京都市営地下鉄東西線
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東西線 | |||
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東西線で運用されている50系電車 | |||
基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 京都府宇治市、京都市 | ||
種類 | 地下鉄 | ||
路線網 | 京都市営地下鉄 | ||
起点 | 六地蔵駅[注釈 1] | ||
終点 | 太秦天神川駅 | ||
駅数 | 17駅 | ||
路線記号 | T | ||
開業 | 1997年10月12日 | ||
最終延伸 | 2008年1月16日 | ||
所有者 | 京都市交通局 | ||
運営者 | 京都市交通局 | ||
車両基地 | 醍醐車庫 | ||
使用車両 | 車両の節を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 17.5 km | ||
軌間 | 1,435 mm (標準軌) | ||
線路数 | 複線 | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
閉塞方式 | 車内信号閉塞式 | ||
保安装置 | CS-ATC、ATO | ||
最高速度 | 75 km/h[1][2] | ||
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概要
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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京都市で2番目の市営地下鉄路線として開業した。京都市中心部と同市東南部の山科区・伏見区との通勤輸送、および滋賀県大津市との都市間輸送の一部を担う路線であり、1日平均18万人が利用している。
1997年に醍醐駅 - 二条駅間が開業し、2004年に醍醐駅から六地蔵駅まで延伸、2008年1月16日には二条駅から太秦天神川駅までが開業した。同駅からはさらに西京区の洛西付近までの延伸が予定されているが、京都市の財政事情が厳しいことから建設の見通しは立っていない(西部への延伸構想節も参照)。
六地蔵駅から山科駅までは伏見区東部・山科区を京都外環状線の地下を通って南北に走る。山科駅から蹴上駅まで山を迂回するようにカーブし、蹴上駅から太秦天神川駅までは市内中心部を三条通・御池通・押小路通の地下を通って東西に走っている。京都市中心部で東西方向に走っていることから、東西線と名付けられているが、東西方向に走っているのは全体の半分程度である。
すべての駅にフルスクリーンタイプのホームドアが設置されている[1][5]。太秦天神川駅から御陵駅では、4両編成と6両編成の両方が発着する関係で、これらの駅ではホームドアは4両部分のみの開閉も行うことが可能である。地下鉄でのホームドアの採用は東京メトロ南北線に次いで、当路線が日本国内2例目である。また、各駅毎にステーションカラーと呼ばれるシンボルカラーが選定されており、ホームドアのほか、駅名表示部、駅名パネル、駅務室の外壁、エレベーターの扉などがその色で統一されている。このステーションカラーは下の表のようにグラデーションしていく。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):六地蔵 - 太秦天神川間 17.5km[1]
- 軌間:1435mm[1][4]
- 駅数:17駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線[1]
- 電化区間:全線電化(直流1500V・架空電車線方式)[4]
- 閉塞方式:車内信号式(ATC、ATO)[1]
- 最高速度:75km/h[1][2]
- 総建設費:6483億円[注釈 2]
運行形態
京阪京津線びわ湖浜大津駅からの列車が御陵駅から太秦天神川駅まで乗り入れている。平日は朝時間帯、土休日は6時台までに京都市役所前駅発着列車が運転されるほかは、すべて太秦天神川駅まで直通する[4][6]。交通局の車両を使用する列車は東西線内六地蔵 - 太秦天神川間の運転で、交通局車は京津線へは乗り入れない[4]。
日中のダイヤは東西線開業当初、15分間隔で運転されていた京津線直通列車を除けば、全線で10分間隔(1時間に6本)だったが、2000年3月に烏丸御池駅で連絡する烏丸線と運転間隔をそろえるためもあり7分半間隔(1時間に8本)に増発され、これにより15分間に東西線内列車2本・京津線直通列車1本のパターンになった。2008年1月16日の太秦天神川延伸開業後は京津線直通列車を含めると京都市役所前 - 太秦天神川間で昼間1時間に10本の運転間隔となり、烏丸線よりも本数が多くなった。2018年3月17日のダイヤ改正で京津線直通列車が昼間20分間隔ですべて太秦天神川発着となったため、御陵 - 太秦天神川間は昼間1時間に11本となり、御陵 - 京都市役所前間は1本減便、京都市役所前 - 太秦天神川間は1本増便となった。
1997年までの京阪京津線が御陵駅以西で地上を走っていた時期は、下記のような所要時間であった。
- 京津三条駅 - 御陵駅:準急10分 普通12分
現在の地下鉄東西線の所要時間は、下記のとおりである。
- 三条京阪駅 - 御陵駅:6 - 7分
営業列車は京津線直通列車の京都市役所前駅発着を除けば途中駅始発・終着の列車はないものの車両基地は途中の醍醐駅近くに所在(ただし配線の関係で醍醐駅からの入出庫が不可能のため、入出庫対応駅は小野駅となる)するため、入出庫の目的で一部時間帯に六地蔵駅 - 小野駅間で回送列車が設定されている。
注釈
- ^ 距離を示すキロポストは醍醐起点である(六地蔵 - 醍醐間はマイナス表示になっている)。
- ^ 二条・醍醐間 4537億円(うち、三条京阪・御陵間 1543億円)、醍醐・六地蔵間 556億円、太秦天神川・二条間 390億円。
- ^ 正確な譲渡金額は958億8717万5千円。
- ^ 杉浦克典「関西地方における上下分離・第三セクター」(関西鉄道協会都市交通研究所編『都市交通事業の経営手法:新たな展開』収録)によれば、当初は3年ごとに線路使用料が10%ずつアップする計画であったが、京都市交通局の経営不振により55億円のまま据え置かれた。
- ^ 近畿地方交通審議会 (2004年10月8日). “付図1、付図2” (pdf). 答申第8号. 国土交通省. p. 2. 2013年12月15日閲覧。 - 天神川〜梅津〜上桂〜洛西 7.7kmが「・洛西地域の開発状況の成熟化に伴い発生する輸送需要に対応するとともに、京都都心部へのアクセス機能の強化に資する路線である。・桂川以北までの段階的な整備を検討する必要がある。」として「中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」に位置づけられている。
近畿地方交通審議会 (2004年10月8日). “別紙1、別紙2” (pdf). 答申第8号. 国土交通省. p. 3. 2013年12月15日閲覧。 - 長岡京市までは洛西〜長岡 5.0kmが提案のあった路線として審議会での評価の対象となった。
“路線評価一覧表” (pdf). 第8回近畿地方交通審議会 参考資料. 国土交通省. p. 3 (2004年10月8日). 2013年12月15日閲覧。 - 上記の2区間についてそれぞれ評価が行われ、天神川〜洛西間では整備後50年での費用対効果が2.55となり、開業40年で資金収支ベースでの黒字化が見込める一方、洛西〜長岡京間では同数値が1.28にとどまって40年での黒字化も見込めないとされた。その結果、答申自体では天神川〜洛西間のみが整備検討路線として記載された。 - ^ 実際には蹴上駅の六地蔵寄りにも非常渡り線は存在するが、使用されなかった。
出典
- ^ a b c d e f g h i 寺田 2013, p. 129.
- ^ a b 『日本縦断! 地下鉄の謎』[要ページ番号] - 小佐野カゲトシ
- ^ “路線図”. 京都市交通局. 2018年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月21日閲覧。 “路線色(烏丸線:緑 東西線:朱)”
- ^ a b c d e f g h ぎょうせい 2020, p. 17.
- ^ “天井まで達したホームドアからどう逃げる 列車内で相次ぐ事件、地下鉄の安全対策”. 京都新聞. (2021年11月10日). オリジナルの2021年12月27日時点におけるアーカイブ。 2022年1月1日閲覧。
- ^ a b “京阪電車 大津線ダイヤを変更します”. 京阪電気鉄道. 2018年2月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
- ^ “京都市バス 山科区へ24年ぶり乗り入れ「河原町三条〜東野」新設 京阪バス減便を補完”. 乗りものニュース (2021年10月16日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b “京都の地下鉄運賃なぜ高い? 埋蔵文化財で工費かさむ”. 日本経済新聞. (2021年7月10日) 2021年12月25日閲覧。
- ^ 京都市交通事業白書
- ^ a b c d e f 寺田 2013, p. 273.
- ^ “太秦天神川まで京阪乗り入れ 京都市地下鉄 東西線西伸で”. 京都新聞 (2007年5月28日). 2007年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
- ^ 九条山バス停の三条京阪方面時刻表
- ^ a b c “京都の地下鉄が開業40年 コロナ直撃、運賃上げ議論も”. 朝日新聞デジタル. (2021年5月29日). オリジナルの2021年5月29日時点におけるアーカイブ。 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b c “京都市「財政破綻」の危機…高い職員給与・手厚い敬老パス・バブル期に地下鉄建設”. 読売新聞オンライン. (2021年5月26日). オリジナルの2021年5月26日時点におけるアーカイブ。 2021年12月25日閲覧。
- ^ 平成20年度京都市高速鉄道事業特別会計補正予算 (PDF) [リンク切れ] - 平成20年5月市会定例会提出議案
- ^ a b “新たな取組として, 第三セクター区間である地下鉄東西線御陵・三条京阪間の直営化を図ります。”. 京都市交通局 (2008年8月26日). 2021年12月27日閲覧。
- ^ 地下鉄東西線・御陵-三条京阪 京都市 来年度直営化 [リンク切れ] - 京都新聞 2008年5月13日
- ^ 第一回京都市バス・地下鉄事業経営健全化有識者会議資料 (PDF) - 京都市交通局 2009年1月、p.14
- ^ 平成17年度地方債計画の概要 (PDF) - 総務省 p.8
- ^ a b “50億円超の赤字予算、京都市営地下鉄と市バス「地下鉄は経営健全化団体となる可能性」”. 京都新聞. (2021年2月10日). オリジナルの2021年2月10日時点におけるアーカイブ。 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b “京都市交通局経営レポート(令和2年12月発行)” (PDF). 京都市交通局 (2020年12月25日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b c “京都市交通局 過去最大級の赤字で合理化に舵 減便 設備投資抑制 「京カード」廃止etc…”. 乗りものニュース (2021年2月12日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ “京都市決算、大幅赤字 地下鉄は「経営健全化団体」確定”. 日本経済新聞. (2021年8月4日) 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b “古都・京都、実は崖っぷち財政 コロナが追い打ち”. 産経ニュース. (2021年3月19日) 2021年12月25日閲覧。
- ^ “京都市の財政難「地下鉄の車両部品売ります」…『車号銘板』『方向幕』『ヘッドマーク』少しでも足しになれば”. よんチャンTV (2021年10月29日). 2021年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
- ^ “このままでは7年後に“破産”…財政難の京都市が5年で約1600億円の収支改革案を発表”. ABCニュース (2021年6月7日). 2021年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月25日閲覧。
- ^ “本市財政の課題”. 京都市行財政局財政室 (2021年1月25日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ a b c 京都市交通局:京都市交通局のあゆみ〜年表〜
- ^ 寺田 2013, p. 275.
- ^ “京都市営地下鉄東西線が携帯エリアに、12月19日から”. ケータイWatch (2014年12月15日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ “京都市交通局、3月27日より地下鉄全線の駅間およ全駅で携帯電話が使用可能に”. トラベルWatch (2015年3月24日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ “京都市営地下鉄東西線の山科駅〜太秦天神川駅間で携帯電話サービスが利用可能に”. ITmedia (2015年3月24日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ “【令和3年3月実施】市バス新ダイヤ及び地下鉄のコトキン・ライナー(終電延長)の休止”. 京都市交通局 (2021年1月23日). 2021年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月20日閲覧。
- ^ 島本由紀. “地下鉄烏丸線開業前史”. Kyoto Love. Kyoto. サンケイデザイン. 2021年7月11日閲覧。
- ^ “京都地下鉄東西線「洛西延伸」西京区の基本計画から削除 「新たな環状交通」検討”. 鉄道プレスネット. 2021年12月3日閲覧。
- ^ “西京区基本計画(第3期)” (PDF). 京都市 (2021年8月). 2021年12月4日閲覧。
- ^ “西京区基本計画(第2期)” (PDF). 京都市 (2011年3月). 2021年12月4日閲覧。
- ^ “地下鉄東西線の一部で運休続く 台風18号、大雨影響”. 京都新聞 (2013年9月17日). 2013年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
- ^ a b “台風18号により被災した地下鉄東西線の災害対応に係る総括について” (pdf). 京都市交通局 (2014年3月). 2017年8月2日閲覧。
- ^ 出典・京都新聞2013年10月23日朝刊21面『ポンプ 電源高所へ移設』・同新聞2013年9月22日朝刊27面『豪雨 危機管理に甘さ』
- ^ “駅別名?実は広告です 京都市地下鉄、増収へ23駅導入”. 京都新聞 (2013年2月6日). 2013年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
- ^ 京都市営地下鉄時刻表 東西線駅一覧 - 京都市交通局
- ^ 『京都市交通事業白書(事業概要)』令和4年度版 (PDF) - 京都市交通局
- ^ 京都市交通局公式サイト>『ハイパー地下鉄ダイヤ』内『東西線の発車合図楽曲』ページ
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