悩んだ末に女優に専念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 18:59 UTC 版)
芸能界入りのきっかけもスケートありき。あるとき浅田真央がスケートを滑っているCMを見て「私もこんなCMに出たいなー」と口にしたのを聞いた姉が、オーディション雑誌を買ってきて『イオン×オスカープロモーション ガールズオーディション2011』に応募したことから。応募書類に規定に合わない競技会用の小さな証明写真を貼り付けて軽い気持ちで応募したが、2011年11月の全国大会では、得意のトリプルトゥループさながらフィギアの振り付けを模したダンスで高い評価を集めグランプリに選ばれる。オーディション翌月には早々に大阪から上京し、オスカー若手が集まり明治記念館で開催される晴れ着撮影会に初参加。翌春にはイオンのCMへの出演、15歳で女優デビュー。慌ただしい芸能界入りから、初めはスケートと両立の可能性も考えたのだが、フィギュアは週6回の練習が欠かせないものであり、オーディションも全国3万5390人の中から選んでもらったものでもあり、どちらも甘いものではないと悩んだ末にスケートを辞める事にしたという。 フィギュアで磨いた身体能力や度胸は芸能界での活動に生かされている。映画『魔女の宅急便』のオーディションでは、テストで10mの高さに吊るされても屈託なく無邪気な会話ができたということから、500人を超える中から大抜擢。「直前まで違う子がイチオシだったりしましたが、その後、ひっくり返りました。最終的には、彼女じゃないと、撮りたくないってところまでいったんです」と、いきさつを語る清水崇監督の意向で、この時17歳の小芝は幼稚園以来ずっとロングで通してきた黒髪もフィギュア時代の華やかさとともに断ち切り作品に挑み、第57回ブルーリボン賞新人賞を受賞。そしてインタビューでは「負けず嫌いです。例えるなら“内心メラメラ”タイプ(笑)。」「私はおばあちゃんになるまで女優でいたいと思っている」などと語る小芝。木ノ下歌舞伎主宰の木ノ下裕一が「若竹」に例え「竹を割ったような」とも評すそんな性格は、身体能力や度胸とともに彼女の持ち味として、その後のドラマや舞台、さらにはディズニー映画ヒロイン吹き替えなどでも発揮されることに(「#映画デビュー&初主演作で新人賞」参照)。 “和装が似合う女優”として定評があり、年末の晴れ着撮影会には毎年参加するのが恒例で、2019年からはセンターを務め出席回数も歴代最多に。自身も「あきたこまち」のCM発表会に登壇した際「割と“昭和顔”といわれるので、お着物は自分で言うのも恥ずかしいんですけど、『イケるかもしれへん!』って思いました」と述べている。ドラマ2作目の出演も『大岡越前』第3話メインゲストの町娘・おとみ役。さらに『大江戸捜査網2015』では御台所・近衛寔子役 、『水戸黄門 スペシャル』では漁師の娘・お花役、『伝七捕物帳2』の小夏役ではレギュラー出演、『そろばん侍 風の市兵衛』では第2部ヒロインのお絹役など時代劇への出演も多い。また、初の幕末始まりの朝ドラ『あさが来た』のヒロインの娘・千代役もずっと和装での出演。「今世紀最高のラブストーリー」とも評されるドラマで、小芝も船場の商家育ちの“いとはん”らしい愛の形を初々しく好演したとのこと。そしてこの好演がのちのドラマ初主演へとつながるなど活躍の幅が広がることに(「#転機となったヒロインの娘役」参照)。 シリアスからコメディまで作風や役柄的にも幅広く多彩な感情を演じ分ける小芝だが、変顔をいとわず役になりきる根っから女優で、最強コメディエンヌとの説も。小芝初のコメディ作品『マッサージ探偵ジョー』では「ワトソン役」を自ら買って出るツインテールのキュートな役どころ。コミュ障な主人公を引っ張ってグイグイ前に出る活躍ぶりで、深夜枠にかかわらず視聴率が好調でコスパがいいと評された作品を盛り上げたとのこと。そして、連ドラ初主演の『トクサツガガガ』を見た松山千春が、小芝の演技力・立ち居振る舞いをオードリー・ヘプバーンに例え「久々のいい女優」とエールを送るなど、彼女の変幻自在な演技が好評を得ると主演作やヒロイン作も相次ぐことに。作家で芸能評論家の宝泉薫は、「彼女は体操やフィギュアをしていたおかげで、体幹の強さを褒められるそうですが、役者としての軸もしっかりと安定している気がします。そのあたりが憑依という形ではなく、役と自分との距離をうまく取りながら演じ分けられることにつながっているのでしょう。ある意味、こうした人の方が、真の演技派なのかもしれません。」と分析する。そんな中、連ドラ主演作がギャラクシー賞(月間賞)を2作連続で受賞という快挙も達成するなど作品自体も高く評価され、まさしく“主演する作品を見逃したくない女優”といえる存在に(「#真面目を個性にコメディでも開花」参照)。 主演映画『天使のいる図書館』の舞台あいさつで、共に登壇した香川京子を見つめ「私もこんな女性、女優になりたいと心から思いました」と目を輝かせ、理想の女優像として、満島ひかり、安藤サクラ、寺島しのぶ、蒼井優らの名をあげる。『GTO』で共演した松岡茉優が「ドラクエの聖なる泉だ」と形容するなど、しばしば朝ドラヒロインのイメージにぴったりな“超・清純派”と評される小芝だが、2019年にはNHKでドラマ4本とその他にも多くの番組に起用され「今、私の3分の2はNHKさんでできている」とその縁を喜び、朝ドラヒロイン&大河出演は「大きな目標」また「ご縁があれば映画に出演したい」とも語る。しかし、2020年4月期は『美食探偵 明智五郎』でヒロイン、7月期は『妖怪シェアハウス』で主演にと民放連ドラで話題をつないで期待度を高めると、2021年1月期には『モコミ』で民放連ドラ2度目の主演。、この2年余りで12作品のメインキャスト12役を演じ分け、次世代の演技派女優として引っ張りだこに。フリーライターの戸部田誠は「注目する俳優は?」との問いに「小芝風花さん。このところ出演するドラマが全部良い」と評す。そして芸能生活10年目を迎えた小芝は『彼女はキレイだった』で主演女優賞を受賞するなど一躍人気女優へと成長することに(「#年女の10年目は牛の歩みで焦らずに」参照)。 持ち前の好感度を発揮して、自身がCMキャラクターを務める「やかんの麦茶」が大ヒットすると、2021年~2022年の年末年始には、TV-CMタレントランキングにも顔を見せるようになった小芝。20歳のときに年表に書き留めた「25歳までにかなえる目標」は、「コロナ禍でいろんな状況が変わってしまって。実現はしなかったんです」と素直に打ち明ける一方で、「今のように主演作が続くとは、以前は想像していなくて。書き留めた内容よりすごいことをさせてもらっている、とも思っているんです」と手応えも。2022年は7月に女優デビュー10周年を迎え、主演作5本が決まりCM9本に出演。主演ドラマの初の続編と映画化にも「夢が叶って本当に幸せ!」と喜ぶ小芝は、「10年は本当にあっという間。いろんなことがあったんですが、過ぎてみると一瞬だから後悔のないように楽しむことは楽しんで人生を謳歌したい」「人と比べられる職業ですが気にせずに自分らしく生きていきたいです。」などと語る。そして、事務所の後輩との共演も増える中で「なるべく話をしやすい先輩でありたい」という小芝だが、「天狗にならないように気をつけています。人って自分で気づかないうちに変わると聞くので。『あいつ変わったな。調子に乗ってるな』と思われたくないから、『私がそうなりそうだったら言ってください』と、周りの信用できる方や家族にお願いしています。」とも(「#家族と親友、共演者に見せるその素顔」参照)。
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