ワールドワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/25 21:22 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ワールドワークとは、プロセス指向心理学を、グループダイナミクス、葛藤解決、組織開発へと応用したものである。
心理学者アーノルド・ミンデルの個人の体験と行動を一方とし、グループを他方とした両者が、似た構造と力学を持っているという彼の観察に基づいて開発された。これは、重要な違いを考慮に入れつつ、ミンデルが個々のクライアントに使っていた手法をグループ、組織へと応用することを可能にした。今日、ワールドワークは、社会的な変化の力学について説明するための、複数の領域を横断しつなげる一貫したパラダイムを提示、それを把握するための普遍的なカテゴリと、それを容易にするための介入が開発されている。
参考文献
- A・ミンデル 『紛争の心理学』 講談社、2001年 (ISBN 4-06-149570-4) (* Mindell, Arnold. (1995). Sitting in The Fire: Large Group Transformation Using Conflict and Diversity (1st ed.). Portland, Or.: Lao Tse Press. の抄訳)
- Audergon, A. (2005). The War Hotel: Psychological Dynamics in Violent Conflict. London: Whurr.
- Mindell, Arnold. (1989). The Year I: Global Process Work: Arkana.
- Mindell, Arnold. (1992). The Leader as Martial Artist: An Introduction to Deep Democracy (1st ed.). San Francisco: Harper San Francisco.
- Mindell, Arnold. (2002). The Deep Democracy of Open Forums. Charlottesville, VA: Hampton Roads.
関連項目
外部リンク
- 風使いの小屋 - ウェイバックマシン(2019年1月1日アーカイブ分) (ワールドワークを含めたプロセスワークの解説など)
- Worldwork.org 英語(グローバルプロセスインスティテュートが2年に1度行っているワールドワークの情報)
ワールドワーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/13 19:36 UTC 版)
「プロセス指向心理学」の記事における「ワールドワーク」の解説
ワールドワークは個人や関係性を含みながらも、主に会社・学校などの組織や地域共同体、紛争地域にいる民族などに焦点を当ててプロセスワークを行う。 様々な人のグループから成る「場」には、様々な感情があふれている。その「場の感情」はそれを代弁する人物によって表現されることが普通である。その代弁者が背負う役割、立場を「ロール」と呼び、ワールドワークではこの「ロール」がどのように現れてくるかに気付いていくことにも注目する。このことは社会における少数派への抑圧を緩和する効果がある。 一例を挙げる。ある紛争地域において「紛争相手に報復すべきだ」という意見が主流となり、「世界平和」を唱える意見が少数派になるとする。ワールドワークでは、このロールの力関係を見定め、少数派の意見を拡大して(しかし、肩入れすることなく)注目することとなる。普段は現れない微細な2次プロセスに注意を向けることにより、プロセスの全体性が回復するのである。(→#1次プロセスと2次プロセス)これまでの多数決で押し切る民主主義の考えに代わり、多数決や、通常のリアリティー(合意のある現実)で押し切らずに、ドリームランド、センシエントレベルを含む全体に気付きを向ける方法をアーノルド・ミンデルは「深層民主主義」と呼んだ。 社会問題を直接解決しようとせず、グループが本来持つ心の総合体に気付きを向けることで、グループをあるがままの状態に落ち着けていく。そうする事で、場の中に対立する声があったとしても、おそれや痛みという気持ちで繋がることができ、相手と対話する姿勢が生まれる。このワールドワークの手法で、テロリスト同士の和解が成立した事例もあるとミンデルは紹介している。
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