米国インターナショナルシューカンパニーと技術援助契約を結ぶ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 01:08 UTC 版)
「スタンダード靴」の記事における「米国インターナショナルシューカンパニーと技術援助契約を結ぶ」の解説
1961年2月5日 フローシャイム(FLORSHEIM) ・ランド・ジョン C ロバーツなどのブランドを配し、91の製造施設・タンナー・倉庫を所有、33,000人を雇用していた米国最大の靴メーカーのインターナショナルシューカンパニーとの技術提携を結ぶことを東京帝国ホテルにて発表した。この会で池田代表取締役は「日本の靴業界の発展に寄与したい。我々はインターナショナル靴会社の模倣にとどまることなく弊社の商品に反映せしめる事が定型の意義である。技術的に追いつきやがて追い越すこと心構えを有している」旨を述べた。 同年の3月21日から「ウィンスロップ(WINTHROP)」を発表する。米本国商品と同様にフェザーペッド・アクションフリー・シャドー仕上げなど全く新しい機能や製法を採用し製品化へ万全を期した。また品質管理において技術部検査課は本社・淀川・高野工場の職制を対象に「品質ニュース」「製研ニュース」を月2回発行し品質向上を徹底した。スタンダード靴チェーン会や有力百貨店用の優先販売品の5000足を含む、足入れの良い優秀な木型9型をベースに19型の新作を用意した。インターナショナルシュー社からの製造技術、広告宣伝、販売技術の各種指導に一定の技術料を払うことになっていたが、通産省から支払いに対する外貨割当許可を得るために大変な苦労があった。 この春の新商品から多彩なるデザインに対応するために製品番号を表示すること(製品番号制)になる。岩戸景気による好景気は紳士靴に多彩な素材・デザイン・スタイルを求めた。そのため「ウィンスロップ」を除いても40型という豊富なラインナップになった。 1962年 経済成長率が14%から7%に低下したこの年、靴市場は競争激化したが広告の面では各社が共同歩調をとった。サンデー毎日では「大塚製靴」「日本製靴」「千代田製靴」「スタンダード靴」の機械靴4社が毎月第4週号に共同広告を出したりした。またそれとは別に単独で深沢邦郎画伯の原画によるTVCMを午後8時台のゴールデンタイムや天気予報に提供。ラジオでもデッカホニットアワーという音楽番組などにも提供、「週刊朝日」「朝日新聞」「メンズゴーウェア」など雑誌媒体、新聞も強化した。名古屋営業所・広島営業所を開設。これにより本社・大阪・福岡・札幌・名古屋・広島の販売6拠点が整備されたことになる。春の革靴製協見本市では3日間で20億6173万円の売り上げを記録する。この年に池田代表、箕輪技術部長は米国欧州へ出張する。ウィンスロップを製造しているカークスビル工場とインターナショナルシュー社の傘下、当時世界最高峰の靴工場であったフローシャイムの工場も視察した。「ヤマト商事」創立15周年。新商品にイタリー調のマッケイ製法「フロンティア」と婦人靴「ダーリン」が追加される。本社工場を増設。これにより多品種少量生産への体制づくりと、生産能力を50%拡大する事が可能になった。東京丸井百貨店で「世界のトップマークシューズ大会」が開催される。「ウィンスロップ」「リーガル」「フリーマン」「マレリー」などが並んだが飛び抜けて「ウィンスロップ」は好評を博した。インターナショナルシュー社のシェイファー副社長が来日。明治製革とフランスアンリーボッケ社との技術提携によって新開発した防水性と柔軟性を強化した酸化ジルコニューム鞣しによる新底材「メイジ・リクソン」底を開発。9月1日より都内三越(日本橋・銀座・新宿・池袋)の協力により「リクソンシューズ」として販売された。国電を中心とした中吊り広告などを実施し一定の成果を得られたので11月より全国的に販売を開始した。淀川工場が日本工業規格表示許可工場(JIS)に認定された。 1963年 前年の増資計画により新資本金が2億円に変更。春の見本市では「ウィンスロップ」10型、メッシュを中心に「フロンティア」も13型にまで広がった。定番の「スタンダード」ネームもアンティーク仕上げを確立し「315」は多くの注文を受注した。この年から全ての媒体において積極的に広告戦略を打つことになった。それまでのキャッチフレーズであった「靴はこのマーク」から「午後3時の靴」に変更、新聞広告には「午後三時の靴<午後三時>大きく膨らむ時間です。足を研究して四十年。スタンダード靴は朝、昼、夜の変化を靴づくりに取り入れて来ました。いつもしっくりした履き心地とお好みのスタイルを揃えたスタンダード靴、靴はスタンダードのマークをお選びください。」と併記された。この年、ABR(アサヒ・ブランド・リサーチ)という朝日新聞の市場調査員を動員した23区内の消費商品調査が行われた。紳士靴ブランドにおいてサンプル数870・有効回収率84.9%という中、スタンダード靴は第1位に輝いた。(1位スタンダード靴 24.7% 2位日本製靴19.2% 3位大塚製靴7% 4位チヨダシューズ5.3% 5位ワシントン1.1%)。本社工場に採用された新中卒者は150名を越した。仙台営業所・静岡営業所を開設した。 前年に来日したシェイファー副社長から「ウィンスロップ」用のコンチネンタルスタイル新木型が4型提供されたので、6月より新商品を11デザインを発売した。これにより6月から9月に「ウィンスロップ」シューキャンペーン期間と定め取引先全店にポスターを配布、朝日新聞・北海道新聞・河北新報・秋田魁・新潟新報・中部日本・中国新聞・週刊朝日・週刊新潮・文藝春秋などに積極的に広告を打った。キャッチフレーズは「Flying from NewYork 五番街紳士」を採用した。人気ドラマの映画版「七人の刑事ー女を探せー」に靴を提供し門前仲町の明石屋靴店でロケ撮影された。7月27日に新工場が稼働始める。底付け方法がラック式からモノレール式に変更され製甲工程にもコロコンベアーによる運搬方式に変更された。12月23日に東京営業所を神田合同ビル(千代田区神田鍛冶町1-3)に移転する。
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