香港特別行政区基本法 付属文書一 香港特別行政区行政長官の選出方法

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香港特別行政区基本法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 02:31 UTC 版)

付属文書一 香港特別行政区行政長官の選出方法

1990年の規定

800名の選挙委員による選挙で選出。この選挙委員を選出する有権者は、立法会の職能別選挙の有権者とほぼ同じで、24万人弱。 この規定で2002年、2005年、2007年の選挙が施行された [注 2]

第7項 2007年以後の歴代長官の選出方法を改正する必要がある場合は、立法会の全議員の3分の2の多数で可決し、行政長官の同意を得、かつ全国人民代表大会常務委員会に報告し承認を得なければならない。

この第7項が2007年以後の香港の民主化を期待させる規定だった。

2010年の改正

2010年の香港立法会が可決し、全人代常務委が承認した改正。 2012年,2017年の選挙の選挙委員は1200人(その有権者は25万人弱)に拡大。

胡錦濤体制下での民主化の最後の前進だった。 [注 3]

2021年の改正

全人代常務委による改正 [注 4]。 選挙委員は1500名に拡大した。 ただし選挙委員を選ぶ選挙は香港特別行政区の選挙法に基づく。 これによって、選挙委員を選出する有権者は、8000人弱に限定された。

また1990年に制定された第7項規定、選出方法の改正方法は抹消された。

付属文書二 香港特別行政区立法会の選出方法と表決手続き

1990年の規定

第一期(1998年選挙)、第二期(2000年選挙)は略。

第三期(2004年と2008年選挙)の立法会は、各区での普通選挙(有権者320万人強)による議員30名と、機能団体(有権者23万人弱)による職能別選挙議員30名の計60名で構成された。

第3項 2007年以降の香港特別行政区立法会の選出方法と法案、議案の表決手続きは、本付属文書の規定に対し改正を加える必要のある場合、立法会議員の三分の二の多数で可決し、行政長官が同意し、全国人民代表大会常務委員会に報告して記録に留めなければならない。

これが2007年以後の民主化を期待させる規定だった。

2010年の改正

香港政府と立法会主導による改正。 2012年と2016年の立法会選挙は、普通選挙(有権者380万人弱)35名と、職能別選挙(同約24万人)35名の計70名を選挙した。

2021年の改正

全人代常務委による改正 [注 5]。 議員数は90名に増。ただしそのうち普通選挙(有権者450万弱)による議員は20名に減。職能別選挙による議員は30名。加えて選挙委員会による議員40名 [注 6]

普通選挙枠による立候補にも、選挙委員会の5枠すべてから2人以上の選挙委員の推薦が必要となった。2021年の選挙で民主派は立候補を断念、議会はほぼ全員親中派議員となった。

付属文書三 香港特別行政区において施行される全国的な法律

1990年の制定以後、これまで5回(1997,1998,2005,2017,2020年)改正された。 最後の2020年6月30日改正で、香港国家安全維持法の適用が追記された。


注釈

  1. ^ 2021年2月9日、「リンゴ日報」創業者、黎智英氏裁判についての、終審法院の判例文から。「全人代および全人代常務委の立法行為としての香港国家安全維持法は、香港基本法または香港に適用される国連自由権規約との不一致の申し立てにもとづく審査の対象とならない。」
  2. ^ ただし2002年と2005年は、選挙委員から100名以上の指名を集める対立候補がなく、現職の無投票当選となった。
  3. ^ 2014年の雨傘運動は、2014年の全人代常務委の改正案、「2017年以後は普通選挙とするが、指名委員会の過半数の指名を立候補条件とする」という案に反対する運動だった。この案は2015年の立法会で否決された。しかし無条件の普通選挙にもできず、基本法付属文書の改正はされなかった。
  4. ^ 2020年の香港国家安全維持法によって反対運動を鎮圧した。
  5. ^ 新型コロナ対策という理由で2020年選挙は2021年に延期。その選挙前に改正。
  6. ^ この選挙委員会は行政長官選挙委員会と同一。選挙委員会による議員選出は、2000年の選挙以後なかったが、復活させた。

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