付け合わせと副菜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 15:59 UTC 版)
ボルシチのスタイルの多様性は様々な種類のボルシチに合わせて、付け合わせや副菜の幅広い選択肢を提供している ほとんどの場合、ボルシチにはサワークリームが添えられているが、東ヨーロッパではアメリカのものよりも柔らかいスメタナが使われている。サワークリームは食事客が好みの量を装えるようにピッチャーで提供される場合もあれば、ボルシチが既に「白くなっている」、すなわちサワークリームと混ぜられている場合もある。時によってクリームはスープに加えられる前に小麦粉で濃くされることもある。ヨーグルトと牛乳と卵黄を混ぜたものが代用品として認められる。 刻んだハーブはしばしばスープの上に振りかけられ、ディルが最も一般的だが、パセリ、チャイブ、青いネギ類が加えられることもある。それぞれの好みでみじん切りのトウガラシやニンニクを加えることもある。多くの種類のボルシチが半分または4つ割の堅茹で卵かウズラの卵にかけて供される。シロインゲンマメ、ソラマメ、サヤインゲンも一般的に加えられる。 ボルシチのベースとなったストックから取り出した肉は、小さく切り分けてスープに戻したり、ホースラディッシュやマスタードを添えて付け合わせにされたりする。ベーコンとソーセージもまたボルシチの付け合わせとして一般的である。骨のストックをベースにしたボルシチは、骨から取り出した骨髄と共に古いポーランドスタイルで供されることがある。 ポルタヴァのボルシチなどの一部のスープはハルシュキー(英語版)(小麦粉や蕎麦粉の太い麺)と一緒に供される場合がある。シベリアのボルシチは茹でたみじん切りの牛肉と玉ねぎのミートボール(frikadelki)と共に食べられる。ポーランドとウクライナ西部の一部では、ボルシチは通常ウシュカ(茸、蕎麦の実、肉の詰め物にパスタ生地を巻き付けた耳の形をした一口サイズのダンプリング)の上にかけられる。茸を詰めたウシュカは特にポーランドのクリスマスイブのボルシチと結びついている。 ボルシチは、他の東スラヴ料理のスープと同様に単品で食べられることは滅多になく、副菜を添えて食べられる。少なくともスプーン一杯のボルシチは、スライスしたパンの一齧りと交互に食べられる。しばしばポーク・スクラッチングで覆われた挽き割りの蕎麦の実や茹でたジャガイモなど、他にも単純な可能性もあるが、より複雑な副菜も存在する。 ウクライナではボルシチにはしばしばパンプーシュカ(風味豊かな、油と砕いたニンニクで艶を出されたふっくらしたロールパン)が添えられる。ロシア料理では、ボルシチにはトヴァローク(東ヨーロッパのカッテージチーズ)をベースにしたヴァトルーシュカ、シルニキ、クルペニク(英語版)などの様々な副菜とともに供される。ヴァトルーシュカは、チーズを詰めて焼かれた丸いタルトで、シルニキはチーズが生地に混ぜられた小さなパンケーキであり、クルペニクは挽き割り蕎麦をチーズとともに焼いたキャセロールである。 ピロシキ(ウシュカのように詰め物をして焼いたダンプリング)は濃厚なボルシチと、透き通ったボルシチの両方に共通するもう一つの副菜である。ポーランドの透き通ったボルシチはクロケットやパシュテチク・シュチェチンスキ(英語版)と一緒に出されることもある。一般的なポーランドのクロケット(krokiet)は詰め物の周りにクレープ(薄いパンケーキ)を巻き、パン粉をつけて揚げて作られ、パシュテチク(文字通り「小さなパテ)は酵母で膨らませたか薄いままの生地を使った様々な形の詰め物が入った片手サイズのペストリーである。ボルシチを提供するさらに絶妙な方法はクーリビヤック(英語版)(大きなパンの形をしたパイ)を使うことである。クロケット、パシュテチク、クーリビヤックの詰め物としては、茸、ザワークラウト、挽肉などが用いられる。
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