大沢家とその周りの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:01 UTC 版)
「大使閣下の料理人」の記事における「大沢家とその周りの人々」の解説
大沢公(おおさわ こう) 主人公。初登場時28歳。倉木大使付の公邸料理人(専門はフレンチ)。温厚な性格で怒ることはほとんどないが、憤懣やるかたない時には厨房を徹底的に掃除することで気を静めている。母親を早くに亡くしており、母の残した手作りの梅干を大切に食べている。家族からは「料理バカ」と評されるほど、専門以外の食材や調理法にも関心が高く、それが元でトラブルに巻き込まれることも珍しくない。 高級素材に頼らず、素材同士のマリアージュ(絶妙に調和した状態)により美味しさを引き出す発想が特徴。フランスでの修行経験がないにも関わらず、国粋主義のフランス人たちからもその技量に一目置かれるほどの腕の持ち主である。 公邸勤務となってからは外交上の思惑を料理に乗せることの意味や、客を持成すにあたっての情報収集の大切さ、大使館関係者として地域に溶け込み、食材の流通を把握することの重要性、そして大使との信頼関係など、それまでになかった諸問題に悩まされ、時に失敗を経験しながら倉木から全幅の信頼を寄せられる「大使閣下の料理人」成長する。 都内NKホテルのレストランに勤務していたが、そこでは客と料理人との距離があり過ぎて気持ちが伝わる料理を提供できないと感じ、ホテルを辞めてハノイの日本大使公邸料理人に応募した。専門はフレンチだが、ホテル勤務時代に半年ほど製菓部に出向していたため、洋菓子作りも得意であり、またその経験が物語のスタートを切ることになった。公邸勤めとなってからは、設宴のため和食、ベトナム料理、アフリカ料理、中華料理など様々な国の料理で研鑽を積んでいる。 ベトナム編終盤で、倉木が自分を採用した決め手はロンドン・カールトン・ホテル「パーキン」のレシピを知っていたからだと本人から聞かされてショックを受けるが、葛藤を乗り越え、倉木との更なる信頼関係を築いた。最終章では、ホテルが大使館の設宴をバックアップするという提携企画を立ち上げ、倉木大使の了承を得て退職。NKホテルのチーフとなった。「大使閣下の料理人」を弟子の青柳愛に引き継がせるが、その際に「パーキン」の件を引き合いに出し、「自分も最初はその程度の料理人に過ぎなかった、裏を返せば誰でも志を持てばみんな僕のようになれるということです」と愛を励ました。 続編『グ・ラ・メ! -大宰相の料理人-』にもサブキャラクターとして登場している。 大沢ひとみ(おおさわ ひとみ) 公の妻。ベトナム編では長女かおりとともに東京の家で2人暮らし。NKホテルで催事場のセッティングを務めていた時に公たちと出会う。公の職場の先輩相田と婚約していたが、仲違いにより冷めかかっていたところを公が口説き落とし、迷った末公を選んだ過去がある。妊娠により止む無く仕事を辞め、専業主婦となった。酒豪。 大沢巧(おおさわ たくみ) 公の父。浅草界隈にある食堂「うさぎ亭」のオーナー。頑固親爺だが孫のかおりには甘く、彼女とのツーショット(後には匠を加えたスリーショット)を携帯の待ち受けにしているほど。仕事に没頭し家族をおろそかにしがちな息子を、度々叱りつけている。 大沢かおり(おおさわ かおり) 公・ひとみ夫妻の長女。ツインテールの小学生で、母や祖父の手伝いの中で料理を学んでいる。独自料理を考えるなど、才能の片鱗を見せている。学校では「家庭科の鬼」とも呼ばれている。最終話では中学生となっている。 大沢匠(おおさわ たくみ) 「一姫二太郎」計画を抱き続けていた公・ひとみ夫妻にとって待望の長男(単行本23巻で誕生)。名前は『職人』としての意味と、音の『たくみ』を祖父の名の『巧』と同じにしたことによる(巧は「味平」と名付けしようとしていた)。 うさぎ亭を開く前は、ホテルの洋食調理部に勤務していた。その際に中華の調理場にも顔を出し、香港出身のシェフに教わったため、中華料理の技法にも詳しく、葉兄弟との対決では公に湯(スープ)の力を借りるようアドバイスを送った。 忠(ちゅう) 「うさぎ亭」に勤務する料理人(沖縄出身)。客一人一人の癖や体調などを瞬時に読み取り、料理を提供するタイミングを計ったり、食べやすい料理を考えたりする才能の持ち主。某レストランのシェフだった当時の失敗が原因で自信を失い、その後巧の下で彼の右腕として大いに活躍するも、あくまで裏方に徹した(巧は彼に独立を勧めていた)。来日したロック主席が偶然うさぎ亭を訪れた際に公を助け、ロックから料理人としての取組み姿勢と技量を絶賛された。それにより自信を取り戻し、程なく暖簾分けの形で「こ卯さぎ亭」を開業した。亡妻との間に一人娘理絵(りえ)がいるが、彼とそりが合わず家出し、バリ島で現地人と結婚した(単行本17-18巻で親娘は和解した)。
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