・レンネンカンプの首席補佐官フンメル煽られたこともあって保身のためにレベロを殺害する(ただし、これはまった無意味な行為だとレベロにも指摘される)。ラインハルト引見の際にレベロ殺害を以て助命乞う無意味な主殺し侮蔑され、思惑外れたことから咄嗟にラインハルト傍らにいたファーレンハイトを「自分と同じ」転向者として弁明してしまう。これが決定的となり、ラインハルトより任されファーレンハイトに「処断」される。

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