超音波怪獣 ギャオス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 11:49 UTC 版)
シリーズ第3作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』で初登場。 尾は短く、ジェット戦闘機の垂直尾翼に似ている。首は太く短く、この部分で背骨が二又しているため、頭部は目と顎以外がほぼ完全に固定された状態となっている。頭部からは光のシグナルを発するうえ、空腹時は頭部の後ろが緑に、体調が危機に陥ると頭頂部が赤に発光する。光の他に炎も苦手とされるが、胸から放出する黄色い消火液で鎮火できる。また、太陽の紫外線を浴びると体細胞が壊れる性質を持つが、再生能力は非常に高く、欠損した部位も時間が経過すれば再生される。血液は汚れたような色合いのピンク。 名称は、英一少年の「ギャオーと鳴くからギャオスだ」との発言からである。 このような生物は有史以来出現したことがなく、作中ではどの生物とも異なる分類「怪獣類」が提唱される。主に空を活動域にしており、地上では比較的緩慢である。一方、ガメラは水中や地上では自由に動けるものの、空ではギャオスの機動力におよばない、という風に両者の活動の差がその戦いに影響を与える。英一少年を襲おうとした際にガメラと対決し、後半で都市部へ進出して名古屋城や新幹線などを襲う。 フォッサマグナ付近の地下空洞で眠っていたらしく、富士山の突然の爆発によって復活すると、そこへ飛来したヘリコプターを地下空洞から発射した超音波メスで切断し、その搭乗員を捕食する。やがて夜間に空洞から外へ飛来し、人間や家畜を襲う。初対戦では、英一少年を救うために現れたガメラに強力な超音波メスを放って近寄らせなかったが、手脚を収納したガメラに体当たりされて怯み、英一少年を救出される。 名古屋でのガメラとの再戦では、激しい空中戦の際に黄色い煙を吹きかけることでガメラの飛行能力を奪って伊勢湾に落とすが、海中から逆襲するガメラに脚を噛まれて動きを封じられたうえ、夜明けが迫ったために脚を超音波メスで切断して逃走する。こうして得られたギャオスの肉片を解析した自衛隊により、人工血液でおびき寄せたギャオスをラウンジの回転盤に乗せて動きを止め、夜明けを待つ作戦が実行される。その結果、ギャオスはおびき寄せられるが、機械が限界を迎えて故障して回転盤が止まったために作戦は失敗し、再び逃走する。 しかし、英一少年の「ガメラは火が好きだからうちの山で山火事を起こせばいい」との発言を受け、自衛隊による山火事作戦が決行される。そして、ギャオスは山火事を鎮火しようと現れるが、そこでガメラとの再々戦となる。超音波メスと黄色い煙でガメラの動きを制限し、手脚を収納したガメラを持ち上げて飛翔して高空から何度も落とすが、ガメラの投げた岩で口を塞がれて超音波メスを封じられたうえ、後ろを向けない弱点をガメラに突かれた末、背後から首を噛まれて大量出血したのが致命傷となり、ガメラに抑え込まれたところに昇ってきた朝日を浴びて完全に動けなくなり、そのまま富士山火口内へ引きずり込まれ、絶命する。 『宇宙怪獣ガメラ』では、別個体が宇宙海賊船ザノン号にコントロールされ、名古屋を襲撃する。 造形物は翼を広げたタイプと翼を折りたたんだタイプの着ぐるみ2つに加え、操演モデルと実物大の足の指が作成された。そのうち、翼を広げたタイプの着ぐるみは後述の宇宙ギャオスに流用された。 柳田理科雄の考察本『空想科学読本』においては、「この身長にこの体重では密度は二酸化炭素並みになる」と計算されている。 ガメラの歌のソノシートや大伴昌司などによる資料によっては、ギャオスは爪に毒を持ち(後述のギャオス・ハイパーの設定に類似する)胸部から毒粉を発し、脚からジェットを噴出し、脳には体力を保つ「超能力液」を持ち、胃袋を2つ持ち、火山に巣を作り「幼虫」がいるなどの生態が述べられている(平成以降では「ギャオスの幼体の餌の昆虫」とされている)。
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超音波怪獣 ギャオス
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「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」の記事における「超音波怪獣 ギャオス」の解説
詳細は「ギャオス#超音波怪獣 ギャオス」を参照 コウモリをモチーフにした飛行怪獣。劇中では英一少年の「鳴き声がギャオーって聞こえるから」との言から「ギャオス」と名付けられたが、この「ギャオーって鳴くからギャオス」という思いつきは、実際は大映専務の永田秀雅によるものだった。首の骨が音叉のように二股になっており、このため鳴き声が超音波振動を起こしレーザーメスとなるという設定。青木博士は過去にも現在にも類似した動物が存在しないため、ギャオスを「怪獣類」に属する生物と分類している。ポスターや各種宣材では「人喰いギャオス」とうたわれ、「人を食う」というキャラクターが強調された。 デザインは井上章、造型はエキスプロダクション。八木正夫を中心に、白熊栄次らによって人の入るタイプのぬいぐるみが、羽根を拡げたタイプと畳んだタイプの二体造られた。当初は腹周りの段差が二段しかなかったが、「迫力に欠ける」との意見で撮入前に蛇腹状に修正された。鈴木昶によって目と耳に電飾が仕込まれ、体色塗装は村瀬継蔵が行っている。 飛行操演用には6尺、3尺、1尺サイズのミニチュアが使われた。ポーズの違うものやパーツ別のものを合わせ、30種ほど作られたという。ギャオスが人工血液の噴霧装置の周りを飛ぶシーンでは、画面手前を6尺、画面奥を3尺サイズのミニチュアを飛ばし、遠近感を出している。また、3人がかりで指を動かす実物大の手も造られている。製作者であるエキスプロの八木正夫は、1995年にもテレビコマーシャル用に本作のギャオスを再現制作している。
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